◆その花ギフト、喜ばれないかもしれな〜い!

 ギフトを贈るときに、人は「どんなものが喜ばれるだろう?」と考えるものです。
 花のギフトを贈るときも、相手がどんな花が好きなのか、リサーチして贈る人は珍しくありません。

 ただ、花のギフトの世界には、このようなことが言われることがあります。
「好きな花を特定するよりも、嫌いな花を避けることの方がむしろ重要」

 花は、基本的には美しいものです。花でなくて、観葉のようなグリーンものも、瑞々しい緑の「美」があります。なので、特に大好きな花ではなくても、花&緑のギフトというものは、何を貰おうが「きれいなものを貰えたヨロコビ」を味わえるものなのです。また、花と緑が好きな人は、植物の多様性を愛していることも多いので、ユリが好きだからと言って、ユリしかもらえない人生は、ちょっとさびしかったりするものです。

 だったら、色んなものを贈って喜んでもらおう……と思っても、嫌われるものを贈ってしまったら元も子もありません。
 そんなときの目安になる、「嫌われるリスクを含んだギフト」を挙げてみようと思います。

 ここに「リスク有り」として挙げたものは、ダメダメなギフトということではありません。「こういう方には喜ばれないかもしれない」という可能性を持ったギフトだというだけのことです。そのギフトが、ばっちりストライクな人も、絶対に居るのです。そのため、下記のリストは、大雑把ながら「貰う人のタイプ別」になっています。

◆特定の花を嫌う人は、結構居る

 花に、特定の印象を持っていて、それがあまり良くないものだと、貰っても「この花か……」となる場合があります。また、その人が嫌う見た目や香りを持っていると、はっきりと「この花は嫌い」ということになります。

  • カーネーション……安っぽいと思っている人がいます
  • 薔薇……「バラは持たない」と言われるため(実際に持ちが良い花ではありません)、「じゃあ要らない」と思っている人がいます
  • カサブランカ……香りが強すぎると感じる人がいます(実は管理人も、居間や寝室には置きたくありません)
  • 胡蝶蘭……成金ぽいとか、全部同じ顔でつまらない鉢、と思っている人がいます
  • ソリダコ……セイタカアワダチソウにしか見えない!という人がいます
  • ゼラニウム……葉っぱをこするとクサイです
  • おみなえし……クサイです

 上に、「おみなえしはクサイ」などと書いていますが、それでもなお、「まあ、おみなえし!」と喜んで買って行く人は多いのです(でなければ、今頃市場から消えています)。なので、秋の花束におみなえしを入れるのを、「絶対やめよう」と思う必要は、私は無いと思います。
 だって、カスミソウもくさいですよね。これ、知らない人が結構居るんですけど、カスミソウというやつはクサイんですよ。花好きなら知っていることです。
 でも、カスミソウは、花束から決して無くなりません。たった一箇所、弱点があるからといって、「絶対に避ける」べきものではないことを、カスミソウの存在が証明しています。

◆ズボラなやつは、こんな花ギフトを嫌う

 花に対してマメじゃない人は、「自分は何もしないで済む」ようなものを好み、一つでも手間が発生することを嫌がったりします。

  • 花束……花瓶出してこないといけないから、などとぬかすやつがいます
  • 栽培キット……面白いなあ、と思いつつ、結局パッケを開けませんでした……という結末になりがち

◆気にするタイプの人は、こんな花ギフトを嫌う

 贈り主が思ってもいないようなことに気を回して気にする人っていますよね。最悪、うらまれたり、「非常識な贈りもの」と思い込んで、よそで贈り主を悪く言ったりするので、そういう人には気をつけましょう。(花以外のギフトでも要注意ですよ)

  • 白主体の花ギフト……葬式みたいで失礼!と思う人がいる
  • 紫主体の花ギフト……葬式みたいで失礼!と思う人がいる
  • 黄色の薔薇……花言葉が「嫉妬」であるため、黄バラはギフトとしては微妙、という知識が、お作法の本などには書いてあり、気にする人がいます

 上に書いた中で、「白や紫主体の花は、葬式チックなので失礼」というのは、30年くらい前の日本では、わりと普通の感覚でした。なので、年配の方は、特に神経質な方ではなくても、未だに「ちょっとこれは」という人がいるかもしれません。
 ちなみに、花飾りの世界では、白や紫にごちゃごちゃ言ってくるのは、最近では田舎のクラブのママさんくらいかなあという感触です。

◆花好きは、「加工もの」を嫌う傾向がある

 真の花好きさんは、加工で花本来の姿を変えてしまったようなものを嫌う傾向があります。

  • 着色切花……染料で生花を染めたものです。これを強烈に嫌う花好きは多いです
  • レインボーフラワー……上記の「着色花」の、七色使い版です。色の騒がしさ、不自然さから、花好きには圧倒的な不評です(世間的には「面白い」という人も多い商品らしい……花好きな管理人は気が知れませんが)
  • ラメ付き切花……薔薇などに、ラメを振ってキラキラの装飾をしたもの。花好きさんは、「生花に何してんの」と言う人がほとんど
  • プリント花……花弁に文字や絵をプリントした花。薔薇、カラー、胡蝶蘭などがあります
  • シール花……上のプリント花に近いのですが、文字や絵をプリントしたシールを花に貼ったもの。花そのものに貼るところが嫌われるポイント!
  • 「主にラッピング」な商品……ラッピングの力でパッと見かわいいのに花の実態がショボすぎると、花好きは幻滅します
  • プリザーブドフラワー……花好きさんには、「プリザも好きタイプ」と「プリザ嫌いタイプ」が居るので、贈るなら「好きタイプ」であることを確かめたいです

◆「イヤじゃないけど、困る」というギフトもある

 嫌いじゃないけど困っちゃうギフトは、食品ギフトなどでもあることだと思います。花ギフトの場合は、以下のようなものがあります。

  • 鉢物……置き場所が無い、ベランダが狭い、育てる根気は無いが枯らすのはかわいそうなので扱いに困る、などの理由があります
  • 蘭など、温室が必要な鉢物……温室が無いうちではどうすればいいの?ってことになります
  • 巨大花束……薔薇100本などの大型花束は、家中の花瓶を出しても足りず、置き場所も無く、嬉しくても困ってしまうことがあります
  • 難しいタイプの栽培キット……栽培キットの中には、意外に栽培にスキルが必要なものがあり、そういうものをノリで貰ってしまうと後々泣くことになる可能性アリ


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