◆子供さんの「発表会用花束」発注のヒント


 お子様用花束として、最も需要が大きいのは、ピアノやバレエなどの「発表会用」です。ここでは、「買う大人の立場別」に発注のヒントを紹介しましょう。

(1)教室の先生が、生徒の子供さんたちに花束を贈る場合

 ガーベラや、ミニバラなどの一本巻き(1本の花をセロハンとリボンでラッピングする)のオーダーがほとんどです。
 基本的に、生徒さんの人数分、全く同じものを用意するのが良いようです。例えば、20人の生徒さんがいるとするならば、「20ヶ全部ピンクのガーベラ、リボンは赤」みたいなのが良いのです。
 悪い(?)例は、「半分はガーベラ、半分はスプレーカーネーション。色は何色か混ぜてください」みたいなオーダーです。なぜ悪いかというと、子供さんたちが喧嘩になるのだそうです!
 私は、個人的には「全員同じでなくたっていいじゃないか?」と思うので、本当は上のように「悪い例」などと書きたくはないのですが、色々な教室の先生方から「現実」を聞いてしまい、ついにおすすめできなくなってしまいました。
 楽しく、誇らしく発表会を終えたというのに、最後に先生にもらう花束で喧嘩になり、泣いて帰る子がいるって言うんです。(そんなことくらいで泣かない子に教育せいよ!と思わぬでもないですが、それは花屋さんの領分の話ではないので…)何種類かの中で、好きなの選べる方が良いじゃない、と思うのは、ある程度成長した大人の考え方のようです。
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(2)発表会によばれ、よそのお子さんに花束を贈る場合

 これは、ごく一般的なものを選ぶのが、最も無難です。(常識的なアドバイスで申し訳ない……)
 女の子なら、スプレーバラにカスミソウなどがかわいらしいですね。色も、淡いピンク系などが喜ばれます。男の子だったら、元気なヒマワリとか、青系の花を挿し色に入れるなどして、乙女チックになり過ぎないものが良いでしょう。(かわいらしすぎると、男の子は照れちゃうようです)
 大人でもそうですが、よそ様に差し上げる場合は、極端に特殊な内容にしない方が良いです。ただし、完全に相手の好みが分かっている場合とか、事前に本人からリクエストを受けている場合は別です。

(3)発表会に出るご自分の子供さんに花束を贈る場合

 お母さん(お父さんでも良いですが)が選ぶ場合と、お母さんが、花束を受け取る子供さん本人に選ばせる場合があります。

a.お母さんが選ぶ場合
 これは、最もお子さんのことを良く分かっている人が贈るのですから、本当は思っておられるとおりの花束を申しつけていただければ良いのですが、花束のヒントが何も思いつかない場合は、お子さんが着る服の色とか、幾つのお子さんなのか、発表会の内容は何か、など花屋の側にヒントをくだされば、こちらからアドバイスできることも発生してきます。意外にも、発表会の内容は大きなヒントになります。例えば、演目が「カルメン」だったら、真紅のバラなどオススメできるわけです。

b.お母さんが、花束を受け取る子供さん本人に選ばせる場合
 多分、あらかじめ子供さんに選ばせ、発表の際に、改めてステージ上に届けるような使い方なのでしょうか?
 実は、花屋さんになって、気づいたことがあります。それは、
「花束を選べと言われた小さな女の子は、自分が最も気に入った商品をストレートに指差すとは限らない」ということです。
 いやもう、これははっきり分かります。だって、お母さんは大抵セレクト中の女の子の後ろから見ていますが、花屋さんは、小さなお客様と対面していますからね。
 最も多いケースは、非常に大人っぽい花束をじーーーっと見つめたあげく、無難なピンク系の花束を指差す女の子です。
 自分でも、ちょっと大人っぽいかなって、思うのでしょうね…。でも、本当はそっちの方が気に入っているんです。そして、お母さんに言えば「ん〜、それがいいの?」って言われることを、多分予測しているのでしょう。
 しか〜し! 花屋さんは、常にお客様の味方です。本当のお気に入りを、ぜひとも持って帰っていただきたいと思います。
 なので、小さなお客様のご希望が、お母さんにとって「ん〜?」であろうとも、明らかに妙なセレクトでない限りは、私は小さなお客様の側に付きます。
 紫のトルコキキョウに、ブルーファンとヒペリカム、みたいな大人の花束だって、丈やリボンの調節をすることで、「ちょっと背伸びしたお子様用」にすることは十分可能です。
 子供さん本人が、本当に欲しい花束を持たせてあげてください!


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