◆正月花は、いつまで飾る?

 季節のイベントの飾りには、「この日あたりには、撤去しないとおかしい」というものがあります。
 たとえば、大晦日にクリスマスツリーと鏡餅が並んだりしていると、人に奇異の念を与えます。また、四月近くになってもお雛様が飾ってある状態なども、同様です。「出しっ放し感」も発生しますので、ものによってはだらしなく見えることもあります。
 このように、季節飾りには「下げ時」があるわけですが、お正月花の下げ時は一体いつなのか?

 実を言えば、お正月花を片付けるタイミングは、世にいくつか言われているものがあり、「絶対にこの日」というような定点はありません。
 この記事では、いくつかの「片付けタイミング」を紹介しますので、ご自分にはどのタイミングがふさわしいのかを選んでいただければ良いと思います。
 また、「片付け」についての考え方や、実際の片付け方法についても、紹介してみます。

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◇キッチリ派その1……誰にも文句を言わせたくないなら、一番キビシめの1月7日(もしくは前日6日の晩)撤去

 正月花も、正月飾りの一つと考えれば、「松の内がすんだら撤去」という考え方が、一番厳格な解釈です。松の内とは、管理人の感覚としては(千葉生まれ、千葉育ち、現在東京都民です)1月15日までを指すのですが、「松の内=1月7日まで」とする習慣もあるらしいので、短いほうにあわせて「1月7日(もしくは前日6日の晩)撤去」にしておけば、誰からも後ろ指さされる筋合いはありません。

 1月7日に撤去ですと、松を生けた場合、緑のままでピンピンしていることと思います。ピンピンしているものを捨てるのは忍びないです。
 私ならば、「いかにもお正月花」な花とは別な路線の花に生け変えて、松を最後まで有効利用するでしょう。かなり適当に管理しても、松は1ヶ月くらいは持つのですから。

 ただし、正月飾りを使いまわすことが嫌な人や、嫌がりそうな人が家族にいる場合は、潔く捨てたほうがいいかもしれません(私は全然イヤではないので、最後まで松に付き合います)。

◇キッチリ派その2……一般的な「松の内」まで=1月15日(もしくは前日14日の晩)撤去

 1月7日よりも一般的な「松の内」である、1月15日までを正月花の期間と捉え、1月15日(もしくは前日14日の晩)に撤去する……多分、7日撤去派よりも、15日撤去派の方が多いでしょう。
 日本で一番大きいいけばな流派である池坊では、15日撤去を指導しているらしいです。私は草月流の門弟なので、伝聞情報なのですが、聞いたときのニュアンスからすると、「16日に正月花が飾ってあったらおかしい、恥ずかしい」というレベルのきっちりした指導のようです。(草月は、あんまりそういうの無いので……)

◇アバウト派その1……飽きるまで飾ればいいじゃない!

 管理人自身は、この考えに近いです。私、華道師範の身ですが、このくらいの緩さで十分じゃないかと思います。池坊さんには笑われるのでしょうか……。

 じゃあ、あなたは飽きなければ、二月になっても正月花を飾っているのか?と言われるなら、私の場合それは「NO」です。人は、いつまでも正月テイスト満開の花を見ていたら、そんなに長く飽きずにいられるものではありません。飽きるっていうか、シラけてくるんです。
 なので、自然と「もうお正月花でもないだろう」というタイミングが来たら、そこが撤去のタイミングだ、という程度でもそんなに問題ないと思います。格のある料亭などでこんなことをやっていてはいけませんが、一般家庭ならば、これもいいんじゃないでしょうか。

※私の場合、逆に7日を待たずに、変えたくなったらさっさと生け変えちゃうこともあります

◇アバウト派その2……枯れるまで飾ればいいじゃない!

 せっかくいつもの花飾りよりもお金をかけた正月花なのだから、枯れるまで堪能して何が悪い!というやつですね。管理人は、これも容認派です。
 ただし、松は相当長いこと枯れませんから、本当に最後の松が枯れるまで待っていると、春になってしまいます(マジで、一ヶ月や二ヶ月持つので)。なので、上の項と同様に、結局は全部枯れる前に、どこかのタイミングで撤去したくなるはずです。
 「枯れるまで」と思って毎日眺め、「やっぱ、撤去しよう」と思ったらそのときに片付ける。片付ける日が15日より前だろうが後だろうがこれはこれで、愛情ある楽しみ方ではないでしょうか。

◇アバウト派その3……7日撤去、15日撤去が、一日や二日ズレたっていいじゃない!

 本当は7日や15日に片付けたい思いはあっても、色々と忙しくて手が回らないこと、ありますよね。そんなときは、「きっちり7日」「きっちり15日」と決め付けずに、多少前後したって今日び恥ずかしくはないと思います。上の項なんて、「枯れるまで飾ってOK」と言ってるんですからね。

 また、確信犯で数日ズラすことも、あっていいと思います。たとえば、1月16日に、家で新年会をすることになっているような場合、盛大に飾った正月花があるなら、前日に撤去するのは勿体無いと、私などは思います。新年会のメンバーの中に、「非常識なお宅だわ」と言いそうな人がいるなら、やめた方がいいと思いますが、最近そんなことを言う人は稀だと思います。
 気になるなら、「松の内はすぎたけど、せっかくだからと思って」と一言いう手もあります。

◇正月花の処分方法

 正月花を、「正月飾りの一つ」と考えると、本当に正しい方法としては、お飾りなどと同じように処分して、生活ゴミとは一緒にせず、何らかの方法で清めて手放すのが良いのかもしれません。(参考:お正月飾りの処分方法)キッチリしたい方、気にするタイプの方は、そのような方法をおすすめします。

 しかし、私は、いつも家で生ける花と同じ方法で、正月花も捨ててしまっています。
 私の場合、花だけつまんで取り替えることなどもマメにしますし、大抵途中から正月花を改造してしまいますし、松は枯れものにしたりしますので、「生けた正月花を、一度に全部抜いて捨てる」ということが無く、「普通に捨てる」ことしかできないという状況があるのですが……でも、正月花だけ捨てるとしても、普通に「生花ゴミ」として処分するように思います。

◇正月花を撤去するときには、必ずしも捨てなくていい

 正月花を撤去するときに、まだまだキレイだと言える花が残っていたなら、できればその花だけ残して生け換えてあげてください。必ずしも、「お正月飾りとして、根こそぎ処分」にしなくても良いと思います。(行事のものは、潔く処分するのが清々しい、という考えの方は別ですが)
 お正月花の取り合わせは、それ自体に「お正月テイスト」が感じられるものが多いので、生け換えるときに、なるべく「お正月テイスト」を抑えめにした方が、気分が変わっていいものです。

 そうは言っても、正月花の中で、最後まで生き残るのは、一番お正月テイストの濃い「松」なのです。なので、松の丈を低くしてみるとか、いっそ松だけはお引取りいただくなどして、テイストを調整してみてください。

◇正月じゃない時期に松を生けるのは、全然おかしいことじゃない

 上の項には、「松を外して正月風味を消せ」などと書きましたが、別に、正月以外のタイミングで松を生けたらいかんということも、本当は無いのです。上の項では、「居残り正月花」に見られたくなければ、そうした方がいいこともある、という程度の意味で書いているのです。

 一般の方は、正月花以外で松を生けることはほとんど無いと思いますが、いけばななどの花飾りの世界では、松は通年使用されます。つまり、「松を生けたらおかしい季節」というものは無いのです(常緑樹ですからね)。
 そうと知ったらどんどん生けよう、と思われた方は、どうぞ生けちゃってください。「おかしい」と指摘されたら、「松は通年生けてもいいのよ」と言い返しましょう!

 管理人は(花職人なので、一般の方とはちょっと事情が違いますが)、正月花に使った松は、緑が残っているかぎり使い続けます。また、格好のいい松を運よくゲットしたときには、大事に大事に取っておいて、「ここぞ」という展示の機会のために温存したりもします。最終的に傷んできたら、松葉だけ集めてドライ松葉にしたり、を残して枯れモノにしたりと、一っかけらも余さずに使い切ります。
 なぜならば、松には生け手にそうさせるだけの魅力があるからです。素敵な花材だと思います!


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