◆試験管

 これは、花のうつわ館の方にアップしようかと、ちょっと迷ったんですけど、少なくとも最初に買ったときは「単独で器にしよう」という気持ちではなかったので、こちらの「花道具公開」にアップしようと思います。

 改めまして、試験管です。例の、実験に使うアレです。
試験管

 一般の方からすると、花道具として試験管が使われることは、想像できないかもしれません。しかし、試験管を持っている花関係者は多く、決して私だけのちょっと変わった装備ではありません。私のいけばな仲間で、花展に継続して参加している方は、試験管を持っている人の方が多いと思います。また、フラワーアレンジの世界でも、試験管使いは珍しくありません。嘘だと思ったら、本屋でフラワーアレンジの作例の多い本(素人向けの本で結構)をパラパラ開いてみてください。一作くらいは、試験管に生けた作品があったりします。

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 私は、画像の試験管を、東急ハンズで買いました。恐らく、実験道具専門店で買えば、もっと安く買えたと思いますが、実験道具屋さんがどこにあるか知らなかったので、通いなれたハンズで買ってしまいました。でも、試験管というものは、安いものなので、ハンズで買っても後悔はありません。画像の試験管は遠い昔に買ったものなので、値段はうろ覚えですが……1本50円とか、そんなものだったと思います。
 最初に試験管の値段を知ったときには、私は安さに感心しました。しかし、実験従事者の方から言わせると、試験管などというものは、消耗品なのだそうです(言われれば、なるほどと思います)。だから、そもそも高いお金出してそろえるというものでもないのだそうです。

 私が、最初に試験管を買ったのは、「落とし」目的でした。「落とし」というのは、水を入れられないところに花を生けるのために、密かに仕掛ける「水飲ませ道具」です。試験管は細いし、場合によっては見えても大丈夫なので、「落とし」としては優秀です。
 ただし、私は「完全に隠して使う落とし」のために買ったので、口元にメーカーのプリントが入っています。この部分は、見えちゃうとやはりかっこ悪いです。


↑こういうプリントが無い試験管もちゃんと売っています。私がそれを選ばなかった理由は、売り場に無かったか、あってもサイズが気に入らなかったか、どちらかでしょう。
 試験管は、意外にサイズがいろいろあるもので、買いに行くなら、あらかじめ長さと口径がどのくらいのものが良いのか大雑把に決めて行き、本物を見た印象で、どれを買うか決定するのが良いと思います。「落とし」を仕掛ける場所がすでにできている場合は、特にしっかりとサイズを測りましょう。
 また、家で使う分にはいいのですが、展覧会やお店に出張いけこみするときに使うなら、実際に試験管に水を入れて植物を生け、リハーサルした方が良いと思います。なぜなら、細い試験管内の水というのは、花瓶などに比べたらわずかなもので、水の吸い上げの良い植物なら、数時間で水を飲みつくすことがあり得るからです(植物の水飲み量を侮ってはいけません。私は、一晩でドラム缶いっぱいを空にされたことがあるのですから)。

 売り場に試験管を買いに行くと、仕様の異なる商品がいろいろあるのに驚かされます。コルク栓のあるやつ、メモリ付きのやつ、すりガラスのように不透明なもの、リップ有りとリップ無し、などです。リップというのは、口の部分で少し厚くなっているところを指し、私の持っているものは、見ての通り「リップ有り」です。口元を見せて使うなら、リップ無しの方がカッコイイ場合も有るのかもしれませんが、私はリップにテグスを引っ掛けて仕掛けするようなことがあるかも知れないので、「有り」を選びました。

 私は、総数7本の試験管を持っています。

 長いの2本・短いの5本で計7本です。安いので、必要に応じて今後も買い足すこともあるかもしれません。
 今思うと、余計なプリントの無いものを買っておけば、日常的な花活けに使えただろうな、と思うので、次に買うときには無地のものを買うような気がします。
 試験管は、花瓶のように自立してはくれませんが、実験者さんがそうしているように、試験管立てに入れれば、リビングや玄関で気楽な花活けにできます。
 「試験管立て」にもいろいろあるのですけど、たとえばこのようなものなら、クールな花活けになり得ると思います。
↓ ↓ ↓

 これ、かっこよくない? 私、そのうち買うかもしれません(以前から目をつけている)。

↓こういうのでも良いと思います。

 プラスチックのものもありますが、飾る目的には木製の方がかわいいですよね。
 と、いうようなことを考えるのは私だけではなく、インテリア雑貨のデザイナーさんもちゃんと分かっていることでして、実際に試験管モチーフのフラワーベースというものは、巷にいくらでもあります。
 恐らく、試験管のすらっとした形と、「1本だけ生ければ決まる」という、活け方で使用者を悩ませない点が良いのだと思います。
↓たとえば、こんなやつがそうです。


 試験管立てといえば、私は数百円の試験管立てで、ものすごく実験所チックなものを、異質素材にして展覧会につかってやろうかと思ったことがあります。
たとえば、こういうやつです。

 なんか、使えそうじゃない? 草月の方、どう思う? これ以外にも、試験管立てって、いろんなものがあって、全部引っかかりどころ満載な形をしているので、役に立つように思えてなりません。


 最後に、花の世界の人なら多くの人が知っている方法で、「試験管を立てる道具を使わずに、試験管自身に立ってもらう」という方法を紹介しましょう。
 結局、試験管というやつは、底面積が狭いから、一本では自立してくれないわけです。ならば、その面積を増やしちゃおう、という作戦で、最初に思いついた人はなかなかの知恵者だと思います。
 この方法に必要なものは、複数の試験管と、それを束ねるものです(勘の良い人は、もう分かったかな?)。
 うちの7本の試験管では、実はちょっと数が少ないかなと思うのですが、まあやってみましょう。
 ようするに、試験管を何本も束ね、太い器化させるんです。

 ね、ちゃんと立ったでしょ? でも、やはりこの本数では、水を入れて花を生けるのには不安を感じますので、少なくとも10本以上は使い、口径の太い試験管だともっと良い、ということになります。
 上の画像では、色気も何も無い輪ゴムで束ねてあるので、がっかりした方もおられるかもしれませんので、この上からリボンでおしゃれさせてみましょう。


 これなら、まあまあ見られますか?
 画像では、手近にあったリボンを巻きましたが、ラフィアでも良いし、麻紐・毛糸の類でも良いし、見た目がよければ何でも良いと思います。そして、ほかの方はどうか知りませんが、私がやるとしたら、輪ゴムをかけて、その上からデコレーションすると思います。輪ゴムは、1本ではなく、2本以上使うでしょう。なぜなら、輪ゴムが切れて、その上のリボンなどもゆるんだら、崩壊しないとも限らないからです。
 でもまあ……試験管をこんな風に束ねて使っている人は、本当は世の中に何人もいなくて、フラワーデザイン本の写真花としてだけポピュラーなのかもしれません。

試験管 R15−105
リップ付試験管 13mL



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