◇鎌倉文学館 バラ園とは‥‥‥

 「鎌倉文学館バラ園」は、鎌倉文学館の、庭の一角にあるバラ園であり、全201品種、246株のバラが栽培されている(2017年現在)。
 当サイトですでに紹介しているバラ園の中では、旧古河庭園バラ園と同カテゴリと考えていただければ分かりやすいと思う。

 鎌倉文学館とは、鎌倉市芸術文化振興財団により運営されており、鎌倉に縁の深い文学者についての展示を行っている資料館である。
 鎌倉文学館の敷地・建物は、旧前田公爵家別邸であり、緑に囲まれた中に、広い庭と、昭和11年建築のレトロな洋館が建っている。
 入り口から庭・建物まで、そこそこの距離を歩き、「なるほど、公爵様の別荘だな」と感じる贅沢さがある

 バラが有名な場所ではあるが、文学館の展示を見て、古い洋館を味わい、閑静で眺めの良い庭でのんびりすごすだけでも十分楽しめ、バラのオフシーズンにも観光地であることに変わりは無い。
 メインは文学資料館であるので、常時なにかしらの特集展示をしている。ちなみに、この記事を書いている時点(2017年10月)の特集展示は、「リスペクト」という特別展(リスペクトし合っていた文学者たちに関する展示)が行われている。

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◆鎌倉文学館の庭からは海が見える

 鎌倉文学館の庭からは、鎌倉の海が見える。さすが、貴族の別荘である。上の画像の、海の手前のこんもりした木々は、鎌倉文学館の敷地内の木立である。

 正確に言うと、バラ園からは、海は見えない。鎌倉文学館は、洋館の前に広い庭があるのだが、高い位置にある洋館から、斜面を降りていくように庭が広がっており、その斜面の一番下、つまり、洋館から見ると庭の最奥にバラ園がある。
 斜面のおかげで、バラ園と洋館には、高低差があるので、高いところにある洋館からは見える海が、低いところにあるバラ園からは見えないのだ。

 バラ園から見えるものは、洋館と、洋館に続く芝生斜面と、周囲の木立だけである。木立のおかげで外部のものは見えず、音も聞こえないため、やたらに浮世離れした場所に感じる。

◆バラの品種数、株数が完全に把握されている!

 鎌倉文学館は、バラのための施設ではないので、専門の「バラ園」に比べるとバラの株数は少ない。バラの株数246株というのは、京成バラ園だったら苗販売コーナーよりも少ないような数である。なので、多種多様なバラを数多く見たい人にはもの足りないかもしれない。しかし、鎌倉文学館バラ園には、小規模を逆手に取ったサービスがある。

 この記事の冒頭にも書いたが、2017年現在で、バラ園には全201品種、246株のバラが栽培されている。
 この数字は、バラ園の公式アナウンスとしては、異様に具体的な数字である。普通は、「約200品種、約250株」などと発表されるものなのである。
 なぜ、このような具体的な数字が出るのかというと、これは小規模バラ園でないと不可能なことなのだが、品種数も株数も、完全に正しくカウントされているからなのだ。

 数がカウントされているだけではなく、なんとバラ園内の「品種マップ」が完備されていて、バラの配置と色まで分かるようになっている。
 マップさえ見れば、たとえば「二番目の列の左端の品種名と色は何か」というこまかい情報も探せるのだ。このサービスは、バラ園界では滅多にないものであり(ないというか、できない)、もしも特定の品種の有無を調べたいなら、公式サイトで公開されているバラ園マップであらかじめ確認するのが良い。このバラ園マップは、文学館の入り口や、鎌倉駅、江ノ電の各駅などでも配布されている。
 ただし、目当ての品種を喜んで見に行ったら、まだつぼみでした(もしくは花が終わってました)……というようなことはありえるので、「バラ園マップに品種が載っている」=「必ず花が見られる」ではないことはあらかじめご了承を。

 私は、実際にバラ園マップを片手に園内を歩いたが、園の隅っこにある、「暫定的にここに鉢を置いてます」みたいに見える株もちゃんとマップに印刷されているのを見て感心してしまった。

◆鎌倉関連の品種が見られる

 鎌倉のバラ園ならではのラインナップと言えるものは、

  • かまくら小町
  • 由比小町
  • 鎌倉

など。かまくら小町、由比小町は、鎌倉文学館によって命名されたらしい。

◆「文学館」らしいイベントがある

 バラ園で、バラのシーズンに色々なイベントを開催するのはよくあることである。
 鎌倉文学館は、せっかく文学館なので文学的イベントをしよう、ということなのだと思うが、バラを見ながらの朗読会というものが毎シーズン催されている。

◆すごく貴重なプレゼントがある

 これは、毎年あるものなのかどうか知らないが、私が鎌倉文学館に行ったときには、バラまつりの企画の一つとしてバラ苗がもらえるクイズをやっていて、正解者の中から抽選で何名か(何名だったか忘れたが、一人や二人ではなかった)に「春の雪」という品種の苗があたるというものがあった。
 「春の雪」は、私は鎌倉文学館で初見の品種であり、後で園芸通販サイトなど確認したが、ほとんど流通していない苗であった。つまり、マニアックなバラ苗が、クイズに正解したらゲットできるかもしれないのだ。そのクイズというのは、よく見る「分からなかったらオカシイ」タイプの虫食い問題で、実質は「応募者の中から抽選を勝ち抜くだけ」である。

 このプレゼント、恐ろしく貴重である。だって、売ってない苗なんだもの。今後も、このような企画が行われる可能性大。マニアは要チェックである。


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