◆花袋

花袋(草月流) 草月の売店で売っている花袋です。
 「花袋」というのは、いけばなの花材を持ち運ぶための専用袋です。大抵、布製か、ビニール製で、縦に細長い袋で、袋の途中をひっくくるひも状のものが付いていることが多いです。
 いけばなを習い始めて間もない人の中には、「花袋に入れた花材を持ち歩いているときが、一番いけばなを習っていることを実感する」という声まで聞かれるいかにもいけばな教室っぽいアイテムです。

 左の画像の花袋は、草月公式花袋ですが、何も、草月門弟は、全員これをもっていないといけないというものでもありません。はさみや、剣山と同じように、デパートや、ハンドクラフト店(ハンズとか)や、町の花屋さんで買ったような、「特にどこのブランドでもない花袋」を使ってもOKですし、器用な方は、自分で手づくりしても良いと思います。

 花袋というのは、「要するに、枝など入れられる縦長の袋」ですが、商品によって、意外にも細かい仕様の違いがあります。一番小さくてシンプルなのは、70cm×20cmくらいの防水布の袋に、小さな持ち手が付いているようなもので、数百円から買えます。ごく一般的なお稽古花を生けているうちは、この手の花袋でまず問題はありません。
 しかし、私のように、巨大蔓を使ってみたり、変わった形のものを使ってみたり、ときには器まで一緒に入れて運んじゃおうとか考えるような人は、上記のような「シンプルタイプ」ではあまり役に立ちません。
 なので、画像のような、3000円以上もする、草月公式の大型花袋を使っています(こういう、変なものを運ぶ人のニーズに応えられるところは、さすがいけばな流派です)。
 3000円て、高すぎないか!とお思いかもしれませんが(私も最初はそう思った一人ですが)、非常に耐久性に優れていまして、かなり激しい使い方をする私が10年以上も使えていますから、必要があって買う人ならもとは取れます。金額が高い理由は、どうやら材質にあるようで、聞いた話によるとパラシュート生地なのだそうです。「強度」を重視して選ばれた生地なのでしょうか?
 上の画像の商品は、サイズ「大」で、83cm×35cmです。サイズ「小」もあるのですが、大は小を兼ねるの論理で、私は大しか持っていません。

 ただただ、花材を入れるだけの袋ですが、結構色んな工夫がされています。
↓このように、口のところがファスナーでガバッと開くようになっています。変な形の枝や蔓を入れたりするときや、パンパンに花材を詰め込むときに役立ちます。


 この花袋は、肩掛け式です。ここまで長いバッグになると、上の方に持ち手をつけてもどうしようもないので、こうなったのでしょうね。

 せっかくショルダー式になっているのに、私はこれを肩にかけないことが多いです。私のデフォルトは「腕で抱え持ち」です。花屋業務が長いので、そうなってしまったのだと思います。
 また、肩にかけるときも、「花材を背中側に背負う」のではなく、「花材を前にして抱える」ようにします。これは、普段は「背負い持ち」の人にも、電車の中などではおすすめしたい持ち方です。電車の中で、リュックを前に持つのと同じことです。

 幅の大きい花袋では、「ひっくくる紐」の存在が、なかなか大きいです。


 30cm以上も幅のある袋は、口が「べらーーん」としてしまうことがあるので、このように縛って花材と袋を固定します。

 小さな花袋だと、紐は上部にしか付いていないことも多いのですが、大型の花袋には、大抵上下に紐が付いています。
↓両方縛って、こんな感じに仕上げます。(ちなみに、花袋の中にはキウイ蔓が入っています)

 花袋の口から見えているのは新聞紙ですが……実は私は、「花合羽」を使いません。

==花合羽を知らない人のための解説==
 花合羽とは、花材を包むための専用シートです。
↓こういうものです。
花合羽 大判 (華道具・生け花用品)
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 以前は花合羽も持っていたのですが、結局いつも、花合羽だけでは大きさが足りずに、上を新聞紙で包みなおすハメになるので、ある日「……要らなくない?」ということになりました。なので、どんな稽古に行くときも、私は花袋しか持ちません。
 そして、いけばなの初心者さんは、上の画像に注目ください。
 花袋から見えているのは、新聞紙のみで、中身のキウイ蔓は見えていませんね? これが、正しい花材の持ち運び方です。花材は、上までしっかり包む! 植物の持ち運び方の基本です。よく、駅とか、街中で、花袋から花が顔を出し、何を生けてきたか一目で分かるような方がいますが……あれは失格です! 明らかにトーシローです。初心者のうちにこれを知っておかないと、「トーシロ風なベテラン」になってしまいますよ。舐められたくなかったら、上まできちんと包みましょう。

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