◆折鶴・扇
上の折り紙は、真ん中が扇で、左右が鶴です。鶴の方は、一般的な折鶴とは少し違って、「祝い鶴」などと呼ばれるものです。
いずれも、扇のように広がる部分があり、装飾性の強いものです。(広げた画像は下の項をご覧ください)
このようなものを、「おめでたいワンポイント装飾」として、いけばなやフラワーアレンジに使うことがあります。一番多いのが、正月花の装飾で、そのほかにもひな祭りの花とか、敬老の日のギフトなどにも使われます。
折り紙が似合うものは、やはり「和モノ」ですね。和のお祝いの花に添えるのが、一番ふさわしいように思います。
◆祝い鶴二種類
この二種類の祝い鶴は、私が折ったものです。でも、今折ってみろと言われたらできません。
この鶴を折ったときは、Youtubeで作り方の解説動画を見て、そのとおりに折って作りました。
このようなものを、いけばなやフラワーアレンジにどうやって導入するのかと言いますと、「この部分に装飾・ポイントが欲しい」という場所につける、というシンプルな方法で行います。いけばなとフラワーアレンジのどっちに導入しやすいか、ということになると、私には「フラワーアレンジに入れるほうが容易だ」と思われます。
フラワーアレンジというのは、こういうはっきりと「何かを模ったもの」を受け入れる度量を持っています。一方、いけばなは、はっきりした「作り物」を持ち込むと、なんか白けることが多いのです。
フラワーアレンジって、リボンがついているものが多いですよね。また、クリスマスアレンジにサンタさんピックを挿したり、ハロウィンアレンジにはカボチャランタンのピックを挿したりします。祝い鶴も、あんな風に挿して装飾にできます。
挿して使うときには、鶴にワイヤーを貼って、そのワイヤーで挿しこんだり、場合によっては、割り箸にはさんで、箸を挿しこんだりします。
オアシスに挿してもいいし、このまま花瓶に挿し込むこともできます。
◆扇
↓割り箸の「足」を付けた状態です。
これもYoutubeを見ながら作りました。(動画でない解説サイトも多数あるのですが、私にはどれも分かりにくく、すべて「言葉足らずな解説だな」と思えたのですが……多分、私のほうに問題があるのでしょう)
使い方は、鶴と同じです。
◆どんな紙で作るか
この記事で紹介している折り紙は、いずれも「ホイル折り紙」で、金属的な表面になっています。
私が今まで試したところ、普通の折り紙(ホイルでない、色紙)で作ったものは、どうも、チープさが出たり、インパクトに欠けたり、何かが「足りない」と感じました。
いけばな・フラワーアレンジの中に持ち込んでも大丈夫と思えるものは、ホイル折り紙か、千代紙だな、と思っています。
単色の色紙だと……なんだか幼稚園の子供が作ったものみたいな気配が出てきます。「大人の作った飾り物」にするためには、一ひねりある紙の方が良いように思います。
◆折り紙の使い方に、作法は無い
いけばなにも、フラワーアレンジにも、「正式な折り紙の使い方」などありません。作り手が楽しんで、「きれい」「かわいい」「面白い」と思えるように使えば良いと思います。
たとえば、今、画像を撮りながら適当に考え付いたのですが、鶴と扇をドッキングさせたら、こんな風にも使えます。
なんかよく分からんけど、おめでたい風です。鶴が、日の出を背負っているような感じにも見えるし、鶴の首を無視すれば、お花を模っているようにも見えます。