◆お正月のお花は、いつ買うものなのか、そしていつ飾るものなのか

お正月のお花 いつ飾る

 お正月のお花を自宅用に飾りたいけど、いつ買っていつ飾るのが最適なのかさっぱり分からん、という方のための基本情報を紹介します。(買い慣れている方は飛ばしてください)

【目次】

お正月のお花を買うタイミング、飾るタイミング

 正月花は、元日の朝にはビシッと決まった姿で生けられていなければなりません。だったら、大晦日の晩にセットしたらいいんじゃないかと思いますが、31日に飾ることを「一夜飾り」になるとして忌む風習があるため、一般的には28日か、30日に飾ることが多いようです。
 29日が抜けている理由は、「9」のつく日を避ける方もいるからです。多分、「9」=「苦」に通じる、という考え方なのだろうと思います。(習慣としては、31日を避ける方がメジャーです)

 ということは、28日か、30日に飾れるタイミングで買えばいいわけですよね。特に、「何日に買うべし」というキマリは無いので、ご自分の都合で、「28日か、30日に間に合う」ように買えばいいと思います。

28日よりも早く買う場合

 私は、いけばなの稽古場で正月花の稽古を受け、その花材を、そのまま正月花にすることがあるんですけど、稽古場の都合で、26日とか、妙に早いタイミングで正月花をゲットしてしまうと、家で生けても、早すぎて正直シラけることがあります。
 26日くらいだと、元旦まで6日もあるし(一週間近くもあるわけです)、花ものが一部交換する必要が生じることもありますし、なにより、花を見飽きてしまいます。見飽きると、元日に「新たな気持ち」でもなんでもなくなるかもしれません。

 場合によっては、早くゲットするのも仕方ないことがあるかもしれませんが、なるべくなら、28日以降くらいに買うほうが、新鮮な気持ちで元日の花を見られます。
 そして、早く買うなら、花ものは持ちのよいものを選んで買うのが良いです。もしくは、開き直って、30日頃に、花ものだけを挿し直すという方法もアリです。

 もしも、なにか事情があって、早めに正月花をゲットしたい場合、花屋の店頭に「お正月セット」みたいなものが出ておらず、松の影も形も見えなくても、
「お正月花を買いたいのですが」
と申告してみると、大抵の花屋なら、ちゃんと奥から松が出てきます。松市というのは、毎年12月初旬頃に行われるもので、花屋はその時点で松を買ってきているのです。
 どの店も、松は売り切りたいと思っていますから(年が明けると、絶望的に売れないので)松が欲しいお客さんを、冷たく追い返すことはありません。一言、聞いてくれれば買えると思います。(稀に、店舗とは別の場所にストック花材を置いている店があり、そういうところだと、「今、ここには無いです」と言われるかもしれません)

 お正月花は、28日くらいから買う人が圧倒的に多いので、ここでは「28日より前は、タイミング的には早い」みたいに書いていますが、実際の花屋さんの店頭には、26日くらいから「お正月セット」が徐々に顔を出しています。なので、28日前に買うのは、特におかしいとか、早すぎるということでもありません。ご自身の都合が良いときに買うのが、ふさわしいタイミングだと思います。

※早めに買うより、遅めに買うほうが、松が新しくていいと考えている人がいますが、上に書いたように、松市は12月上旬にあり、その一週間後が千両市です。入荷した日が変わらなければ、28日の松・千両と、30日の松・千両の新鮮さは変わりがありません。

28日〜30日に買って飾るのが、最も一般的

 12月28日になると、花屋やスーパーの生花コーナーに、セットになって組まれた正月花のバケツがダーっと並ぶので、それを見てから「そうだ、正月花買おう」と思うくらいで、何も問題ないと思います。
 よくあるのが、買おう買おうと思っているうちに、31日になるというパターンですが、下の項にも書いているように、実際には31日に買って生ける人というのは結構いますので、「31日になったら、絶対に生けてはダメ」ということではありません。

 もしも、正月花材にこだわりがあり、「どうしてもこれとこれを生ける」とか、「どうしてもこの色を買ってこよう」とか、ピンポイントで花材を指定したいなら、見つけたときに購入するほうが安全です。一日、二日後に同じものを探しても、二度と会えないことがあるからです。
 また、「ほどよい値段」のものを見つけたときも、早めに手を打つのが安全です。正月花は、どんどん売り切れていきますので(花屋としては、売り切りたい商品です)、後で買おうとしても、思っている値段より高いものか、変に安いものしか残っていないことがあります。

大晦日=12月31日に、正月花を生ける人もいる

 私は、花屋の大晦日を、何度も経験しています。その経験からすると、大晦日でも、結構な勢いで正月花は売れます。正直、28日や29日と、あまり変わり無い数が売れています。ということは、世の中の人は、「31日は、一夜飾りだから避けよう」とは、ほとんど思っていないのかもしれません。

 よって、「うちは、そんなにうるさいこと言わずに正月花を飾りたい」と思ったら、大晦日に生けたってよいのかもしれません。
 実を言えば、私も風習関係は、まったくこだわらない人間なので、今までに何度も大晦日に正月花を生けています。そういうものを、気にしない人にとっては、「大晦日しか時間が無いなら、大晦日に生けてもいいじゃん」と思います。

正月花材は、ギリギリになっても値下げしない店がほとんど

 クリスマスケーキなどは、24日も遅い時間になってくると、安売りをし始める店もあるものです。
 しかし、正月花を、大晦日の夜だからといって、値段を下げる店は少ないと思います。本当に、「これ一束でオール完売」みたいなときなら分かりませんが、基本的には「待っていれば、安く買えるかも」とは考えないほうがいいです。

「一夜飾り」は、なぜ良くないのか?

 前述したように、私は風習関係は詳しくないので、一般的に言われていることしか知りませんが、「一夜飾り」が良くないとされる理由は、
  • 年神様をお迎えするのに、前日からしか準備しないのは失礼
  • 年神様は、大晦日の朝に各家を訪れるので、そのときに正月飾りが無いのは失礼
という、二つが言われています。宗派によっても、違う考え方があるのかもしれませんし、地域によっても、違うことが言われているかもしれません。

お正月花を買うのを忘れていて、31日になってしまった……さあどうする?!

 「一夜飾り」のタブーを気にするタイプの人、もしくは、本人は気にならないんだけど、気にする人が家にいる場合、絶対に30日までに正月花を生けないといけなかったのに、今年に限って忘れてしまい、今日はもう大晦日……こんなときには、どうしたらいいのでしょうか。
 仕方なく31日に正月花を飾るのか、あるいは、飾ることをあきらめてしまうのか。

 上の項の考え方ですと、「一夜飾りのタブー」というものは、「30日までに飾っておくことを推奨する」のが主旨です。(推奨というか、それを当然とせよ、ということかもしれませんが)「31日に花を生ける行為を禁じる」のが主旨ではありません。つまり、「やってはならぬ」ではなくて、「もっと早くやっておけ」なんです。
 ということは、「遅刻するなよ」と言われているようなものなのです。それを、遅刻しちゃったのなら、「ごめんなさ〜い」と言って急いで行くのが誠意というものです。31日になってしまっても、そこから正月花を生けて、あくる日の元旦を迎えて良いのです。

 もしも、「一夜飾り」のタブーが、「大晦日に花を生けると悪いことが起こるぞ」という主旨なのであれば、「飾らない」という選択肢があり得ると思います。しかし、「遅刻しないでね」が主旨なのですから、「遅れちゃったから、やらないほうがいい」と思う必要はありません。

お正月の花飾りカレンダー

 以上のことを総合しまして、12月25日〜1月1日までの間の、お正月花を買うタイミング、飾るタイミングを、日にちを追って書いてみますと、以下のようになります。
  • 12月25日……正月花が、花屋店頭やスーパーの目立つところに出現する。早めだけど、飾りはじめる人もいる。この日に飾っていけない理由は無い
  • 12月26日……少しずつ、町中で正月花を目にしやすくなる。ちょっと早めだけど、飾り始める人もいる。この日に飾っていけない理由は無い
  • 12月27日……正月花を、みんなが買い始め、生け始める。この日に飾っていけない理由は無い
  • 12月28日……正月花の売れ行きが跳ね上がる。この日から、「さあ生けようか」と思いはじめる人が多いはず。いけばな教室のお正月稽古も、この日にあわせる先生が多い。12月30日と並んで、世間でもっともお正月花が生けられる日(もちろん、この日に生けていけない理由は無い)
  • 12月29日……花屋的には、28日と同じか、それ以上に正月花が売れる日。日付に「9」がつく日なので、「苦」に通じるとして、生けるのを避ける人もいるが、そんなに気にしないで生ける人も多く、「気にする派」と「気にしない派」の割合は、現在は半々くらいだと思う(ちなみに管理人は「気にしない派」)。9の日に生けたくない人でも、この日に花を買うことまで控えることはないので、決まりごとにうるさい家でも、買うだけならOK(つまり、この日は、「9」を気にする人にとっては生けてはいけないし、気にしない人にとっては生けていい日になる
  • 12月30日……花屋にとっては、とにかく正月花が売れていく日(28日、29日よりも多いかもしれない)。この日に正月花を生ける人が、一番多いのかもしれない。一夜飾り(大晦日に飾ること)を避けるのであれば、この日が正月花を飾れる最後のチャンスになる
  • 12月31日……意外にも、正月花の売り上げは落ちない。このことは、「一夜飾りはよろしくない=31日に飾るのはダメだよ」という習慣が一般的であるにも関わらず、31日に飾っている人は山ほどいる、ということを意味している。多分みんな、「ホントは今日じゃないほうがいいんだけどね」と思いながら、「まあしょうがないじゃない」ということで生けているんだと思う(一夜飾りを知らない人は少数派のはず)。管理人自身も、自宅にいけるときには、31日でも全然かまわずに生けてしまうが、お作法の教科書的に言えば、「31日に生けるのはよくない」が常識
  • 1月1日……正月花は旧年中に飾るものなので、この日に飾るのは本来はイレギュラー。でも、この日しか生けられない人も世の中にはたくさんいて、そういう人が自分の都合で年明けに生けるのは、「いたしかたなし」

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