◆花屋さんの面接はこんな感じ

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 私は今までに、複数の花屋の面接を受けていますが(いずれも、アルバイト募集)、大体、どこもそんなに大きな違いはありませんでした。私の経験データで、花屋さんの面接はどのように行われるのかを紹介したいと思います。
 花屋の店員の採用で、面接しないで合否を決める店は、まあ無いと思います。花屋の求人に応募するなら、軽いシュミレーションくらいはした方が良いので、この記事の情報を役立ててもらえれば幸いです。

※関連記事……面接会話の例をこちらの記事でアップしています→管理人が受けた面接を再現してみます

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(1)花屋さんの面接はどこで行われるのか?

 すでに店舗がある店は、店の隅っこか、奥の別部屋で面接することが多いです。2〜3分くらいの、超短い面接で済ませる花屋は、店の隅で立ったまますることさえあります。

 新規開店のメンバー集めなどで、まだ店が工事中で入れないような場合は、「喫茶店にでも」ということになります。すでに店舗ありの場合でも、極端に狭いような店では、やはり「喫茶店にでも」になることがあります。

(2)花屋の面接を受けるときの服装は?

 事務採用でない限り、職人になる人間の面接ですから、リクルートスーツである必要などはありません。「スーツ無いから買おう」などという、勿体無いことも不要です。
 私は一応「きちんとした会見なのだ」という観点から、ジーパンは自主的に遠慮しています。そして、真夏以外なら、「ちょっとちゃんとしてる風」な上着くらいを着ていきます。足元は、サンダル・スニーカー以外にしています。

 ですが、ものは考えようで、ジーパン&Tシャツ&スニーカーで出かけ、「このままお店で閉店まで働くつもりで来ました。実際の技術を見てください。もちろんタダで働きます」なんて迫っていくのも、もしかしたら有効かもしれません。これは、個人の考え方で良いと思います。

 ん〜〜。でも、正社員だったら、やっぱりスーツがいいかな。(私は、花屋の正社員になろうと思ったことが無いので、スーツで面接に行った経験はありません)

※私はやりませんが(できないので)、場所にあわせて戦略的なファッションができる人は、店のテイストにマッチした服装で行くのも良いと思います。店にも、「クールでかっこいい系」とか、「ナチュラルなカントリー調」とか、それぞれのカラーがあります

(3)誰が面接してくれるのか?

 大抵、オーナーor店長or店長格の人が面接します。オーナー&店長格の人、みたいなときもあります。
 面接する側も花職人ですから、「汚れたジーパンのおっさん」である場合が多いです。あ、「ひっつめ髪のお姉さん」も多いな。
 変わったところでは、私が受けた某有名花屋の面接では、なんとスーツのビジネスマン顔の集団(5人くらいいらしたと思う)が机の向こうにずらりと並んでおられ、非常にびびった覚えがあります。

(4)花屋の面接で聞かれること

 花屋さんの面接では、主に経験と、心構えについて聞かれます。
 経験は、私は小心者なので、本当のことを正直に申告します。
 しかし、「できないことも、できますって言っちゃう」という人も世の中にはいらっしゃって、しかも作戦としては結構効き目があるらしいです。大風呂敷を広げても後々困らないさ、と思う方は「できますって言っちゃう作戦」を採っても良いかもしれません。

 心構えについては、「もうとにかく一生懸命やります」ということを、どう伝えられるかが大きなポイントになります。私は、実はこの部分については非常に強いです。
 それは、私が今まで、いくつもの花屋で、経営者の苦労と、現場の苦労を目の当たりにしてきたからで、「つらいことは分かっている。それを承知して来ている人間です」ということを伝える迫力が違うからのようです。
 これは、良いことか悪いことか分かりませんが、私は基本的に「いいように使ってもらってかまわない。何なら、そのあげく使い捨ててくれてもかまわない」という態度を最初に明確にしてしまいます。はっきり言って、面接のウケは良いです。
 これは、実は私の本音でして、店を守るために、泣く泣く熱心なバイト君にやめてもらっているオーナーの姿なんかを、今までずいぶんたくさん見ちゃったことに起因しています。
 ただし、これは私の個人的な見解ですので、誰でもそうするのが良いとは思いません。

 花屋未経験で面接に臨む人も、「やったこと無いけど、とにかく頑張ります」というアピールを上手にするべきかと思います。結局花屋さんは、体力的に厳しくて、しかもそんなに大きくは報われない仕事を黙々としてくれる人を探しています。なので、別種の職業でも、そのような「キビシイ・タイシテムクワレナイ・モクモクト」な職を経験しているなら、積極的に「こういう仕事をしてきました」とアピって良いと思います。また、接客業を経験していたら、それはぜひともアピールしましょう。

 面接の時間は、短ければ3分くらい(顔だけ見たくて面接する店があります)。普通は3分よりかかりますが、せいぜい10〜20分程度で済み、30分かけたら長いほうです。

(5)「花の名前試験」は、多分無いです

 私は、「花屋さんのアルバイト募集に応募しようと思うんだけど」という人に、相談を受けたことが山ほどあります。
 そういう相談の中で、ほとんどの素人さんが気にして言うのは、
「私、花の名前もほとんど知らないんだけど、聞かれたらどうしよう」
ということなんですけど……そんなことは、心配しなくても大丈夫です!

 花屋の採用面接で、「この花の名前、知ってます?」という試験もどきの質問をするなど、私は聞いたことがありません。そんな花屋、無いんじゃないでしょうか。
 花屋さんが、従業員に求めているのは、そんなことではないのです。
 もちろん、日々の業務の中で、花の名前は覚えていって欲しいですが、面接ではそんなことよりも、ガッツがある人なのか、力持ちなのか、シフトに多く入ってくれるのか、みたいなことを聞きたいのです。

 私に言わせれば、「花の名前を知っているかどうか」が、採用に影響するだろうと想像するような人は、花屋の業務を少し違う方向に考えている可能性があるように思えます。正直、「やめそうな奴がしそうな想像」だと思います。

 現在、新しい花材は毎日のように誕生しており、反対に姿を見かけなくなる花材も数多くあります。要するに、花屋の商品というものは、昔から何にも変わらないように見えても、実は変わっていくサイクルが早いのです。
 私だって、年にどれくらいの初見の花材を見るか分かりません。そのたびに、伝票を見て、「へー、こんな名前なんだ」と思うのです。

 よって、「この花なんでしょうクイズ」みたいなものは、実施する必要が無いのです。面接のために花材事典を買い込むことなどしなくて大丈夫です。

(6)私が面接で強調すること

 私は、「この花屋さんの求めている職人になります」と強調します。
 一口に花屋と言っても、立地や商品・値段の設定などにより、商いの形は様々です。A花屋のやり方が、B花屋で通用するとは限りません。なので、「よその花屋のことは関係ない。ココにふさわしい人間になります」と宣言するのです。

(7)私が面接では、聞かれない限り言わないこと

 私は10歳からいけばなを習っていますし、現在では、自分がいけばなを教える稽古場も持っています。
 しかし、私はいけばな経験を、花屋の面接の席では申告しません。
 聞かれれば、言います。それまでは黙っています。
 なぜかと言うと、「いけばなの型のような花しか作れない」「お稽古の延長のような気持ちで、気楽に応募して来たに決まってる」「花のプロ風吹かせるに決まってる」という先入観を、絶対に持たれるからです。
 また、実際に、趣味で花のデザインを好きになり、それが高じて花屋になった人の中には、すぐに音を上げて脱落していく人が多いんです。
 そいつらの中に含めないでくれ、という私の思いなのです。

 私は、ほかの花の資格も、持っていたとしても(持ってはいませんが)申告しないと思います。NFDの資格などは、店によっては持っている人をむしろ敬遠します。実際に、店の人がそうやって応募者を選別しているのも見てきましたので、面接中の話の流れで、「言っても大丈夫だ」と確信するようなことでもなければ、私は言わないでしょうね。

 稀に、「フラワーアレンジメントを長いこと習っていますので、花の扱いは素人ではありません。作品を見てください」と言って、作品写真のアルバムを持ってくる人がいるんですけど……それがプラスになった例を、私は見たことがありません。「アルバムなど持って行くな」とは言いませんが、よほど出すタイミングをうまく見極めないと、自分の評価を上げる材料にはならないと思ってください。多くの場合は、
「お教室レベルのスキルで、即戦力になれると思っているメデタイ人」
と思われてオシマイです。

「花の資格は持っているが、それは花屋業務とは少々違う土俵の話であることをきっちり分かっている」くらいが、花屋スタッフとしては健全な意識だと思います。

(8)面接で、実技を求められることもある

 店によっては、花束やアレンジの実技を求められることもあります。突然言われて脳みそフリーズしないように、心の準備をしていったほうが良いと思います。(自分の前に作った人がすごく上手かったりすると、焦るんだこれが)

 私が経験した例で言いますと、実技を求められるときに、あらかじめ「実技チェックがありますからね」と予告されていたことは一度もありませんでした。いつでも、面接で10分かそこら話した最後に、
「では、花束を作っていただきましょうか」
と突然に言われる
、というパターンでした。

 私の経験によれば、複数の店舗を持っているような花屋が、「抜き打ち実技」をよく実施しているように思います。私が想像するに、オーナーから各支店に、「実技チェックしなさい」と通達が出ているんじゃないかと思います。要するに、面接をする側にマニュアルがあるような店が行っていることのように思うのです。

 私の受けた「抜き打ち実技」の内容を書いてみますと、

  • 2,000円で、アレンジメントを作ってみてください。店に有る花材は、すべて使って良いです
  • 3,000円の花束の取り合わせを考え、実際に取ってみてください
  • アレンジメントを○○分で作ってください
  • 花束を取ってみて、どんなイメージで作ったのか申告してください

↑こんな感じでした。花束とアレンジの割合は、半々くらいです。
 店の言う「作ってみて」というのは、「商品になるものを作ってみて」ということなので、独創性にあふれたものを求められているわけではありません。私は、そのときに自分が「きれいだなあ」と思う花を使って、そのまま店頭に出せるようなものを作ることにしています。

 しかし、リスクを承知で、自分の独創性で面接を勝ち抜くんだ、という気概を持って勝負していくなら、それも良いと思います。(私はやったこと無いですし、これからもやらないように思いますが)

(9)志望動機は、意外に聞かれない

 履歴書に「志望動機」の欄があれば、もちろん空欄にするべきではないと思いますが、面接で「当店を希望なさったのはなぜ?」という直球の質問は、あまり無いように思います。今、過去の自分の面接を思い返しても、一つも思い当たりません。
 ただ、これは、私が基本的には経験者として面接を受けたからなのかもしれません。経験無しで面接に臨んだ人には、一度は聞かれるのかも。

 聞かれたときのために、即答できることを一つは用意していくといいかもしれません。「用意する」と言っても、作られたうその答えを準備するということではなく、ありのままの志望動機を伝えられる言葉を用意すればいいのだと思います。

 志望動機については、こちらの記事:花屋さんの「志望動機」はこう書け!にも書いています。

(10)面接で「質問ありますか?」と聞かれたら

 大体、面接の最後には、「そちらからの質問はありませんか」と言われることが多いです。
 いわゆる、王道の就活術としては、どうするのがスタンダードとされているのか私は知りませんが、私の場合は、本当に単純に、聞きたいことがあれば聞くし、特に無ければ聞きません。
 「質問ありませんか」と聞かれて「無いです」と言うと、意欲の無い人に見えるんじゃないかと心配する人もいると思いますが、私は実際に何も無ければ「無いです」と言ってきましたけど、それで合否が左右されたと感じたことは一度も無いです。

 なので、無理に質問をひねり出す必要は無いのではないかな……と思います。

(11)はじめての面接は、緊張するものです

 生まれてはじめて面接を受けるという方は、緊張すると思います。しかし、正社員はともかく、花屋のアルバイトの面接だったら、こう言っては申し訳ないですが、緊張するのは馬鹿らしいです。面接する側は、かなり気楽な気持ちでいることが多いですので(面接に行く店長って、大抵息抜きしに行く感じに見えます)、受ける側も余裕を持って臨んでください。私は、最終的に「面接に行くのが楽しい」くらいの境地に到達しました。

 花屋以外の面接を数多く受けた経験の有る方は、同じ感じで花屋も受けて大丈夫だと思います。花屋ならではの緊張があるとすれば、「実技チェック」くらいのものです。

(12)受験者の数が多くても諦めないこと。何回か落ちても諦めないこと。

 花屋さんは人気のある職業なので、面接の時間に店に行ってみたら、何十人も長蛇の列、という場合も多々あります。そんなとき、「あーもう絶対不採用だ」と思ってしまったりするものですが、あきらめないでください! 私も、数十人の中の、たった一人に選ばれたことがあります!
 あ、念のために言いますが、私の履歴書など、他の人と比べて突出してすばらしいわけではありません。はっきり言って、経験など、応募者みんな五十歩百歩みたいなものです。チャンスはあなたにも絶対にあります。あります!

 な〜んて、私だって、採用にならなかったことも何回かありました。(一回じゃない!)でも、へこみません。誰でも、こんなものなんですから。私の花屋友達には、○○は受けたけど落ちた、と言っているヤツがたくさんいます。

 参考までに、今までに私を採用してくれた店で、面接のどのタイミングで「合格」と決めたのかを後になって教えてくれたものを、以下に紹介してみます。
「何か質問ありませんか、って言ったら、『お店の揃いのジャンパーありますか』って言ったので、花屋の冬の寒さも、その他の厳しい業務も理解していると思ったから」(船橋市某店 倍率数十倍でした)
「握手を求めたら、一番早く応じてくれたので」(新宿区某店 倍率数十倍でした)
「何が、とは言えない。要するに、フィーリングです」(新宿区某店 倍率、多分5倍くらい)

 店の側も、本当のことを言ってくれたのかどうか分かりませんが、私にはこのように説明してくれました。

◇参考その1

 面接の前後の流れなどは、こちらの記事を参考になさってください→花屋さんのアルバイトに応募した後の流れは大体こんな感じ
 管理人の、志望動機についての考え方は、こちらのページに書いていますので、ご参考に→花屋さんに就職する =正社員の求人に応募しよう= (私は、志望動機が合否を決するようなことは、あまり無いと考えています。志望動機に「感じの良い嘘」を書く人がいますが、あれは無意味です)

◇参考その2……実例:「用語」を知らなくても面接をクリアできる!

 これは、管理人の実体験です。

 私は、フラワーアレンジメントや花束の作り方は、花屋の業務を実践しながら覚えました。そのために、フラワースクールで習った人なら当然知っている用語を、意外に知らなかったりします。
 かつて、花屋の面接で、「スパイラルはできますか」と聞かれ、「スパイラル」の意味自体が分からず、正直に「それは何のことですか?」と聞いてしまったことがありました。
 そのときは、「花束を作るときの、こういう技術のことです」と説明されて、「ああ、それなら普通にやってます」と答え、面接の結果としては合格でした。

 なので、「基本的な用語も知らずに、馬鹿をさらしてきた……」などと思うことがあっても、そんなに気にすることは無いと思いますよ。

◇参考その3……実例:私は一度だけ圧迫面接を受けたことがある!

 就職・転職活動をしている人なら、「圧迫面接」という言葉を知っていると思います。
 圧迫面接とは、わざと受験者に嫌な思い(明確な意地悪とか、態度も内容も威圧的とか)をさせるような質問をし、それにどう対応するかで、受験者の素の人間性や、対応能力を見極めるというものです。
 私は、某有名生花店(名前書いてやってもいいんだけど……)で、これを受けたことがあります。受けたときには気付かずに、その数年後になって、「ああ、そういえば、あれが圧迫面接というものだったのだなあ」と気付きました。
 私が受けた圧迫面接は、「ほかの人は、手当て(交通費とか)を遠慮しても良いと言っている人が多いが、あなたもそういう決意があると思うので、述べてください」というものでした。
 私は、面接を戦略的にシミュレーションするようなタイプではなかったので、圧迫面接というものがあることすら知らず、「非常識な店だなあ。有名店なのに!」と思い、こんな店で働かんでもいいわと思ってしまい、「仕事を頑張ります」ということを再度伝えただけで、手当て放棄についてはスルーしてやりました。
 結果、私はその面接に落ちたんですけど、「じゃあ、私も給料下げてくださってかまいません」と言えばよかったとは、いまだに思えません。

 というわけで、圧迫面接を受けたときにどうすればいいのかという解決策を、私は提示することはできませんが、花屋のバイトの面接でも、圧迫面接はあり得るのだということだけでも伝えたいと思います。(一般的な面接対策としては、こんな感じでググッてみてはどうでしょうか→面接 ノウハウ


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