◆自宅外に、自力でフラワー教室を開く

 自宅外に、自力でフラワー教室を開く方法(教室経営者が別にいて、そこに呼ばれたり、所属したりする場合を除きます)を管理人自身の経験を交えて紹介します。
※フラワーアレンジメント、プリザーブドフラワー、いけばななど、各種の教室を想定した情報にしてみました
※ここに紹介されている方法以外でも、外部に教室を開く方法はあると思います。あくまでも、「参考」にどうぞ

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◇外部教室は、自宅教室よりも正式感があると感じる人が多い

 フラワー教室は、「先生のご自宅に通う」というパターンが非常に多いです。結局、「個人宅でできる」から、そのようなレッスン形態が多いのだと思います。(自宅教室については、こちらのページを参照ください⇒自宅でフラワー教室を開こう
 しかし、さまざまな理由で、自宅の外に教室を構える先生もたくさんいます。私自身も、過去には貸し教室で開講していたことがあります。
 外部に教室を開く理由はたくさんあります。

「交通アクセスの悪い自宅よりも、便利な場所に教室を持ったほうが生徒さんを獲得しやすい」
「家は、狭くて人を入れられない」
「今まで自宅教室だったが、生徒さんが増えたので場所を広げたい」
「貸しスペースを借りたほうが、宣伝や営業活動がしやすい」
「外の方が、家族に気兼ねしなくていい」
「ここで教室を開きたいという、憧れの町がある」
「自宅を教室の開講前に掃除したり、終わった後に片付けするのを考えると、いっそ外の方が楽」
「以前から、教室は外で開くものだと思っているので、自宅教室の選択肢が最初から無い」
「家に他人が来るのがイヤだ」
「生徒さんにフリーで花を選んで欲しいので、どうしても花屋さんの中にスペースを借りたい」
「外に教室を持つのが夢」
「ホームレスなので家が無い」

……とまあ、こんな感じで色々あります。
 最後の「ホームレス」というのは、ジョークのようですが、半ば本気です。実は、私がそれに近い理由で外部に教室を借りていました。私は以前、よそ様に居候していた時代があり、自分の教室を持とうと思ったら、外に借りるしかありませんでした。
 教室の講師の側には、このように色々な理由がありますが、生徒の側からすると、外に教室を構えて行われているレッスンの方が、正式感があるみたいです。ゆえに、何となく「ちゃんとした教室である」「信用できる先生である」という印象が強くなる傾向があるようです。また、個人のお宅にあがることに抵抗がある生徒さんも存在しますので、その理由で「自宅教室」という文字を敬遠する人には安心されるでしょう。
 しかし、外部の教室にした方が、圧倒的に多くの生徒さんが集まってくるというものでもないです。なので、自宅でも、外部でもどっちでもいいと思っている場合は、「生徒さんが増えたら外に探そう」という作戦でもいいような気はします。ただし、何年か後に、「やっぱり最初から外部に教室を見つけるべきだった」という後悔をしないように、ご自身の状況や希望をよく考えて決断してください。

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◇外部教室の場所決めは、住居探しによく似ている

 外部に教室のスペースを探す場合、すでに候補地があるなら、まずそこを当たってみるのがいいですが、そうでなければ、基本の探し方は住居を探す場合とほぼ同じです。
 ゼロから教室を探すときには、まず自分が何を重視してその場所を探したいのかをピックアップします。その際に、「重視項目」にはっきりした優先順位をつけられるならつけてみてください。
 たとえば、こんな項目が挙がってくると思われます。

「自分の家から、30分以内で通える」
「最低でも、○○人の生徒さんを収容できる」
「最寄駅から5分以内」
「花屋さんの内部」
「場所代が、○○円以内」
「懇意の花屋さんの配達圏内」
「山手線の内側」
「憧れの場所をピンポイントで希望」

↑上には、かなり一般的なことを書いてみましたが、実際にはもっと個人的かつ具体的な項目が挙がってくるはずです。
 条件は、最初は高めでもいいと思います。いや、むしろ高めがいいかもしれませんね。条件を下げることはいつでもできますし、不動産探しをしたことがある人は分かると思いますが、「ありそうもない物件」というのは、決してゼロではないからです。「私の予算で銀座なんか無理」と思っていたけど、面白半分に銀座を探したら見つかっちゃった、ということは実際にあり得ます。

 ここで、具体的な例として、管理人自身の経験をちょっと書いてみますね。

【管理人の経験談】
 私が、外部教室を探したときの「重視項目」は、下記のようになります。
●東京23区内。できれば、山手線の内側or沿線がいい
●日曜日に交渉窓口が開いているところ
●1時間単位で貸してくれるところ。(2時間に譲歩可)
●一ヶ月の場所代が、1万円以内で済む
●駅から徒歩10分以内
●候補が複数見つかった場合には、一番安いところにするべし
 結果的には、私はすべての条件を満たす場所を見つけました。振り返ってみると、運がよかったんだろうな、と思います。特に、東京で、月の出費が1万円以内の場所を見つけられたのは幸運でした。

 私は、幸運にも、条件を譲歩せずに教室をゲットしましたが、実際には何らか1項目くらいは譲歩することになる場合が多いと思います。そのときには、自分が最もゆずれないものは最後まで大事にして、優先順位の低いものから手放していきましょう。

◇具体的に、どこで探すのか?:その1……収入にならなくても良いと開き直るなら、公民館や市民会館で開くのが元手いらずでGood

 公民館や、市民会館などの多くは、市民による講座や教室のために、スペースを貸してくれます。自分の住んでいる地域や、通える地域に、教室を貸してもらえる公民館などがないかどうか探してみましょう。
 大抵は、非常に安く貸してくれますし、無料のところもあります。これは、稽古場の主催者にとってはありがたいことでして、「生徒さんが少ないうちから場所代ばかりかかる」⇒「¥的な理由で、一年持たずに稽古場を閉める」というような、売れないお店が破綻するパターンと同じ経路をたどる危険性は、大分少なくなります。
 しかし、それだけに競争相手も多く、びっしり教室が埋まっていることがほとんどで、問い合わせても「空き時間はありません」と断られることが多いと思います。なので、地域の広報などを見て、空きが発生しないか確認するとか、公民館の内部に知人の関係者がいないか探してみるとか(いち早く情報をゲットできます)、継続して状況をチェックすることが必要です。

 このように、努力して教室のスケジュールを入れてもらえることになっても、もっと大きなネックが待ち構えているので、「開講できてウハウハ」とはなりません。公民館や、市民会館の講座では、収入を得ることは、ほとんどできないのが現状なのです。
 公民館などの講座は、「営利目的禁止」が規約に入っているのが基本です。よって、花代と諸経費を回収する程度の金額で運営することになります。本来は、ボランティアくらいの心意気で開講するべきなのです。実は、私が公民館を諦めたのは、これが理由でした。(ボランティアが嫌なんじゃありませんよ。ボランティアで経歴を始めるほどの余裕なんて、一文無しから「花を職業にしていこう」と思っていた私には無かった、ということです)

 公民館・市民会館で開講している先生のすべてがボランティア精神のみで行っているわけではありません。そういう場所で開講することで、出会いの場を増やす・オオヤケの人に顔を売る・花屋さんからの購入実績を伸ばす、などのメリットも得られます。
 また、公民館などで開講することによって、自宅教室(外部でもいいですが)の生徒さんを増やす、というテクニックがあったりします。多くの先生は、公民館などの稽古場を、完全に「初心者仕様」にしています。あくまでも、公民館などで行うのは、「入り口を体験する」ことにとどめ、それ以上に専門的なレッスンを受けたければ、先生の自宅(外部でも)教室に招き入れる……という風に、ちゃんと月謝を得られるところに生徒さんをつれてくる導線を引くわけです。
 もちろん、「入り口だけ楽しめば十分」と思う人は、その奥地にある本格的な教室には来ないでしょう。しかし、そこに「行ってみたいわ」と言わせるのが、先生の魅力であり、腕です。

◇具体的にはどこで探すのか?:その2……貸しスペースを、Webや電話帳で探してみる

 正攻法で、教室・講座などに場所を貸す商売をしている会社の告知を探します。私が外部に教室を探していた頃は、ネットなど無かったので、電話帳にローラー作戦をかけたものです。
 それが、いまやネットの時代になり、検索でかなり楽に情報を集められるようになったのではないでしょうか(「貸し教室」「レンタル 教室」「レンタルスペース」などのキーワードで探してみましょう)。
 しかし、ちょっと検索してみれば分かると思いますが、場所を借りるのは、結構なお金が必要なのです。この現実は、「場所を確保してから、生徒さんを増やそう」という計画が、大きな赤字前提になる可能性が高いことを示しています。特に、首都圏では、相当厳しいと思うべきです。
 それでも、安い掘り出し物物件が無いとも限りませんので、検索するのはタダなのですから、本気で探したいなら、こまめにチェックしてみましょう。上記の検索ワードに、「低価格」「激安」などと付けると、安いものが引っかかってくるかもしれません。
 場所代が高くてもぜんっぜんかまわないお財布を持っている方は、良い教室を押さえて優雅に開講しましょう。私のような貧乏人には悔しいことですが、先生のスキルが同じであれば、場所が良い方が信用されますし、生徒さんも居つくのです。

 高い場所でも、安い場所でも、うまく探し出したときには、「花の教室のために使用してもOKなのか」ということを、必ず確認しましょう。場所によっては、水を使うことを嫌われて、断られることもあります(プリザ教室が断られることは無いと思います)。また、いけばなの場合は、花器を置かせてもらえるのかどうかも必ず確認しましょう。もしも「ダメ」と言われた場合は、毎回車で花器を運ぶなんてことになってしまいます。

◇具体的にはどこで探すのか?その3……花屋さんに直談判

 「花屋さんの奥や、二階に教室がある」というのは、実は一昔前にはわりとスタンダードな運営スタイルでした。スペースに余裕のある花屋さんが減ったためか、今ではめっきり見かけなくなりました。
 この方式の良いところは、生徒さんが店頭で好きな花を選べることと、花代を安くしてもらえる可能性が高いことと、花屋さんが高い場所代を要求することがあまり無いことです。生徒さんの数が大勢なら、「場所代は、もちろん不要です」と言われることも珍しくありません。だって、花をたくさん買ってくれるのですからね。

 実を言うと、私の理想の教室のスタイルはこの方式なのです。花材豊富な花屋さんの二階で開講、というのは今でも私の夢です。しかし、東京では、はっきり言って難しいです。でも地方なら、まだ可能性がかなりあるのではないかと思います。
 このような「教室に場所を提供してくれる花屋さん」の情報は、ネットでもさすがに探しにくいです。地道に足で探すか、人づてに情報を集めるくらいしか方法がありません。一番手っ取り早い方法としては、親しくしている花屋さんに、「教室に貸してもらえる場所がないかしら」などと聞いてみることです。運がよければ、「散らかってるけど、奥の小部屋でよければ……」みたいなことにならないとも限りません。

◇具体的にはどこで探すのか?その4……本来は貸しスペースではない場所を、「貸してください」と交渉してみる

 これは、なかなか勇気がいりますし、成功する確率が低いので、紹介するのもどうかと思うのですが、私の知人で、実際にこの方法で開講に至った人が複数いるので、一項を設けてみます。
 これは、どういうことかと言うと、貸しスペースでもなんでもなく、場所を貸そうなどとは思ってもいない相手に、「いけばな教室の場所を探しています。貸してもらえるスペースはありませんか」とお伺いするという方式なのです。
 これは、最初は身内でトライするのがいいと思います。私の知人たちは、「勤め先の会社の作業場を、休日に借りている」「知人の経営する学習塾の、空き時間を借りている」という状況です。
 この方法は、私自身が経験していないので、賃料などをどうやって交渉していくものなのかが分からないのですが、身内・知人であれば、お互いに率直に話し合えるのかなあと思います。
 もしも、飛び込みで「この場所を貸してください!」と迫っていく勇気のある人は、あらかじめ値段設定など考えておいた方がよいでしょうね。

◇私は、これが大変だった

 私は、以前は外部に教室を持っていましたが、現在は持っていません。
 機会さえあれば、外部に教室を持つ意欲は今でもありますが、現状では、積極的にそれを開こうという活動をしているとは言えません。
 私の場合は、「ホームレス?時代」に、自分の家が無かったから外部に教室を持ったわけですが、正直言って、借り賃が痛かったですね(相場より、大分安く見つけたんですけどね……)。そして、手持ちで花器を運んで入れ替えるのが面倒でした。
 まあ、花器の面倒などは、私が重いものを持てば済む話しでして、本当に痛かったのは、やっぱり場所代です。場所代で自転車操業だった記憶は、今でも結構なトラウマで、できればあれを繰り返すのはイヤです。ホームレス?を卒業し、自分でアパートを借りるようになったら、そこで教室を開けることに、恐ろしく安心しました。今現在は、マンションを買いまして、狭い部屋で、生徒さんがあふれそうなときもあるんですけど、今のところは「外の教室を、時間を費やして探そう」という気持ちはありません。ただ、私の場合は、「稽古場にするために場所から選び、稽古場にするべく色々そろえたマンション」なので、特殊と言えば特殊なパターンでして、誰にでも参考になるケースとも言えません。
 本当に花の教室で身を立てたいなら、「このままではマンションにおさまらないので外に!」とか、「絶対に大勢の人を集め、自転車操業になんかしない」という決意を持って開講するべきなのかもしれません。
 ご自分は、どんな目的で教室を持とうとしているのか、よく見極めて「外部教室」の準備をされるのがよろしいと思います。


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