◆フラワー組織の中枢で講師になる

 講師募集に申し込むで解説したような方法は、トライする機会は誰にでもあると言えます。
 しかし、フラワー組織の中枢の、たとえば、「○○フラワースクールの本部講師」のようなものになると、誰でも自ら手を挙げて獲得しに行けると言えるものでもなくなってきます。
 多くのフラワー組織は、本部講師を募集したりはしません。むしろ、組織の側から、一個人にオファーが行く形式が多いと思います。なので、何らかの形で、組織の中で存在を知られる人である方が断然有利です。(歴史が浅く、ディプロマを持っている人数自体が少ないような組織だと、「本部に家が近い」みたいな理由で、ポコッと声がかかる可能性も無いではないです)

 実は、「こうすれば、フラワー組織の中枢で講師になれる」という必勝法はありません。
 しかし、「このような努力はした方が良いだろう」と思われることなど、紹介したいと思います。また、本部講師になること自体のメリット、デメリットも紹介してみましょう。

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◇フラワー組織の中枢で講師になることのメリット

 以下のようなメリットが考えられます
【1】箔付けになる=「正式感」は最高のものを獲得できる
 フラワースクールとか、流派とか、協会のような組織が、「その組織の優れた指導者」と認めたようなものですから、ほぼ最高の「正式感」です。先生の肩書きを重んじるような生徒さん・営業先を相手にするのが容易になります。
 また、どこかにプロフィールを書くような場合、この「箔付け要素」があると、非常に格好がつきやすいです。
【2】大舞台を経験できるかもしれない
 所属組織が参加する世界大会などに、参加・出品できるようなこともあるかもしれません。個人教室の先生では、経験できないような作品を作れることもあるかもしれません。そうすると、ますます【1】のメリットもパワーアップします。
【3】組織経由の仕事が入るかもしれない
 個人で営業をかけられないような大企業相手の仕事も、組織経由で手がけることができるかもしれません。できたとしたら、更に【1】のメリットがパワーアップします。
【4】単純に、嬉しいと思う
 何かが優れていないと、組織の講師に迎えられることなどほぼ無いのですから、一つの道を努力して歩いてきた人なら、「認められた」という思いは嬉しいはずです。

◇フラワー組織の中枢で講師になるデメリット

 以下のようなデメリットが考えられます。
【1】やってみたら、結構キモチ的に大変
 何なら、やらない前からプレッシャーでもう大変かもしれません。
 基本的には、所属組織の講師として作品を作るときには、「ヘタだ」「大して上手くない」などと思われるわけにはいかん、という思いでいなければなりません。また、ほかの講師の先生と比較されたりすることも、絶対にあります。どうしてもなりたくて講師になったような先生でも、このプレッシャーでやめたくなったりするのが普通です。フラワー組織の中枢で講師になりたいなら、強い人になりましょう!
【2】そんなに儲からないことが多い
 【1】のような苦労があるわりに、収入はそんなに高くならないことが多いと思います。「組織も講師も儲かってウハウハ」、という組織は、私は聞いたことがありません。いけばな・フラワーアレンジメント・プリザーブドフラワーなど、各業界みんなそうです。大抵は、「組織のために使える人材は、薄給でこきつかえ」というところが多いと思います。講師なんか滅私奉公だ、くらいのところもあるんじゃないかなあ。お金のことは、期待しないほうがいいと思いますよ。最大限利用するなら、むしろ箔付けを利用して、自分の才覚で「組織の外」で儲けましょう。
【3】色々なものが断れなくなる
 組織の「公人」になってくるので、どうでもいいようなパーティーとかも断りにくくなります。(そういうのが好きな人はいいと思いますが)
 また、色々な催しに呼ばれるようになり、断れずにそこに行くようになると、個展会場などで、「買わないでは出られない」ような立場に追い込まれることがよくあります。
 このように、行きたくもない集まりに行き、買いたくもないものを買った出費が、講師として得た収入よりも多い、などというアホなことも起こります。所属組織のために、自分が赤字経営になったりしないようにご注意ください。
【4】自分の教室より、組織を優先しなければならないこともある
 場合によっては、組織の行事で、自分のレッスンに代行を立てたりする必要が生まれるかもしれません。これは、ある程度仕方ないことですが、あまりにも自分の教室を無下に扱うと、生徒さんが不満を持つこともあるので気をつけましょう。(基本的には、生徒さんは自分の先生が「組織のエライ人」の一員になると喜びます。「いい教室に自分は通ってるんだ」と思ってくれるみたいですよ)

◇フラワー組織の中枢で講師になりたいなら、した方が良い努力

 各ジャンルで見聞きしたことをもとに、私自身が思っていることを書いてみます。(私が実践しているわけではないです)
【1】なるべく行事に参加する
 組織の行事には、パーティーのようなものから、有料・無料の講座、作品展まで、とにかく参加していきましょう。「全部参加する」くらいの意気込みがあれば最高です。参加率が平均より高い人でないと、組織には招かれないと思った方がいいです。
【2】組織の方針には、すぐに乗っかる
 たとえば、「クラシックなスタイル」を組織がプッシュしてきたら、直近の展覧会でクラシックスタイル全開で行く、みたいなことです。プリザーブドフラワーなどは、組織によって花材銘柄のプッシュがある場合がありますので、そういうときは、様子見なんてしていないでプッシュ花材に飛びつきます。
 こういうことを、一回や二回やるのではなく、デフォルトの仕様にしておきます。
【3】腕を上げる
 「下手な人だ」という評判が立ったら、即アウトだと思いましょう。
【4】上記の3項目を、全力で継続する
 組織は、目に見える努力を、パワーダウンせずに継続する人が大好きですし、「そういう人に報いたい」という思いもどうやら持っているようです。だったら、「報いたい」ような状況を作ってやりましょう。

 上記のような努力をしても、誰でも組織の講師になれるわけではありません。有名な団体の講師などは、本当に選ばれた数人の人にしか、チャレンジする機会さえも与えられません。それでも、わずかな機会を求めていきたいと思うのであれば、上記の「努力項目」くらいは当たり前にこなさなければならないと思います。

◇フラワー組織の中の名誉は、外界にはほぼ通用しない

 フラワー組織の中枢で講師になった場合、組織の中の人間からは、「ひとかどの先生だ」と思われます。
 実際に、滅多なことではなれない講師職なのですし、大きな責任・プレッシャーもあるのですから、憧れの視線くらい貰わなければやっていられないかもしれません。
 しかし、ひとたび組織の外に出てしまうと、世間の人には「よく分からん職の人」「花で優雅に食ってる人」「○○フラワー協会講師? 知らない」「ふーん、そうですか」くらいのものです。
 一流企業の部長さんとか、医者・弁護士などのように、名刺を見た人が「おっ」と言ってくれるような肩書きではありません。それを忘れ、誰にでも先生風を吹かせていると、てきめんに世間からバカにされます。
 花業界全体がバカにされることにもつながりますので、見事講師になったとしても、振る舞いにはお気をつけを。


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