◆三日坊主の管理人にも続けられた!

草月流 特徴

 私は一応草月流の師範ですので、このようなページを設けました。

 実は、本音を言うと、各流の中で優れて草月がいいとか、アレンジメントよりもいいだとかは、あまり言いたくない人間なので(そういうことではないと思うんだよな)、流派礼賛文みたいなものは書こうと思いません。
 そこで、自分にとって草月は何が良かったかと考えた結果、「三日坊主を退屈させない自由な流派:草月流」という切り口でなら「良さ」を紹介できるのではないかと思いました。

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◇初日から、自分で完結可能

 私は、三日坊主です。それも、やたら志の高い三日坊主でして、ピアノを習い始めて三日たつのに、ショパンも弾けないなら続けてらんない!というような三日坊主です。だから、何かに手をつけてみて、やりかけで放ってしまったものが山ほどあります。
 でも、いけばなは続けられました。今考えると、草月流の、うまくできた放任主義で育てられたおかげだったと思います。
 とにかく、習い事というものは、最初に覚えこまされることが多く、地味で面倒な約束ごとに終始しているうちに、当初持っていた憧れや夢が、どんどんしぼんでいってしまうものです。本当は、そういうものを乗り越えて、憧れに近づいていかねばならないのに、私は無駄に志が高いものですから、地味な期間に耐えられないわけです。
 私が受けた、最初の草月の稽古のとき、守れと言われた決まりごとは、主となる3本の植物の長さと角度、剣山を置く場所、これだけでした。これなら、「耐える」ことなどありはしません。

 本当は、細かいことを言い出せば、もう少し決まりごとはあるのですが、基本はこれだけです。剣山置いて、3本決めたら、今日始めた初心者なのに、あとは作品の全体像のことを考えていいんです。
 そして、初回の場合、実際に剣山に挿す植物の本数というのは、6〜7本くらいのものなのです。稽古時間を1時間とすると、1本に10分弱くらいかけてよい、ということです。のんびりしたもので、焦りまくることはありません。それも、好きに挿していい、って言われるんです。

 他流では、「手本とまったく同じにいけよ」という教授方法もあるようですが、草月はそうではありません。「あんたの花をいけなさい」といわれます。教授法として、どちらも正しいのだと私は思いますが、現代人の皆さんは、性格的に「草月方式」が向いているという人の数のほうが、もしかしたら多いのかもしれません。
 私は何人かの先生が、初心者を教えているシーンに遭遇したことがありますが、基本的に、先生は初心者さんがいけ終わるまで黙って見ていて、横から何か言うことはまずありません。放っておいても、概ね大丈夫だからです。超初心者が迷子にならないように、上手く型ができてるんです。創った人は(初代家元の、勅使河原蒼風という人です)苦労したと思いますよ。

 で、そうやっていけたものを先生がほんのちょっと、直してくれます。ほんのちょっと、というのは大体2、3本くらいです。挿してる花は6〜7本なのだから、実は50%ほども直されているのですが、まあ3本ですから、それほど手を入れられた気がしません。
 なんだか自由にいけて、ほとんど手直しされなかった記憶だけ持って意気揚々と引き上げることができます。
 私が途中で投げ出さなかった理由は多分これですね。特に、私が一番初めについた先生は、決まりごとたっぷりな他流から草月に移ってきた方で、草月の自由さを心から愛しておられました。だから、私にも自由を満喫させてくれたのです。
 こうして育てられたので、今、自分が教えている教室も、放任主義をモットーにしています。だから、「うるさく縛られたい」タイプの人には少し物足りないかもしれません。

◇40年ほども続けられた理由

 結局のところ、私は草月の良くできた放任主義を楽しみ、40年ほども教室に通い続けています。
 40年続いた理由を、もう少し具体的に考えて見ますと、
  • 立派な先生に恵まれた(これが一番大きいかな)
  • 居心地の良い教室に恵まれた(上と同じことかもしれませんが)
  • あまり妙なしがらみが無い(他流はタイヘンだと聞くことがあります……)
  • 本部が東京にある(千葉〜東京に住んできた人間なので、本部が近くて便利。少し本格的な講座に出たくなったときに、「京都まで行く」となっていたら、大半あきらめていたと思う)
  • 高級花・高級花器を使うことが「エライ」ことに直結しない(お金かかってない花でも、良いいけばなならちゃんと評価してくれる=ビンボー人でもついていける)
こんなことが続いた要因だったと思います。
 結果論ですが、私は草月でよかったなと思っています。

いけばな書籍&道具
草月流非公式用語辞典


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