◆胡蝶蘭を贈るなら……花のオーダーのヒント集

 胡蝶蘭は、高級花ギフトの代表格の花です。個人対個人のギフトだけでなく、法人間のギフトとしても定番になっています。

 あまりにもおなじみの花ギフトではありますが、いざ胡蝶蘭をギフトとして使うときに、買い方や選び方が分からないこともあるかと思います。
 この記事では、花の注文に慣れていない方用に、胡蝶蘭を買うときの注意点などをまとめてみました。

◆胡蝶蘭は、こんなギフトに使える

 上の項にも書いたように、胡蝶蘭の使い道は幅広いです。
 たとえば、以下のような用途に使えます。

新築、移転、引越し、開店、周年記念、陣中見舞い、当選、就任、栄転、退職、上場、竣工、楽屋見舞い、発表会・展示会、受賞、叙勲、お中元、お歳暮、お年賀、結婚、出産、金婚式、誕生日、母の日、父の日、敬老、長寿、ホワイトデー、お悔やみ・お供え

 今、適当に思いついただけでもこれだけあります。実際には、もっと多様な使い方をされていて、「ちゃんとした花贈り」には、ほとんど使えます。(※お見舞い以外で)

【参考】花キューピット 胡蝶蘭

◆よく売れるのはいくらくらい?

 胡蝶蘭の、よく売れる値段帯はどのくらいかといいますと……東京で、花屋の下請け職人として数店出入りしている私の個人的な感触でよければ、

●個人利用……主流は、送料など全部ひっくるめて、2万円に納まるくらい。でも、3,000〜5,000円くらいのミニサイズがちょこちょこ売れる
●法人利用……よく出るのは25,000〜30,000円くらいかな、、、でも、5万以上も珍しくは無い

 こんな感じです。地方によって、かなり違うと思います。

【参考】フジテレビフラワーネット 胡蝶蘭

◆3,000円や5,000円でも、用途によってはアリ!

 胡蝶蘭の値段って、安くても一万円以上でしょ?とお思いの方もいると思います。しかし、上にも書いていますように、安いものは数千円からあります。本当に安いものだと、実は1,500円くらいでも売られています。
 さすがに、1,500円程度だと、ギフト使用するのはキビシイものになりますが(安い理由があっての1,500円だと思いますので)、その倍の3,000円くらいなら、相手によっては十分贈り物にできます。最近は、胡蝶蘭の値段が下がってきているので、一万円を下回る値段のものでも、「安かろう悪かろう」ではないのです。

 友達、恋人間のギフトなら、3,000〜5,000円でもステキな贈り物だと思います。

◆ミディって何?

 ネットで胡蝶蘭を買おうとすると、やたらに「ミディ」という文字が現れると思います。
 「ミディ」の意味は、「ミニ」と同じと考えてください。要するに、花がちっちゃめの胡蝶蘭です。具体的な数字で言いますと、大輪の花径が10〜15cmくらいであるのに対して、ミディは花径6〜9cmくらいです。

 この大きさは、実物を並べてみると、結構な違いになります。だからと言って、「ミディはしょぼい」というものでもありません。べたっとした大輪よりも、むしろ全体の姿が軽快で、一つ一つの花が引き締まったミディの方が好きだという人も多いのです。「とにかく花が大きければいい」という考えは、いまでは古い考え方です。
 ミディ胡蝶蘭がどれだけメジャーかということは、胡蝶蘭ショップのサイトを見れば分かります。大輪とミディは、現在では5:5くらいの割合で扱われています。ショップによっては、ミディの方がプッシュされていたりもするのです。

 ミディと大輪を、画像で比較しますと、
↓これがミディ。
【日比谷花壇】ミディ胡蝶蘭(ピンク)5本立ち

↓こっちは、大輪です。
【日比谷花壇】ゴールド「胡蝶蘭(ホワイト)5本立ち」

 世の中には、胡蝶蘭はあんまり好きじゃないという人もいて、そういう人に聞いてみると、「決まりきった例のスタイルで、面白みが無い」とか、「成金趣味的な気がする」という声が多いのです。そういう気持ちを持っている人の脳内イメージに、ばっちり当てはまるのは「大輪」の方だと思います。つまり、ミディの方が、「胡蝶蘭ならではのヤラしさ」みたいなものが、圧倒的に薄いのです。

 私は、個人的には、「自分がもらえるなら、ミディがいい」と思っています。ふわふわと舞うような姿が好きです。女性に贈るなら、ミディがお勧めです。

◆何本立ちがいい?

 胡蝶蘭は、立ち上がった茎に、花が付いて下垂する、というスタイルです。
 昔は、「茎1本一万円するんだって」という情報が広がっていて(つまり、三本立ちなら三万円ということ)、これがあながち間違いでもなかったので、贈られた側が、大体の値段を推理することもできました。
 しかし、現在では「1本一万」は都市伝説です。なので、もらった胡蝶蘭鉢の値段を推測するのは難しいです。そうなると逆に、「1本より3本がエライ」ということは無いとも言えます。

 結論としては、「一般的に、何本立ちがギフトにふさわしい」とは言いようがなく、「何本立ちであれ、良いと思った品物でよい」のだと思います。
 ただ、どお〜〜しても、どお〜〜〜しても何本立ちが良いのか一言ヒントを言え、と言われるなら、
「ビジネス用で、かなり大切にするべき場面のギフトならば、5本以上立ってるとキマるかもね」
とお答えしましょう。

 奇数・偶数を気にするかどうかということになりますと(現金を贈る場合、「偶数=割り切れる」として、結婚祝いなどでは避けられます)、胡蝶蘭鉢は、たしかに三本立ち・五本立ちが多いですが、花茎が偶数であっても、特にタブー視する必要は無いです。二本立でも、四本立ちでもOKとお考えください。

◆「色」は何を選ぶ?

 胡蝶蘭は、白のイメージが強いかとは思いますが、実はピンクや黄色などもあります。てゆーか、白以外がどんどん人気になってきていて、胡蝶蘭ショップのトップページに入って商品画像を見ると、半分くらいは白以外の色です。
 以下に、色別の印象や、使い道について、箇条書きにしてみます。

●白……もっとも一般的で、どんな目的にも使用できる。「胡蝶蘭」というワードから、普通の人が最初に思い浮かべるのはこの色の花

●ピンク……白よりも、華やかさ、かわいらしさがある。女性へのギフトにお勧め

●黄色……個性的、珍しい(極端に珍しい商品ではないけど、あまりチョイスされない色なので「珍しい」と思ってもらえる)。胡蝶蘭が複数届くようなお祝いでも、人とかぶる可能性が低い

●紫……個性的、珍しい(極端に珍しい商品ではないけど、あまりチョイスされない色なので「珍しい」と思ってもらえる)。シックなオトナのギフトになります

●混色……単一の色ではなく、花弁に模様が入るタイプ。好きな人には受けるけど、「気持ち悪い」と嫌う人もいるので、少々注意が必要。ちなみに、管理人自身の好みを言うと、「模様によっては大好きなのもあるけど、嫌いな模様もたくさんある」。

◆白胡蝶蘭は、無敵である

 胡蝶蘭の色で、無敵と言えるのは「」です。冠婚葬祭、どれをとっても、白胡蝶蘭を贈っておけば、「失礼」「非常識」は無いです。切花の王者である赤バラでさえ、「このシーンで贈ったら非常識」という場合があるのに、白胡蝶蘭はそれがありません。なので、迷ったら白! 選ぶの面倒な人も白! で大丈夫です。

 お供え花のときにだけ、注意するべきは「リップの色」です。
 リップというのは、下の画像の赤丸の部分です。


 この部分の色は、実は様々でして、上の胡蝶蘭はリップが黄色ですが、品種によってはピンク、赤、紫などの色もあります。リップの色により、胡蝶蘭の見た目の印象はかなり変わります。

↓左が黄色リップ。右が赤リップです。
 現在の段階では、赤やピンクのリップは、悲しみの席にはふさわしくないと思われている方が多いので、避けておくべきかと思います。(お供えの花は、昔よりだいぶ自由になってきているので、近い未来に「赤もピンクもOK」になるかもしれませんけど)
 お供え胡蝶蘭なら、リップは黄色、もしくは紫(派手でない紫)にしておきましょう。

※もしも、間違えて派手リップをお供え花に選んでしまったとしても、店から「この色で大丈夫ですか」と確認が入るとは思います


Copyright(C)2004.09.15-. 花の情報局.All Rights Reserved.