ひな祭りの花の飾り方にも、置き方にも、特に難しい決まりはありません。
なので、「どんな場所に飾る?」というこの記事も、本当は必要ないのかもしれませんが、大体こういうところに飾ることが多い、という一般的な例を挙げさせていただきます。
※そんなにこの記事にとらわれず、好きなところに置いてOKですよ
ひな祭りの花を、お雛様を盛り上げる飾りとして置くなら、ひな壇の中に置いてしまえば良いです。
ひな壇の中に花を置くことに、特に決まりごとはないので、置きやすい場所、なんとなく収まりが良いと感じる場所に置きましょう。
たとえば、ひな壇の一番下の段。お道具などが置いてあるあたりに、いけた花を一緒に置いてしまうとか、またはひな壇の一番上、お内裏様の脇あたりに置くこともできます。
いけばなでも、小さな一輪挿しでも、フラワーアレンジメントでも、置けるスペースのある段に置いてみて、全体的におかしくないと思ったら、どの段であろうがOKです。
現実的には、ひな壇には置き場所が無いということも多いと思います。それでも、お雛様のにぎやかしとして花を置きたいと思えば、
お雛様の真横か、すぐ近くに置く
または、
お雛様の飾ってある部屋に置く
ということになるでしょう。
お雛様の飾ってある部屋の床の間はもちろん、別部屋の床の間であっても、お雛様と同時に桃の花を飾るというのは、いかにも正式な花飾りのようでステキです。掛け軸もひな祭り仕様だと、なおさらそれらしくなります。
別部屋の床の間に飾る場合、「お雛様のある部屋に、お花がないのはさびしい」と思うなら、床の間に生ける時に、ほんの一枝の桃などを取っておいて、それをお雛様の部屋に生けたらどうでしょう。
いまや、ここに飾るのが一番一般的かもしれません。ほかの部屋には、花を置くスペースが無いというお宅も多いです。
玄関に桃の花を置くと、家の入り口からひな祭り仕様になりますので、非常に良いです。
「床の間」の項にも書いたように、お雛様のそばにどうしても花がほしければ、玄関に生ける時に、ほんの一部をとっておいて、小さな花瓶にでも入れて、お雛様の部屋におすそ分けしてみてはどうでしょう。
一番人目に触れる場所に置くなら、ここが良いでしょう。きれいなお花も、見てもらえなければ勿体ないです。人の視線があるところに飾ると、少し傷んできたときにもすぐ気がつき、まめにケアすることもできます。
注意することがあるとすれば、暖房の温風でしょうか。
ひな祭りの頃は、まだ暖房を入れている季節です。リビングは、家の中で一番暖房が効いている部屋であることも多いので、温風が直に吹き付けない場所に花を置くようにしてください。
花のある食卓はステキです。特に、ひな祭り当日に、散らし寿司やハマグリのお吸い物の並んだ食卓に、桃をいけてあったら最高です。
花瓶に生けても良いですし、フラワーアレンジメントでも良いです。
食卓に、そんなスペース無いと言われるかもしれませんが、手のひらサイズの花器に、桃と菜の花一本ずつくらいの花なら、小さいテーブルでも置けるものです。
ひな祭りの花は、どこか一箇所に飾るという決まりなどありません。家中のあちこちに、何箇所でも好きなところに飾ってください。
いろんなことを書いてきましたが、記事の一番上にも書いたように、ひな祭りの花は、本当はどこにどのように置こうが、全然かまわないのです。普通の感覚で置いて、
「そんなところに置くの? オカシくない?」
と言われるようなことはまずありません。自分の普通の感覚を信じて大丈夫です。
よく、お花を飾るときに、
「おかしいかしら」
と何度も言う人がいますが(管理人は、花飾りのプロなので、よくこんなことを聞かれるのです)、他人が見て本当におかしいということは、実際にはほとんどありません。飾った本人だけが、気にしなくてもよいことを気にしているのです。
置き場所だけでなく、
「この器おかしい?」
「この生け方、変じゃない?」
と言っているときも、ほとんどがおかしくないし、変でもないです。
たまに、すごく具体的に、
「お花3本だと、おかしくない?」
などと言われることもありますが、何を根拠に「3本だとおかしい」と思っているのか、逆に教えてもらいたいくらいです。
何を、どんな風に生けても、たいていおかしくないのでご安心ください! 桃も、菜の花も、元々きれいなのですから、何にも心配要りません。