◆花屋さんの履歴書

 私は、自分が勤めている花屋さんで新人の募集をしたときに、提出されてきた履歴書を多数見ています。また、それを見ながら採用の合否を検討していたオーナーたちのことも見てきました。
 私が見た中では、採用を履歴書だけで勝ち抜いた人はいませんでした。少なくとも、私にはそう見えました。履歴書を、必殺の武器にはするのは難しいと思います。

 しかし、より良い履歴書を書こうと思う気持ちは、自分もそうだったのでよく分かります。この記事では、私自身が「こういうふうに書こう」と心がけていたことと、私の目から見て、花屋経営陣にウケが良いように感じた履歴書の書き方を紹介しようと思います。

スポンサーリンク

◇手書きでも、印刷でもヨシ

 履歴書は、心をこめて手書きで!という方もいますが、今日び印刷でもOKです。手書きでももちろん大丈夫で、要するにどっちでもいいです。
 手書きで書くなら、できるだけきれいに書くように心がけてください。字のうまい下手よりも、「ちゃんと書いた書類」にすることが大事です。誤字脱字は、バイトといえどもNGです。あんな少しの文字数で、間違っている場合ではありません。

◇日付

 書き忘れないようにしましょう。日にちは、面接に持っていく日です。郵送というパターンは、花屋さんにはあまり無いと思いますが、郵送するなら「投函する日」です。

◇学歴

 正社員の応募なら、すべての学歴を書きましょう。バイトならば、最終学歴だけで良いと思います。

◇職歴

 正社員用なら、すべての職歴を書きます。バイト用なら、本人が「わざわざ書かなくてもいいかな」と思えるものは、書かなくていいでしょう。

 花屋独自の職歴の書き方としては、花にかかわる仕事の経験は、できるだけ多く書いたほうが良いということが言えます。
 普通、学生時代にバイトしたことまで、履歴書には書かないものです。しかし、花屋でバイトしていたなら、花屋の履歴書には書いてください。それが、一日限定の母の日バイトだったとしても、書いてください。配達要員として車で花束やアレンジを届けて回っただけだけど……という方も書いてください。その情報が絶対に必要かどうかわかりませんが、書いて悪いことは一つも無いです。

 三日で辞めた花屋バイト歴があるとすれば、私ならそれも書くと思います。やめた理由が言い難いものだった場合、
「三日限定のバイトでした」
と言ってしまえば大丈夫でしょう。あ、でも時期的に「なんでこの時期に三日だけバイト取ったんだろう」と言われると困るかな。……そういうときには、「何とでも言える」場合にだけ、書くかもしれません。
 要は、たった三日の経験もすべてアピールするつもりで採用に臨め!ということです。

◇免許・資格

 車の免許を持っていたら必ず書きましょう。花の資格としては、フラワー装飾技能士を持っていたらぜひ書きましょう。国家資格なので、三級しか持っていなくても、書いたほうが良いとおもいます。また、現在フラワー装飾技能検定の講座を受講中、というのも書いていいでしょう。
 それ以外は……花屋で重視される免許・資格はあまりありません。

 もしも、英語接客が多そうな店だと、TOEICの点数など書くといいかもしれません。あと、花屋も商売なので、簿記も書いていいでしょう。
 あとは……なんだろうなあ。でもまあ、何か資格・免許を持っていたら、全部書いていいんでしょうね。それで落とされることは無いでしょうから。
 私のこの書き方、あまりにも熱意が無いと感じるかもしれませんが、花屋の現場で、資格関連は本当に重視されないのです。フラワー・いけばなの資格なんて、書かないほうが良い場合があるくらいなのです。

 こちらのページ:花屋さんの面接 にも書いていますが、私はいけばなの級を持っていることを、聞かれない限りバラしません。当然、履歴書にも書きません。私はそれで良いと思ってそうしてきましたし、間違っていたとは思っていません。これを書くか書かないかは、個人の判断で決めるべきですが、「花の資格は、書いたほうが断然有利」では全然ない!ということは、知っていたほうがいいと思います。

 ……花の資格より、書道の段級の方が喜ばれるかもしれないと思います。札書きが発生したときに、すぐに書ける人が店にいると、すごく助かりますから。

◇志望動機

 ありのままを書けば良いとおもいますが、こちらのページに例文など載せています→花屋さんの「志望動機」はこう書け!
 もしも、本気で志望動機を書きたくない場合は、志望動機欄が無い書式を使うという手があります。しかし、社員の採用の場合、志望動機欄無しを使うのは絶対良くないそうです。やる気あんのかこいつ、ということになるのだそうです。なので、社員採用の場合は避けるべきと思います。
 しかし、花屋バイトの採用で、面接の場所に自分で履歴書を持っていくなら、私は「志望動機欄なし」でイケると思います。面接で、熱意を十分アピールすればいいのですから、紙の上でそれを文字にしなくても伝達可能なのです。

 花屋バイトでも、「面接の前にまずは履歴書を送れ」という場合には、やはり志望動機欄はあったほうがいいでしょう。面接にたどり着けないといけないですからね。

◇趣味・特技・得意科目

 履歴書記入を戦略的に考えるなら、必ず書いたほうが良いといわれています。花屋の正社員を狙うなら、そうしましょう。
 しかし、花屋バイトなら、空欄でも大丈夫です。でも、まあなんとなく埋めようかな、あんまり白っぽい履歴書もカッコ悪いし、と思うなら、何かしら書きましょう。
 植物系のものを書けるなら、それを書いてください。ウソをついてまで植物系に寄せることは無いので、「趣味:スポーツ」「特技:料理」など、何でも本当のことを書きましょう。

◇本人希望欄

 花屋バイトなら、シフトに入れる曜日・時間などを書きます。一歩でも採用に近づきたいなら、「必要とされるなら、どの曜日・時間帯でも勤務したい」と書くと、大変にウケが良いです。
 店の都合でいつでもなんでも言うこと聞きます、という人が、店からするとありがたい人材なのです。

 微妙かなあと思うのは、特定の業務を指定して「こういうのがやりたい」という書き方をするのは……店によってはヨシとされないかもしれません。
 たとえば、ブライダルの業務をぜひ担当したい、大型のいけこみをぜひまかせてくれ、というようなアピールは、楽しい仕事と自分のスキルアップしか興味ない人という風にも受け取れます。
 ブライダルや大型いけこみの業務が元々少ない店だと、「うちに合わない志向の人」とも思われるかもしれません。そのようなリスク有りと知って、それでも書くのはかまわないと思います。(私も、面接でいけこみを希望したことがあります)

◇私の戦法は、これでした

 最後に、私がどんなタイプの履歴書を書いていたのかをお話しますと、私の場合、履歴書ばかりか面接もそうしていたのですが、
「そちら様の求める職人になります」
ということをあらわにするのを常としてきました。

 業務時間も、業務内容も、精一杯貴店に合わせていくつもりがあります……という姿勢を最初っから打ち出します。私は、花屋面接の戦績は良いほうだと思いますが、多分、店から見て「都合の良いやつ」だったことが大きいのだと思っています。
 花屋に勤めるなら、そうするのが正しいのだというつもりはありません。実際には、もっとスマートなやり方がきっとあったのだろうと思いますし、人それぞれに、ふさわしい攻め方があるのだと思います。


Copyright(C)2004.09.15-. 花の情報局.All Rights Reserved.