◆簡単なひな祭りの花……ものすごく成り行きでやっつけてみよう

 前の記事まで、ひな祭りの花を簡単に生ける例をいくつか挙げてきましたが、この記事ではちょっと趣向を変え、「なるべく簡単に行ける方法を紹介する」のではなく、「管理人がなんとな〜く適当に生けた実例」を紹介してみることにしました。

 もちろん、難しい技術は使いません。その場、その場で、きわめて安易な気持ちで生けた実例です。こんな感じに生けたら多分簡単であろう、という例になればいいと思います。

※生け花としてのグレードはさておき、簡単に生けられることをメインにした生け方です

※とりあえずの体裁を整えられたらそれでよい、という方向けの情報です。玄人さんお断りですよ

※ひなまつり用ではありませんが、「成り行きで簡単に水盤に生ける例」の記事はこちらにもあります→素人生けから脱却せよ!……素人だけど、なるべく素人っぽくない花を生けたいあなたへ

◇使用花器と花材

 この記事で使用した花器は、300円ショップで買ったクッキージャーです。


 あらかじめ、水をたっぷり目に入れておきました。
 この器は、安い花瓶で、ある程度の量の枝と花が入るもの、という理由で選びました。実は、たまたま近くにあったからというのも、理由の一つだったりします。花器選びから、安易に安易にやっていきました。

 花材は、3パターンありまして、
  • モモ3本・すかしユリ2本
  • モモ3本・すかしユリ2本・スターチス1本
  • モモ3本・すかしユリ2本・レースフラワー3本
以上の組み合わせで、やってみました。

◇モモの枝を切って挿す

 では、生ける手順に入って行きます。
 まず、モモの枝から入れて行きたいので、モモをカットするところから始めます。

 モモは3本ありまして、まずはその中の1本を切ります。私は、何も考えずに感覚で切ってしまいます。今回は、素人の方に目安にしていただこうと思い、花瓶の大きさに対して枝の長さがどれくらいだったのかが分かる画像を撮っておきました。

↑大体、花瓶の高さの3倍くらいの長さになりました。まあ、スタートはこんなもんでいいでしょう。
 で、その枝を、何も考えずに花瓶に放り込みます。


 枝は、まだ二本残っていますので、もう1本切って入れます。これもテキトーに切り、テキトーに放り込みました。
 私は二本目も何も考えずに切ってしまいましたが、素人の方向けアドバイスとしては、枝が複数あるときは、すべての長さを一緒にしないほうが、メリハリができていい場合が多いです。

 ……こんな感じで、すごく適当な形で、ぜんぜん美しくもないですが、後々直すこともできるので、まあ細かいことを言わずに先に進みます。

 この段階では、まだ枝が1本温存されています。なぜかと言うと、花を入れて、バランスを見てから入れたいので、切らずに取ってあるのです。

◇ユリを挿す

 ユリは二本あります。そのうちの一本を、ちょうど花瓶の口元に花が来る長さに切り、もう1本を、最初に挿したユリよりも、ちょっと長めに切って挿します。長いほうのユリが、短いほうのユリの後ろに顔を出すくらいの長さにするとやりやすいです。

 もう、何の芸も無く、真ん中にどーんと入れればいいです。

 このユリの長さ、一番無難な長さです。無難すぎて、玄人には「面白みに欠ける」とか言われますが、素人が家庭に生けるには「無難さ」を最大限に活用すればいいと思います。

◇残っている桃を足す

 上の項の画像を見ると、真ん中にユリを入れたために、モモの枝が、左右にパッカリ分かれてしまった感があります。
 なので、残っている桃を、真ん中辺に入れて、なんとなく丸くおさめる感じでフィニッシュとしたいと思います。

 残っていた桃の枝は1本でしたが、枝分かれを切り分けて二本にしまして、そのうちの一本を花瓶に足しました。
 ユリのおかげで下にボリュームが出たので、長くてもいいかなあと思い、今まで入れていた枝よりも長めに切って入れてみました。

 枝はもう1本残っています。残っていた枝は、かなり長い枝だったので、このさい思いっきり長く入れてしまえと思いまして……

だいぶ背の高い花になってしまいました。ちと長すぎるかなと思いますが、私の場合は、後で切りたくなったらいつでも切るつもりなので、まずはこのくらいで置いといてもいいのです。
 花鋏を持ち慣れない方は、一度生けたものを、そんなに入れなおしたりしないのだと思います。家庭で飾るのは、それで全然かまわないと思います。

◇さらに、別の色の花を足したっていい

 一番よくあるひな祭り花の色は、「ピンク+黄色」です。つまり、このページで生けている「桃+黄すかしユリ」は、一番オーソドックスな色使いなのです。
 オーソドックスな「ピンク+黄」に、ほかの色を加えてるのも、もちろんアリです。

 たとえば、薄紫のスターチスがたまたまあったら、こんな風に入れられます。


 たまたまレースフラワーがあったら……。

 こんな感じで、なんでも足しちゃえばいいと思います。
 ちなみに、上の二枚の画像は、モモの枝の位置がそれぞれ違いますが、これは、花を挿したり取ったりしているときにずれたままにしているからです。花瓶に生けるときには、枝はどうやったって「上」を向いているので、多少横に流れたとしても、そんなに神経質に挿しなおしたりしなくて大丈夫です。


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