◆水揚げとは〈その1〉 家庭での水揚げは「最低限」でいい

水揚げ

 水揚げとは、水分不足になった状態の花に、水を効果的に吸わせ、元気を取り戻させる方法です。
 花屋さんでは、各種の水揚げ法を用いますし、花の飾り方の本などにも、複数の方法が紹介されています。「根元をちょびっと切れ」くらいなら素人さんにも問題なくできますが 、「アルコールに浸せ」とか「根元をガスで真っ黒に焼け」とか、「新聞紙に巻いて、深く水を張ったバケツにどっぷり漬けろ」とか、ちょっと特殊な方法になると、ぶっちゃけ家庭で そんなことまでやってられないという方がほとんどではないでしょうか。(手間のかかる水揚げ法を使い分ける意味はもちろんあるのです。プロの花屋さんは手を抜いちゃ駄目で す)
 そこで、当サイトでは、ちょっと暴論かもしれないけれど、より現実的な方法を提案しようと思います。
 その方法とは、

『家庭での切花の水揚げは、切り戻しと水切りだけで十分である!』
 ※切り戻し……切花の根元を、鋏などで切る。切り口を新しくして、水を吸い上げる能力を高める方法である
 ※水切り……↑の切り戻しを、水中で行う方法である。水の中で切ることによって、切り口に空気を触れさせず、吸い上げの邪魔になる空気の膜を作らせない

 とにかく、基本中の基本を、まずは習慣として行っていただき、その上で、余裕のある人だけが「もっと詳しい水揚げコース」の人生に突入していってくださるのがよいと思います。 基本的に、必ず切り戻しを行っていただき、別容器に水を汲む手間くらいは惜しまないわよ、という方は水切りをしてあげてください。

  こんなことを勧める理由は三つほどあります。
  一つは、例えば花雑誌を偶然見かけた人が、「バラを長持ちさせるウラワザ……キッチンのガス火で、根元を炭になるまで焼いてみましょう!」という記事を読んだとしますね。これ を見て、毎回100%ガス火焼きを行ってくだされば問題は無いのですが、「こんな面倒なことまでできないわ。それっ、そのまま花瓶にジャボン!」となってしまう可能性が非常に 高いからです。「ガス火までは面倒だわ。でも、水切りだけはしようかな」という人は、とっても少ないんです。
  残念ながら、花の飾り方の情報というものは、まだまだ認知度が浅いようで、「ガス火が効く」と紹介されている花にも「大抵水切りは効く」ということを、推測できる素人さんはほ とんどいません。(これがお料理なんかだと、「自分なりに手をかけたり抜いたりする方法」を割と誰でも実践しているんですけどね〜)

  そして、二つ目の理由は、花屋さんでプロの手による水揚げを施され、うまく水が上がった切花には、家庭で熱や薬品などによる本格的水揚げを再度行う必要性が特に無い からです。本来、水揚げは、水不足状態になった花に対して行うものでして、やたらに何度も行うのは意味がありません。(元気な人を無理やり寝かせて酸素吸入し、「しっか り!」とか言っているようなものです)
 あ、今、「じゃあ、切り戻しもいらないんじゃないの?」って思った人がますね! ところが、生け直しの際の切り戻しは、ぜひとも必須の作業にしていただきたいのです。 一度空気に触れた花の切り口は、常に新しくする方が、水の吸い上げ力の持続につながるので、たとえお花屋さんの隣に住んでいる方でも、家の花瓶に入れる前に切り戻し を行っていただきたいと思います。

  三つ目の理由は、切り戻し・水切りが害になる植物は無いからです。正直、ススキなど、一部の特殊な植物は、水切りだけではどうにもならなかったりするのですが、( ※ススキの効果的な水揚げは、切り口を酢に漬ける、です)切り戻し・水切りをしたために、元気な植物がぐったりしてしまう可能性というものはありません。最悪でも、 負荷は無いのです。そして、大抵の植物には効くのです。馬鹿の一つ覚え的に行う価値が確実にあります。

  まずは、花瓶に生ける前に必ず切り戻し、水切りのどちらかを必ずする習慣を付けてしまいましょう。始めてみれば、そんなに面倒な作業ではありません。花鋏を持っていない方 は、最近は100円ショップにもありますので、ぜひとも手に入れて、あまり仕舞いこまずに、すぐ出せる場所に置いていただけると良いかと思います。
  植物の茎を切る場合は、よく切れる刃物でスパッときれいに切ると、水を吸う管がつぶれず、水揚げ効果が高くなります。 【参考:花屋さんが選ぶ、最強の花鋏はコレ! フローリストナイフ


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