◆雑草を飾ろう!

雑草 生ける

 おうちの中に飾れる花は、花屋さんで買ってきたものばかりとは限りません。その辺で取ってきた雑草だって、可愛く、美しく飾ることができます。なんたって、取ってくれば無料ですし、採集の楽しみも得られますから、大いにオススメです。
 雑草を飾るなんて、貧乏くさいと思うのは大間違い! 高級料亭だって、そうしているところがあるのですよ。
 花屋の店頭では出会えない植物の表情を見つけられること請け合いです。

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(1)まずは、庭や、家の周りにある植物から飾ってみよう

 特に山林や空き地まで出向かなくても、身の回りに雑草は生えているものです。アスファルトの間にだって茂るのですから。
 お庭のあるうちなら庭に生えている雑草を、まずはゲットしてきましょう。マンションなどの集合住宅でも、建物の周りをぐるっと歩くだけで、なんらか手に入るんじゃないでしょうか。それでも駄目な場合でも、近所を2〜3分も歩けば、必ず何かあるはずです。
 ちなみに、我が家の近所で簡単に手に入る雑草を、例としてあげてみましょう。

ススキ、ぺんぺん草、シロツメクサ、タンポポ、ジシバリ、エノコロ草、ヒメジョオン etc

 ↑このくらいなら、どなたの家の周囲にもあると思います。
 あ、そこのあなた。ぺんぺん草なんて、どうにも飾れないだろうと今思いましたね! ところが、そんなことはありません。
 そうだな、私なら、丈が低くて、口も小さめの吹きガラスの小さな花瓶が一つありますから、短めに切ってそれに飾ります。花のフォルムからすると、ガーベラなんかより、ずっと飾りやすいように私には見えます。

 雑草を扱う場合、短めに飾るというのは、結構な有効技でして、ここ、ポイントです。自然の中の植物は、「ぼうぼう」と生えていますから、それを人工的な空間にあわせるには、ワイルドな「ぼうぼう加減」を抑え目にしてやると、収まりがいい場合が多いのです。
 「丈をつめる」「大きすぎる葉は取り除く」「張りすぎている横枝は落とす」などの作業で「ぼうぼう」を抑えてやると、、野生児があっと言う間にレディに生まれ変わります。

 もちろん、「野生児のままを楽しみたい」という場合には、思い切り「ぼうぼう」のまま使ってください。
 そうは言っても、どのくらい切ったり、取ったりすればいいのか分からない、という方は、とりあえず、ぶちぶち切っていったらいいのです。切りすぎちゃっても、最終的に「花首だけ飾る」という、誰一人失敗しない飾り方が、保険として控えています。一本500円もするバラをずんずん切るのは大分勇気がいるけど、雑草なら気兼ねなく鋏を入れることができます。

 私の経験によれば、雑草を飾る器は、小さめで、あまり装飾に走り過ぎないものが良いようです。しかし、花を飾る面白さには、組み合わせの面白さが大きく含まれているものですから、ラリックの花瓶にジシバリがばっちり合う可能性だって、十分あり得ます。楽しんで、色々試してみるのが一番。ビシッと決まった組み合わせを発見したときの喜びはひとしおです。

 ビシッと決まっているわけじゃありませんが、私がネジバナを戯れに生けたときは、こんなふうにしました。(ぐい飲みに生けた、手のひらサイズの花です)
↓ ↓ ↓

(2)空き地や山林を歩いて、植物採集しよう

 家の周囲2〜3分の地域には無くても、少し足を伸ばして、空き地・山林・河原などに行ってみると、都会でも、「うわあ、この花見たこと無い」というような植物に出会えることがあるものです。お散歩がてら、植物採集を楽しんではいかがでしょうか。
 東京23区内で、私が自分の目で確認した範囲だけでも、

ノバラ、ノブドウ、アザミ、ホタルブクロ、葛、カワラナデシコ、ミズヒキ、ヨウショヤマゴボウ、山吹、笹、羊歯

などが見られました。探せばもっとあると思います。

ホタルブクロ
ホタルブクロ

 野生のホタルブクロなんて、さりげなく飾ってあるおうちは本当に素敵ですよ。園芸種のように、茎がまっすぐなわけじゃないから、飾りにくい場合もあるかもしれませんが、「花はまっすぐ飾れ」なんて、定められているわけではありませんので、そんなときには、曲がったままを生かすのが楽な方法です。

カワラナデシコ
カワラナデシコ

 (1)でも解説しているように、このような野生植物は、姿がワイルドですから、ある程度、葉や枝を整理する必要がある場合があります。上には「どんどん切れ」と書きましたが、慣れてきたら、葉っぱの少し茶色いところなんかは、残して風情を出すくらいの演出もしてみてください。花屋さんで買ってきた出来合いの花束より、ずっとかっこよく生けられるかもしれません。

(3)花屋さんの商品並みに美しい雑草もある

 まるで花屋さんの花束に入っているような花が、採集で手に入るなら、こんなすばらしいことはありません。

 私は、多摩川の河原で、可憐に花をつけているノバラを見たことがあります。それは、花屋さんで売っているミニバラに、美しさで引けを取るものではありませんでした。
 また、私の育った千葉県某所には、その辺の山林に、ぽつぽつと山百合が咲いていたものです。
 山百合って、高級花の代名詞にもなる大型の白百合「カサブランカ」の親なのですよ。花の大きさも、店売りのカサブランカとほぼ同じか、うっかりするとそれより大きいものもあるくらいです。山の中で、この大きな花を見つけると本当にびっくりします。
 実物の山百合を見たことがある方はお分かりでしょうが、カサブランカとほぼ変わらぬ姿をしていて、(花弁に、茶色いぷつぷつが付いているだけ)私なんかは、野趣にあふれる山百合の方が、むしろ花としては味があるんじゃないかと思います。
 比較のために、下に画像を貼ってみました。真っ白な方がカサブランカ、茶色い斑点が入っているのが山百合です。

カサブランカ山百合 

 ね、山百合も美しいでしょ。雑草でも馬鹿にできないことがわかっていただけると思います。
 私の育った町には、空き地や、田んぼのあぜ道に、花をたくさんつけたアザミなんかも咲いていましたっけ。それより小さいアザミでも、今花屋さんで買えば、結構な値段がします。近所で採集できるものなら、アザミなんて、買うことありませんよ! 空き地からの直送品を飾りましょう。(ああ、また花屋さんに怒られる…)

(4)植物採取の注意点

 その辺から取ってきた植物でも、家庭で飾って楽しむのに十分美しいものです。
 しかし、それは花のプロが水揚げを行っていない切花ですから、植物によっては持ちが悪い場合が発生します。当サイトでは、切花を持たせる方法も紹介していますので、(参照:花を長持ちさせる法:これだけ押さえりゃ大丈夫!切花編)役立てていただくとよろしいかと思います。
 ただし、品種的にどうしても水揚げが悪い場合もあるもので、そのときには対処方法がほとんど役に立たないことが考えられます。何度も同じ花を飾っていると、経験で「あ、これは持たない」と分かってきますので、嫌だと思ったら避けるのも手です。しかし、反対に、無料で手に入れてきた雑草こそ、短い命を楽しもうと思うのも粋なものです。好きな方法で、花を楽しんでください!

※貴重植物の採集、保護地域での採集は絶対におやめください。貴重種かどうかわからない場合は、まさか違うだろうと思っても「念のため取らない」ことです。


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