◆ディプロマとは

ディプロマとは

 フラワースクールの案内チラシなどを見ていると、ディプロマという言葉を見かけることがあります。
 この「ディプロマ」って言葉、日本にはまだ、なじんでいるような、なじんでいないような、微妙な言葉ですので、一応解説をしたいと思います。(よくご存知の方はスルーしてください)

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◇「ディプロマを持っている人=すごくエライ人」というわけではない

 一般的にはディプロマとは、学校・各種スクールなどの教育機関が発行する、修業したことを証明する書類です。要するに、「花のディプロマを持っています」=「何らかの花の資格を持っています」という意味です。

 ディプロマというものは、特に法的な決まりもなく発行できますので、ぶっちゃけどんなものにも出せます。例えば、管理人:seiは、味噌漬けらっきょうを作るのが得意なんですけど、味噌漬けらっきょの作り方を友人に教え、その人に「sei味噌漬けらっきょディプロマ」という書類を渡しても、別にどこからもお咎めは受けません。

 「ディプロマ」というと、なにやら大層な感じがするかもしれませんが、上記のように何にでも出せてしまいますので、大して意味も無いようなディプロマも世の中にはあります。なので、「ディプロマを持っている」=「エライ」と考えるのは間違いです。ちなみに、日本の国家資格で「ディプロマ」という言葉を使っているものはありませんので、「○○ディプロマを持っています」という場合、国家資格でないことは確実です。

◇ディプロマは、中身が大切

 ただし、ディプロマを持っているということは、何らかの勉強をしたことは間違いないわけです。なので、「ディプロマを持っている」=「そんなの大したことない」「持ってても無意味」と考えるのも間違いです。
 つまり、どこで、どんなディプロマを取ったか、また、本当にディプロマの名前と内容を裏切らない実力がある人なのか、という、中身こそ大事なことなのです。
 例えば、名の通ったスクールで、取るのが難しいと評判のディプロマであれば、持っているだけで箔付けとなり、信用されることにつながります。
 今まで私が見たところ、「ディプロマ持ってます」と言わなくても、腕だけで十分信用される自信がある人が、ディプロマを添え物として提示するというのが、もっとも強力なディプロマの使い方ですね。実は、世の中には、「ディプロマを持ってます」と言いながら、自分の実力に言い訳をする人がたくさんいます。
 「ずっと前に取ったものだから」「授業としてやっただけで、ビジネスではやってないから」「なんとなく取っただけだから」「プロになれるとは思ってなかったから」等等。厳しく言うなら、そんなディプロマは飾りみたいなものです。

 また、世の中には、やたらカッコイイ名称であるのに、素人に毛が生えた程度の内容しかないディプロマもあります。 ○○の、ほんの基礎的な講習を受けただけで「○○マスターコースディプロマ」というのを、もらえることだってあるのです。
 もしくは、お金を払い込み、決められた講義に毎回出席すれば、必ず取れるディプロマもあります。出席して、全講義寝てても取れたりするんですよ。そんなディプロマは、それなりの証明にしかなりません。それを頼りに、明日からプロとして世間から認めてもらえるだろうと思うなら、相当な甘ちゃんだと言わねばなりません。

 それでも、自分が「どんな実質を持ったディプロマを取ったか」を、ちゃんと理解して取った人はまだいいんです。たまに、完全に勘違いしていて、自分の勘違いに気づいたときに、ずど〜んと落ち込む人がいるので、どうかそうならないでほしいのです。

◇持っているだけで一生安泰な花のディプロマなどは無い!

 このサイトで、何度も書いていますが、現状、日本の花業界には、「それを持ってさえいれば、一生食うに困らない」ようなディプロマはありません。国家資格であるフラワー装飾1級技能士(そんなに簡単には取れません)ですら、取っただけでは紙切れなのです。

 もしも、
「どのディプロマを取れば、仕事にできますか?」
「どのディプロマが、就職に有利ですか?」
と聞かれたら、私ならば、「取れば仕事にできるディプロマも、あれば就職が容易なディプロマも、今のところ一つもありません」と答えるでしょう。ディプロマは、手元に届いた段階では、それは誰にとっても紙切れみたいなものなのです。それを、武器として使える手腕を持った人にとっては、ただの紙切れではなくなることもあるのです。

 よって、花のディプロマは、それ自体では、社会的な意味で「最終兵器」にはなりません。
 しかし、自分の心のよりどころとしての「最終兵器」になら、なることもあると思います。また、取得したディプロマをうまく使った人は、「結果的に、あのときディプロマを取ったことで、人生勝ち組になれました」と言えるケースもあるだろうと思います。

◇多くのディプロマは、持っているだけでお金がかかる

 ディプロマにまつわる、お金の話もしておくことにしましょう。
 多くのディプロマは、持っているだけでお金がかかるものなのです。楽しみ目的で取るタイプのディプロマはそうでもないのですが、指導者資格のディプロマ(技術を教えることができ、生徒にディプロマ申請をしてあげらることができる)は、ディプロマ取得後にも、「年会費」みたいなものを継続して納めることが多いです。

 ディプロマを取ると、大体どんなタイミングでお金がかかるかといいますと、代表的なパターンは以下のようになります。
  • ディプロマ取得のための講義の受講料
  • ディプロマ試験の受験料
  • ディプロマ試験に受かった後に、ディプロマ取得料
  • 年会費(ディプロマを継続して保有するためのもの)

 上記のような料金は、主催団体によって金額が相当違いますので(少なければ1000円程度、多ければ数万円)、どのくらいと一概には言えませんが、私の感覚で言うと、プロ資格にかかるお金は、やはり軽い気持ちでは出せない額だと思います。よって、私は、誰にでも「指導者資格を取った方がいいよ」とは言わないことにしています。
 先行投資してでも、そのディプロマを取りたいと思う人は、どんどんアクションを起こしてみたら良いと思います。管理人自身も、先行投資したクチですが、私の場合は後悔も無く、投資した分も回収できています。

◇素朴な質問にお答えします……「ディプロマ」の言葉の意味は?

 たまに、「お免状とディプロマとは、違うものなんですか? それとも同じもの?」と質問されることがあります。
 これは、同じと考えて良いと思います。英語の辞書には、「diploma=卒業証書、修了証書、学位、免状、賞状、資格免許状」などと書かれています。つまり、「ディプロマ=免状」ではないが、「免状=ディプロマ」なわけですね。(「資格」も、ディプロマとイコールと考えてOK)

 しかし、だからといって、池坊の教場に入門するときに、「早くディプロマを取れるように頑張ります!」などと言うと、ちょっと変な人になってしまいます。古典派のいけばなの世界には「ディプロマ」という言葉を使う習慣が無いので、やはり「免状」と言うほうが自然でしょう。
 私はたまに、自分が持っているいけばなの免状のことを「ディプロマ」と言うことがありますが、言う相手は選びます。

 昨今は、花の資格もいけばなだけではないので、いけばなの免状を持っていることを、「花のディプロマを持っています」という言い方をしても、もうおかしくはないのかなと思います。でも、いけばな界の人たちの集まっているところで、「いけばなのディプロマ」という言い方は、やっぱりちょっとヘンかな。先生によっては注意されるかもしれません。
(※余計な豆知識……ディプロマは、フランス語では、Diplome:ディプロムだそうです。プリザーブドフラワーのスクールあたりには、今後「ディプロム」という言い方も使われそうですね)

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