◆夏休みに、学校から子供が家に持ち帰ってくる鉢もので有り得るトラブル

 学校に通っている子供さんのいるご家庭では、「夏休みの間だけ、鉢ものが1個増える」ということがあります。
 それは、学校で育てていた植物の鉢を、休みの期間は家で世話をするようにと、一人ひとりの子供さんが持たされてくるからです。

 ガーデニング大好きお母さんなら、そんなものはちょちょいのちょいです。子供が学校で育てる植物というのは、基本的には育てやすく、枯死のリスクが少なく、ほうっておけば花が咲くものが選定されているからです。
 しかし、ガーデニングに縁が無かった親御さんは、扱いに困ってやたらに水をやったりして、本来「コドモでも育てられる」ものを枯らしてしまったりします。

 この記事では、子供さんが持ち帰ってきた鉢ものに、どんなことが起こりうるのか、困ったことが起こったらどうすればいいのかを、なるべく分かりやすく解説しようと思います。最終的に、最悪の結果=枯死をむかえてしまったときにはどうすればいいのかも解説します。

 困ってしまったお母さんたちに、少しでも力になれれば幸いです。

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◇夏休みに、子供さんが持ち帰る可能性のある植物

 子供さんが夏休みに家に持ち帰る可能性が高い植物を下に挙げ、それぞれの栽培方法が詳しく案内されているサイトにリンクしてみました。
※下のリンク先の「育て方」を見て、「完全にこのとおりにやらなければならないのか」と思う必要はありません。嫌なら見なくても、全然問題ありません。参考程度のものです。


 上記以外の植物を持ち帰った場合も、ちょちょっとネットで検索すれば育て方を探せるはずです。学校で育てる植物が、そんなにマニアックなもののはずがないです。

◇親が鉢を取りに行くなら、なるべく早く行こう!

 学校によっては、子供が鉢を持ち帰ってくるのではなく、「親が鉢を取りに来て」というところもあるようです。小さい子供さんだと、鉢を持って歩くのが負担だからということなのでしょう。
 そういうときに、仕事を持っているお母さんなどは、なかなかすぐには行けないかもしれません。しかし、可能な限り早く行ったほうが良いと思います。そうしないと、水やりが十分にされていない可能性があります。取りに行ったら枯れてた、ということも有り得ます。
 皆さん忙しいでしょうが、可能な範囲で早く行ったほうがよさそうですよ。

◇植物の栽培なんて、みんなこんな感じでイケるのだ!

 家に「学校で育ててた鉢」が来ても、恐れることはありません。小学生風情にも育てられるようなものなのです。
 それに、「生産者ですか?」みたいな立派な栽培を目指す必要もありません。「普通」に世話をして、「普通」に育ってもらいましょう。

 植物の世話は、大体、下記のようなことだけで済みます。学校で育てるような植物なら、種類を問わずに通じる方法だと思ってください。

  • 鉢の置き場所は、なるべく日当たりが良い場所に。でも、無理なら日陰でもかまわない(かまわないというか、環境的に無理ならしょうがない)
  • 土が乾いていたら水をやる(真夏の水やりは、ほとんど毎日必要になると思います)。水をやるのは、気温の低い朝がいい。あまりにも暑い日に、日中に水切れでぐったりしていたら、可能であれば夕方にもう1回やる
  • 土の表面が湿っていたら、水はやらなくていい
  • 水は、土にやること。葉っぱにバシャバシャかけない
  • 花に水をかけようとする子供さんがいるが(花も水を浴びたら気持ちいいだろうと思うようなやさしい子もいる)、良いことは一つもないのでやめましょう
  • 水をやるときは、たっぷりやろう(水のやり方は、本当はもうちょっと細かいのですが、夏休みの間=真夏の真っ最中で、子供さんのガーデニングであれば、「たっぷり」の一本やりでいいでしょう)
  • 鉢の扱いは、学校から持たされた栽培ガイドみたいなものに従う(一行か二行の指示の場合もある)
  • 葉っぱが枯れたら、取ってあげよう

 もしもできれば、水をやるときに毎回株を観察して、いつもと違うことが起こったら速やかに察知できるようになるといいんですが、これはガーデニングに何らかの興味を持っていないと難しいので、「絶対にやれ」とは言いません。(お母さんて、子供さんが何も訴えなくても、「あれ? 熱あるんじゃないの?」とか分かりますよね。その感じを、ガーデナーは植物でできるようになれます)

◇やることは二つだけだ!

 上の項に、8個の箇条書きで、基本的な植物の世話のことを書きましたが、よく見ると、やることは二つだけしかないのです。
「なるべく日当たりの良いところに置き、土が乾いたらたっぷり水をやれ!」
これだけです。

 管理人自身が家でやっているベランダガーデニングも、ほぼ「なるべく日当たりの良いところに置き、乾いたらたっぷり水をやる」ことだけを実践しています。これだけしかしなくても、そんなに困ったことは起こりません。
 ほかのことは、何か対策をしなければいけないような事態が起こったときに考えればよいと思います。

◇家族旅行に行くときはどうする?

 現在の我が家の場合、3泊くらいの不在は、出かける日にたっぷり水をやるだけです。帰ってきたら、いくつかの植物がグタグタになっていますが、帰宅してすぐに水をやると復活します。うちは、あまり繊細なタイプの植物が無いのと、「枯れてしまったら、あきらめよう」と思っているので、これで十分です。

 一般的には、自動給水グッズを使うのが一番簡単です。そういうものが、100均にも売っていますので、探してみてください。
↓こういうようなものです。
自動給水ノズル
上の画像のキャップを、水を入れたペットボトルの口に取り付け、さかさまにして鉢に刺します。すると、毎日少しずつ水が土中に給水されるというものです。ガーデンニング好きさん用には、もっと高度な時間設定とか、湿度感知してくれる給水機などあるのですが、子供さん用の鉢一つの対策なら、100均もので十分です。てゆーか、器用な人なら、ペットボトルに工夫して穴を開けるだけで、簡易給水機とか作れるかも。

 もしも、近所に家族、親戚が住んでいるなら、その人に水やりを頼むのもアリでしょう。ただ、仲の良いお友達に頼むのは、なかなか微妙です。「留守宅に出向いて何かすることを任される」というのは、人によっては大きな負担になります。頼むなら、こっちが何も言わないうちから、「水やりくらいしようか?」と言ってくれる人に限ったほうがよさそうです。

◇その水やり、「正解」ですか?

 植物がぐったりしていると、あわてて水をやる人がいます。
 水をやるのを忘れてたなら、上記の行為は正しいです。しかし、「今朝もたっぷり水をやったのに」という状況なら、水切れではないことが原因でぐったりしていると思うべきです。

 真夏の、30度も超える日の直射日光は、植物をぐったりさせるものですよ。暑さで葉っぱを下げているなら、水をやっても無駄です。そして、そんな暑いさなかに水をやっても、土中でお湯になって根を痛めます。
 こんなときは、土が乾いているかどうか見て、もしも乾いていたら、夕方涼しくなってから水をやってください。

 また、「やることは二つだけだ!」の項にも書いたように、水は、やるならたっぷりです。人間の場合、「真夏はこまめに水分補給」ですが、このイメージを、植物に適用するのはやめましょう。植物は、
「ちょこちょこ何回も飲まない。朝1回ぐいぐいいく」
というイメージを持ってください。

 子供さんが持ち帰ってくる可能性の高いミニトマトは、園芸書を見ると、「水は控えめがよい」という表現をされています。
 これを、誠実に実行しようとして、一口分くらいの水を朝晩やる人などが、本当にいます。トマトにしたら、「飲んだ気がしない」って感じです。それよりも、たとえ二日にいっぺんでもジョッキでいくほうがいいと思ってますよ。「飲むときは浴びるほど飲む」のが、植物の流儀です。

◇全然成長しなかったらどうする?

 成長しないなら、しないなりに観察するのも一つの道です。子供さん自身が気にしていないようなら、特に対策を講じなくても良いかもしれません。

 よく成長させるために対策するなら、以下のようなことを考えてみてください。

  • 病害が無いか観察する→病気であれば、薬で対策する
  • 虫害が無いか観察する→虫がいたら駆除する
  • 環境をチェックし、良くないことが判明したら(日当たりとか、エアコンの室外機の熱風を浴びてないかとか)より良い環境に移す
  • 肥料をやる→学校からもらってある肥料があれば、それを使う。無ければ、家にすでにある肥料で十分。それも無ければ、「植物全般」に効くと書いてあるやつで一番安いのを買ってくれば十分
 ※参考……植物全般に効く肥料

 対策する前に、「本当に成長していないのか」と、一度は考えてみてください。その程度の成長スピードの植物かもしれないのです。また、同級生の家で、「○○ちゃんの鉢は、もう三倍くらいの背丈になってる!」というのを見てしまっても、そっちの鉢が異常かもしれないのです。それに、2〜3倍くらいの差は普通にある植物かもしれないし。
 要するに、少しくらい成長不良でも、ガタガタ言わんでいいのです。

◇花が付かなかったらどうする?

 花が咲くはずの植物に、一つも花が咲かなかったような場合、基本的には上の項と同じ「対策」を試してみてください。

 上の項にも書きましたが、よその子の鉢より、少しくらい花の数が少なくても、「うちのはおかしい!」と思う必要はありません。生物には、個体差があって当然です。
 また、対策したのについに一つの花も咲かなかったという結果になっても、それを観察するのがクールな理科の学習だと思います。「咲かなかった=残念」ではありますが、「咲かなかった=無意味だった」ではありません。

◇「葉っぱに穴が……」は、虫がいると思うべし

 葉っぱに穴があいたり、葉の縁が欠け始めたりしたら、十中八九虫に食われています。葉っぱは、強風などで傷つくこともありますが、複数の葉でそれが起こり、しかも日を追うごとに増えていくようなら、完全に虫です。やわらかい新芽のあたりで特にそれが起こるなら、もお〜絶対に虫です。
 そんなときには、薬剤を使いましょう。勇気有るお母さんは、虫を見つけて「捕殺」という、環境にやさしい対応をとっても良いですが、そうでなければ素直に科学の力に頼りましょう。
 もともと家にあったものを使うか、新しく買うなら、虫にも病気にも、幅広く効くタイプの薬剤で、手に入りやすいものを買えば良いと思います。

 単一のお勧め薬剤はありませんが、こういうのが便利かなと思うのは、「うどんこ病」と「アブラムシ(アリマキ)」の対策ができると明記されているスプレー剤です。たとえば、こういうものです→楽天市場 うどんこ病・アブラムシに効くスプレー式
 アリマキとうどんこ病は、素人ガーデニングの最大の敵みたいなやつらですし、スプレー式は手も汚さずに、薄めたりする手間もいらないので、手軽です。
 安全性にこだわるなら、食品成分を使用した薬剤を探してみると良いです。たとえば、このような薬剤があります→楽天市場 食品成分のスプレー式薬剤

◇葉っぱに白い粉がふくのは、「うどんこ病」

 上の項にも書いた「うどんこ病」というのは、葉の表面などが、白く粉を吹いたようになる病気でして、非常によくある植物の病気です。ガーデナーで、自分の家でうどんこ病が発生したことが無いという人はいないと思います。
 うどんこ病は、葉っぱ一枚から広がりますし、同じ植物の別の固体に伝染するので、かかってしまったらしっかり対策する方が良いです。上の項で紹介したようなスプレー剤で撃退しましょう。

 アサガオの葉などは、もともと斑入りのものだと、葉っぱに白い部分がありますが、うどんこ病の白は、もっとモワモワの白なので、ちゃんと見れば区別できます。「見ても分からん」という人は、
「白い部分のある葉っぱがいくつかでき、その葉っぱだけが枯れてきたら、うどんこ病と断定」
でいいと思います。

◇野菜類は、一個でも収穫できたら「大成功」でいい

 きゅうり、トマト、ナス、オクラなどの野菜類は、比較的実らせやすく、食べるのが間に合わないほど収穫できることもあります。
 しかし素人が、しかも子供が、がんばって野菜栽培をしたなら、一個でも実ったら「大成功! 拍手!」でいいと思います。

◇枯れてしまったらどうする?

 がんばってお世話しても枯れてしまったら、それは仕方ありません。観察日記には、「こんな感じになって、あんな対策と、こんな対策をしたけど枯れました」と書くしかありません。妙な枯れ方をした場合は、できれば原因究明して、「これこれのために枯れたようだ」というところま書けると、大変科学的なレポートになります。上の項の「花が咲かなかった場合」と同様に、枯れてもそれを無にしないことが重要です。

 また、枯れてしまっても、それが栽培の失敗で枯れたわけではないこともあります。アサガオなどは、8月も下旬になったら枯れ始めてもおかしくありません。枯れ始める時期は、個体差と環境でズレがあるので、「お隣のアサガオは、まだ枯れる気配もないのに」などと比較しても無意味なことが少なくありませんので、やめときましょう。
 なので、枯れたからと言って、必ずしもがっかりする必要は無いのです。花が咲き、実が付いたのなら、植物が終活しはじめるのは当然なのです。植物の側には、「夏休み明けまでがんばる義務」とか無いですからね。8月末に線を引いているのは、勝手な人間の都合です。

 明らかに時期が来て枯れたのではなく、何かがうまくいかなくて枯死したのだ、という場合、休み明けに鉢をどうしたらいいのかは、学校からの指示に従いましょう。(多分、枯れてもそのまま持ってこい、と言われてる気がする)

◇子供の申告する植物名は「絶対的真実」ではない!

 これは、私自身が経験したことなのですが、友人に、「子供が学校から持って来たオクラが元気ない」と言われ、写メを見せてもらったら、完全にオクラじゃなかったことがありました。確か、ミニトマトだったと思います。
 話を聞いてみたら、数種類の植物の中から、自分が育てたいものを申告し、その種を先生が配ってくれたということで、どうやら先生が配るときに間違えたようなのです。
 子供も親も、オクラらしからぬ育ち方(オクラと違って、ミニトマトは自立しません)だと気づいていながら、「変な育ち方になっちゃった」のだと思い込み、別の植物である可能性など思いもよらなかったようです。

 もしも、学校からもらったプリントの写真やイラスト、または、本に載っているその植物の写真、ネットで見つけた画像などと、かけ離れた姿をしていたら、「本当にその植物なのだろうか」と疑いましょう。その結果、「自立できないほど不健康なオクラ」ではなく、「ごく普通のミニトマト」であったことが分かることもあります。

◇ガーデナーに助言を求めるときは、なるべく詳しく状況を説明する

 ガーデニング素人の方から、植物の栽培がうまくいかないと相談を受けるときに、困るのが、何を聞いても、すべて漠然とした情報しかないことです。
 興味がないとそうなってしまうのでしょうが、あまりにも薄い情報だと何のアドバイスもできませんし、何がおかしいと思っているのかも漠然としていると、正直、「その状態のどこに問題があるんです?」というレベルのかみ合わない会話もあるのです。

 その割りに、素人さんは、「一言ですべてを解決する答えを教えてもらえる」くらいの気持ちでいる様子が見受けられます。期待にこたえたいと思えば思うほど、こっちは困ってしまいます。
 分かる範囲で、以下のことをご申告ください。
  1. 何が問題なのか
  2. その現象は、いつから起こったのか
  3. 何かきっかけがあった起こったのか
  4. すでに、何かの対策を講じたのか
  5. 対策の結果、どうなったのか
  6. 最終的に、どうしたいのか
 分からないことは、「不明」でいいです。あらかじめ、「あの人に聞いてみよう」と思っているなら、植物の写メを撮っておくと役に立つこともあります。

◇学校に鉢を再び持って行くなら

 休み明けに鉢を再び学校に持って行くなら、持っていきやすい体裁にしておきましょう。
 蔓になるものは、庭の柵とか、ほかの植物とかに、自由にからませてしまうとはずすのが大変なので、最初から絡まないようにさせておきます(からまないような場所に置くか、からんでいるのを見つけたらはずしておく)。
 また、学校に持っていく前日あたりに、枯れた葉や、花がらや、見た目に汚いようなものが付いていたら取っておきましょう。


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