◆コサージュ発注完全マニュアル
生花をブローチのように作った胸飾り、コサージュを付けたことがありますか?
↓こういうものです。大きさは、大抵手のひらに乗るくらいです。
花屋としてコサージュの注文を受けるときに、「頼み難いのかな?」と思ったことが、今までにずいぶんたくさんありました。皆さん、まずどうやって頼んでいいのか分からない、という風情だったのです。
でも、、基本的にコサージュ発注は難しいものではありません。結婚式や、音楽会、入学式、卒業式などに、ぜひとも生花のアクセサリーを身につけていただきたいものです。花屋さんにコサージュを発注する手順を逐一ご紹介しますので、参考になさってください。思っているより、ずっとカンタンですよ。
(1)発注のタイミングは?
よほど特殊な花を指定するのでなければ、
数日前で大丈夫です。数日って何日よ、と言われそうですが、花屋さんとお客さんがお互い余裕を持って臨めるのは、まあ一週間くらい前でしょうか。
もちろん、「明日」とか、「今すぐ」でも大丈夫なのですが、一週間くらいあると、花屋さんは「○○さんのコサージュに良い花を今日あたり仕入れよう」という「それ狙い」の仕入れができるのです。
「今すぐ」の場合、ゆめゆめ1分くらいで作れる、などと考えてはいけません。
コサージュとは、生花をテープとワイヤーで固めてブローチ型に仕立てるのです。細かい手先の作業になり、
急いでも30分はいただきたいところです。
(2)どこに頼むのか
家の近くに、センスも品物も良い花屋さんがあれば、そこに頼むのがベストです。良い花屋さんの心当たりが無いときは、自分の行動範囲内にある花屋さんの中から1軒決めます。
大体、店をパッと見たときに、「ここ良さそう」と思うお店にするのが良いです。それは、あなたのセンスと響きあうお店だということだからです。
お店に入り、「コサージュをお願いできますか?」と聞いてみましょう。店員さんが「はい、承ります。お使いはいつになりますか?」と言ったら、合格! 「コサージュはねえ、えーっと、受けてもいいけど、いつです?」などとごちゃごちゃ言うお店は、ちょっと考えた方がいいです。この言い方の裏には、「めんどくせえなあ」という心情が隠れているのです。
受けてくれると言ったお店に、まず値段のことを聞いてみましょう。値の付け方は、店によって違います。「3000円以上」だったり、「花代プラス技術料2000円」だったりします。納得できなければ、「考えます」と言って、ほかのお店にも聞いてみて、一番良いところに決めましょう。
現在では、1000円台で作ることは非常に難しいです。3000円はかかる、くらいの意識で探すのが良いと思います。
(3)どんなコサージュを付けたいのか決めている場合は、はっきり申告する
さて、良い花屋さんを決めたら、いよいよ具体的なデザインの話に入ります。
もしも、
「この花をどうしても使いたい」と決めているなら申告しましょう。花によっては、「無理です」とか「仕入れ状況によっては無理です」と言われるかもしれませんが、花屋さんは可能な限りあなたの依頼に応えようとしてくれるはずです。
具体的な花までは決まっていなくとも、「この色で」「こんな感じで」など、自分で決めている範囲で細かく申告してください。もしも決めていないのなら、
「だんな、あんたに任せる」と言ってくださっても勿論OKです。
(4)いつ、どこに付けていくのかはっきり申告する
花屋さんは、
「どんな目的で使うのか」を知りたがります。それは、より、その場にふさわしいコサージュを作るために必要な情報だからです。
「結婚式のゲストです」「ピアノの発表会です」「大学の謝恩パーティーです」「宮中晩餐会です」などなど、具体的言っていただくのが良いです。
日にちの情報が必要なのは、「使用当日渡し」なのか、「使用前日渡し」になるのか、はっきりさせるためです。注文主は、必ずしも使用する日に引き取りに来られるとは限りません。使用当日、朝5時に出発するのなら、コサージュは前日から渡しておかなければなりませんからね。(早起きして届けてくれる奇特な花屋さんはいません)前日渡しなら、選ぶ花も変わってくるのです。
(5)どんな服に付けるのか申告する
一番良いのは、服の写真を持ってきてもらうことです。写真が無理なら、口頭で説明してください。たとえば、
「明るい黄色のサテンで、キャミソール型のワンピース」くらいで結構です。
(6)コサージュを引き取る
さあ、良い花屋さんにうまく説明して発注したら、約束の日に取りに行きましょう。
前日渡しの場合は、家に持って帰って一晩保管するわけですが、良い方法は、
「ポリ袋に息を吹き込み、その中にコサージュを入れて口を縛り、冷蔵庫の中へ入れる」です。
(7)コサージュを付ける
コサージュには、コサージュピンが添えられています。コサージュピンで、服地にコサージュをとめつけます。(コサージュの留め方はこちらの記事で解説しています→
コサージュピン)
女性のフォーマルな服は、ぺらぺらのシルクだったりすると、コサージュを付けたとき、がくんと下を向いてしまうことがあります。
こんなときは、
ピンがブラジャーの紐に刺さるようにとめつけましょう。これ、
非常に使える技です。これだと、走ったりしたときも、コサージュがぶんぶん振り回されなくて済みます。
【参考】コサージ作成の記事をご覧になりたい方は、こちらをどうぞ→
番外編:コサージュを自分で作るなら