◆かなり特殊な花留め……蟹・亀・花鋏


 これは、熟練したいけばな人が使うものであり、素人は手出し無用です。私は、いけばなを始めて30年以上になりますが、私も手出しできません。
 私の場合は、自分の流派が、このような花留めを使わないために、触ったこともないのですが、「使う流派」の人たちも、相当慣れないと使いこなせないのではないかと思います(やったこと無いので、推測ですけど)。「留め」に熟練した人が考案したものであり、それを受け継ぐのも、熟練した人たちなのだと思います。

◎蟹花留め・亀花留め・花鋏の花留めとは何か?

 そもそも、蟹とか亀とか、一体何の話し?という方が多いですよね。
 いけばなの、古典流派の中には、「演出用置物」を使うところがあるんです。「演出用置物」は、大抵、鉄か銅でできていて、蟹や、亀や、鳥(鶴とか、水鳥とか)を模っています。水盤の縁に、沢蟹や鷺の置物を置いて、「水辺」を演出したり、花器の前とか横に鶴亀を置いて、縁起ものを演出したりします。古典派の展覧会を見に行ったことがある人は、「そういえば、小さい亀が置いてあった!」などと思い当たるのではないでしょうか。

 そういう「置物」を、花留めにしちゃおうという使い方があるらしいんですよね。正直私は、そうやって生けた実物は見たことがありません(展覧会では見かけません。安定させるのが難しいんでしょう)。いけばな書の、絵や写真でなら見たことがあります。

 具体的に、どうやって花留めにするかというと、蟹の足の部分に植物をかませていくような方法になります。これは、それだけで植物を固定させるのも難しいですし、演出とマッチさせるのも難しいと思います。わざわざ剣山ではなく、蟹を使うのであれば、蟹の演出が効いていなければ、何の意味もありません。
 同様に、亀とか、その他の置物も花を留めることに使用するらしいのですが、私の目には「蟹が一番楽なんじゃないかなあ」と見えます。蟹なら、引っかかりがいっぱいありますからね。亀なんか、どうやって使うのかと思います。

 花鋏の花留めというのは、更に特殊になり、実際に花をカットするのに使う鋏を開いて、花留めにするというものです。私は、古いいけばな書に載っていた絵でしか見たことがなく、現在、実際にこの方法で花を生ける人がいるかどうか怪しいと思っています。
 鋏を、このくらいに開いて使ったりするようですが……

 器一つ、鋏一丁あれば何でも生けられる、という日本いけばなの心意気は感じますけど、私だったら、鋏で花を留めるよりは、いっそ留め無しで、花材を組み合わせて立てることを考えた方が早道のように感じますけど……どうなんでしょうか。

◎買える場所

 いけばな用置物を扱っているのは、いけばな用品専門店のみです。専門店でも、扱っていない店もありますので、入手は容易ではありません。しかし、置物を使う方は、多分入手できる場所をご存知でしょう。流派直営のお道具店のようなところでも買えるかもしれません。ネットで探すなら、こんなキーワードはググるのはどうでしょう→蟹花留め (骨董屋がヒットしてくるかもしれません)

 何でも売ってる楽天市場で探してみると、意外に探しにくく、「花資材」のカテゴリには見当たりません。
 ガーデニングのカテゴリで、鉄製か銅製の置物として売っているものがあり、単に「いけばな用演出置物」にするだけなら、これでもOKだと思います。
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置物 沢カニ 鉄
 この形と重量で、花留めにしやすいものなのかどうか、使ったことの無い私には分からないので、購入するなら店舗に問い合わせたほうが安全だと思います。

◎値段

 いけばな用置物は、銅製が多く、結構値段が高いです。置物の種類に関わらず、1万円くらいはすると考えた方が良いでしょう。

◎簡単に使えるのか?

 全然簡単ではありません。熟練の玄人にお任せしましょう。

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