◆いけばな教室について、よく人に聞かれること

 私は、いけばな教室を主宰していますし、長いこといけばなを習っています。展覧会にも出すことがあるので、素人の方からすると、「ずいぶん本格的にやってる人」に見えるのでしょう。
 そのためか、「いけばな教室って、○○なんですか?」というタイプの質問をよく受けます。この記事では、そのような「質問」の中で、これからいけばな教室に入ろうかと考えている方のためになりそうなものを選んで紹介してみようと思います。
(今後、項目が増えると思われます)

スポンサーリンク

◇よくある質問1……いけばな教室って、厳しい? 怖い?

 「厳しい」の定義にもよると思いますが、私が今まで覗いてみた教室(ほとんど草月流ですが)は、厳しいとか怖いということは無いですよ。お花の先生も客商売なので、楽しい教室にして、生徒さんに居ついてもらいたいと思っている人が多いと思います。

 なんかこう、マスコミ的なキャラを確立したような先生は、「怖そうな方が商売になる」と思ったら怖くやるかもしれません。
 また、完全に師弟で信頼関係が成り立っていて、互いに真剣勝負みたいな稽古になると、空気が凍りつくような教室もあるのかもしれませんが……でも、そこまで行っちゃってる稽古場など、日本で数箇所しか無いと思いますし、楽しみたいタイプの生徒さんにまで「凍りつく稽古」をする先生はいないです。
 草月会館のレッスンなど、トップクラスの教室でも、家元は基本的に笑顔です。「怖い教室」にしなくたって、いけばなの本質の話はできます。

◇よくある質問2……いけばな教室では、技術の習得以上に、「精神論」の講義があるものなのですか?

 あまり無いと思います。少なくとも、草月流には、カリキュラムとして「精神論の講義」はありません。
 古典派の流派には、もしかするとあるのかもしれませんが……でも、技術の習得より大事ということは無いと思います。よって、花に触りたくて教室に入ったのに、コムツカシイ「心」の問題を延々喋られることは無いと思っていいのではないでしょうか。

 よく、安っぽいフィクションの世界に出てくる「お花の教室」で、着物着た年配の「お師匠さま」が、弟子の手をパシ!と叩き、
「全然ダメです。あなたは花の心が分かっていませんっ!」
とかやってるのがありますよね。あれは、いけばな界の人間として申しますが、完全に素人が妄想した虚像です。
 花の先生は、作品が悪いと思ったら、作品の弱点を指摘します。また、表現として未熟だと思ったら、「表現が突き詰められていない」という主旨のことは言うと思います。しかし、「花の心」という言葉を出してくる先生は、どこにもいないだろうと思います。(花の心ってなんだよ、って話しです)
 花のココロなどという、抽象的にすぎる言葉は、稽古の現場にはありません。花の教室にある「うまく生けられない悩み」には、もっと具体的な言葉でふさわしいものがあると思います。何がふさわしいかは、個々に違うものがあるでしょう。

◇よくある質問3……着物着て行かないとダメですか

 これも、未だに聞かれることがあります。今日び、着物着て稽古に来る人などいません。そもそも、いけばなの作業は、花粉が付いたり水がはねたりすることが多いので、どっちかと言えば汚れてもいい格好くらいの方がふさわしいです。着物着ていけばな教室に通っていた時代というのは、庶民の普段着が着物だった時代でして、遠い昔のことです。

 お茶は、着物着てやるじゃないかと言われるかもしれませんが、お茶は、作業経過を人に見られるものなので、作業中に着物を着るのも、着物での動作を洗練させる必要があるのも当然なのです。いけばなは、特殊な場合でなければ、人様にお目にかけるのは、出来上がった作品のみです。だから、なんなら裸で生けたっていいのですよ。私など、家で展覧会作品の下生けをするときは、くわえ煙草です。

◇よくある質問4……近所に個人でやっているいけばな教室があって、入ってみたいと思っているが、いきなり電話してもいいものなの?

 チラシや看板で、電話番号を明らかにしている先生なら、もちろんOK
 電話するなら、単刀直入に、
「いけばな教室の看板を見て電話しました」
と言うのがいいです。
 すごくエライ先生になると、紹介者がいないと入門できない場合もあるかもしれませんが、いまどき、そんな大名商売している先生はあまりいないと思われます。

◇よくある質問5……いけばなは、長く習わないといけないものなの?

 長く習っている人もたくさんいます。私も、35年ほど習っています。しかし、一年でやめようが、半年でやめようが、それは生徒さんの自由だと思います(長く習いたいと思わせる魅力があるのが良い先生なんですけどね)。
 なので、やってみて合わなかったら、嫌々続けることなどありません。

 稀に、最初から「短期間だけ習いたい」と言って入門してくる人もいますよ。私の稽古場には、ご主人の海外転勤についていくまでの数ヶ月の間に、いけばなの基礎だけ教えてくれという人がいたことがあります。また、「半年くらい習いたい」と言って入ってきて、現在まで通ってくれている人もいます。

◇よくある質問6……お免状って、いくらくらいするものだろう?

 私は、草月流の師範ですので、草月流の免状ならば、いくらかかるのか具体的な数字を言えます。しかし、うちのような個人のサイトで、免状料を公開したら多分怒られるので、ここには明記しません。

 そこで、今までに、わが草月流のお免状の金額と、他流の人に何となく聞いてきたお免状の金額を、すべて総合した「なんとなく、いけばなの免状というものは、大体このくらいのお金がかかるものだ」という、大雑把な情報のみ書きたいと思います。

 大体、入門して一番最初に取る免状は、どこの流でも数千円〜ギリギリ1万円です。そして、教えられる領域に入ってくると、最低でも2万円くらいはかかります。そこから、上のお免状に上がるたびに、じわじわと料金も上がり、ある地点で10万円を超えてきます。
 10万超えの地点は、ある程度以上に本格的にやりたい人しか行かない領域の入り口です。なので、10万前でとどまっている人はたくさんいます。(恐らく、流の方は、10万を超えてくる人を「マジで付いてくるつもりのあるヤツ」と認識し、囲い込みたい対象にし始めると思われます)
 この値段帯のカンジは、フラワーアレンジメントの世界や、プリザーブドフラワーの世界にも、大いにかぶるものがあるようです。他流とか、フラワーアレンジ、プリザの世界の人と話をすると、具体的に「いくら」という話しに及ばなくても、何となく共通する値段展開かなあと感じることが多いです。

【関連記事】



Copyright(C)2004.09.15-. 花の情報局.All Rights Reserved.