◆ハナショウブを生けるための、たった一つの注意事項

※ハナショウブを、簡単に、ささっと格好がつくように生けたい方向けの記事です
※伝統的にして正式なハナショウブの生け方の情報ではありません

 どう生けたらいいのか分からないけど、とにかく端午の節句にハナショウブを生けたい方は、この記事と誰にでも生けられるハナショウブをどうぞご参考に。
 素人生けなら、ハナショウブを生けるときに、特別な知識などは要らないのですが(専門的に生ける人は、色々覚えることがあります)、この記事で紹介している「花の向き」のことを知っていると、よりきれいにハナショウブを飾ることができます。もちろん、難しい技は必要ありません!

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◇ハナショウブには、「花の向き」というものがある

 多くの花には、「花の向き」があります。タンポポでも、バラでも、芍薬でも、花の向きがあり、「ここが花の正面だ」というポイントがあります。この、「花の正面」というのは、花によって、分かり難い場合と分かりやすい場合があり、分かり難い場合だったら、そんなに気にしなくていいのです。
 で、ハナショウブはどうなのかというと、これが実に分かりやすく、「ばっちり正面と裏がある」花なのです。

 ばっちりと正面と裏が分かっちゃうとは、どういうことなのかと言いますと、「花が裏になってたら、人が見たときにアレ?」と感じる、ということなのです。

 ハナショウブよりも、皆さんにおなじみの花を例に出しましょう。
 花束・アレンジメントなどで人気のあるガーベラも、正面が分かりやすい花の一つです。下の画像を見て、「ああ、裏だな」って、誰でも分かるはずです。

 完全に、花があっちを向いています。たとえば、花瓶にガーベラが5本生けてあったとして、5本全部が上の画像のようにあっちを向いてたら、素人でも「真裏じゃん」って思います。
 ハナショウブも、正面がはっきりした花ですので、ガーベラのように「真裏じゃん」に陥る可能性があるということです。そこを、注意しよう!というのがこの記事のテーマです。

◇これが、「正面」と「裏」です

 では、実物を見ていただきましょう。二つの画像を見比べてください。

 まず、こっちは「正面」。


 これは、上と同じ花の「裏」。


 素人の方には、ガーベラほどの真裏感は感じないかもしれません。しかし、このような「ハナショウブの裏」も、数が多くなると、素人目にも「おや?」ということになっていきます。

 たとえば、下の画像では、咲いている三本のハナショウブのうち、二本がこっちを向き、一本が横を向いています(紫の花が横向き)。つまり、三人のうち、一人が余所見をしている、ということです

 三分の一がちょっと横を向いているくらいなら、そんなに違和感はありません。
 しかし、三人のうち、三人とも向こうを向いてしまうとこうなります。

 これは、「真裏」の状態です。
 裏だけど、花は咲いてるし、裏側だからと言って、別に汚いわけじゃありません。でも、ふと目をやったときに、「真裏じゃん」と気づいたら、それは素人にとっても、違和感アリアリな状態になります。

 じゃあ、花を裏向きに飾らないようにするにはどうすればいいのか。
 それは、知ってしまえば簡単なことです。ブログの、こちらの記事:ハナショウブ で詳しく解説しているのですが、つぼみの苞を見れば、「ここが花の正面」ということが分かるのです。
 詳しくはブログの記事を参照していただきたいのですが、ものすごくシンプルに文字で書くと、「ハナショウブは、二つの苞のうち、下の苞の側に向いて花が咲くようになっている」ので、要するに、下の画像が「咲くと正面になる側」です。

「分かんねえよ!」と言う方で、ちゃんと花の正面を知りたい方は、ブログの記事をご覧になってください。ブログの記事とか読むの面倒、と言う方は、特に覚えなくて結構です。ただ、「ハナショウブは、表裏がある」ということだけ覚えておいてもらって、家で生けたハナショウブが、思いっきり後ろ向きに咲いちゃったら、くるっとまわしてこっちを向かせればいいんだと思ってください。
 家で素人が生けるハナショウブなら、それで十分です。私たちのような、お金をもらってよそで生ける人は、たとえば料理屋に生けて、その花が真後ろを向いて咲いちゃったらアウトですが、我が家で、楽しみのために生けるなら、気がついたときに向きを直せば事足ります。
 それに、違和感を感じるほどの真裏でなければ、なおさなくていいですからね! 上に、「三本のうちの、一本が横を向いてる」画像を出しましたが、その程度だと「変!」というほどではありません。むしろ、少しバラけている方が、自然に見えるくらいです。

 なおすのは、見たときに「……ん?」と思うくらいの違和感を感じたときだけで大丈夫です。

◇つまり、「あれ? なんか変かも」と思ったら、その場でなおせばいい

 ……というわけで、上の項までの解説を簡単にまとめますと、
「ハナショウブを家で生けて、咲いてきたときに向こうを向いちゃって、ん?と思うことが起きる可能性があるけど、そのときは、ちょちょっと花をこっち向きになおせばOK」
ということです。
 そういうことが起こりうるんだな、ということだけ、頭の隅で覚えていてください。


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