◆私が実際に見た「花屋を閉めた人たち」のデータです

 私は、長年花屋バイト・花屋下請けをしてきました。そのために、付き合いのあった店の閉店を目の当たりにすることが、何度かありました。
 幸いにも、バイトとして雇われている最中に、店が閉店に向かいだしたことは、まだありません。

 閉店、廃業と言うと、「あの店、つぶれたのか」と思う人が多いと思いますが、私の見た例は、必ずしもそうではありませんでした。しかし、閉店理由の割合で言うと、「哀しい理由」のほうが、やや多かったように思います。

 この記事は、閉店した店のリアルなデータ(狭い範囲のデータですけど)を挙げることを目的とし、それ以上のメッセージはありません。つまり、「こうならないように気をつけろ」という記事ではありません。
 それでも、花屋で独立したいと思っている方や、花屋に深くかかわって生きていこうと思っている方には、有益なデータになるものがあると思います。
(これから花屋を開業しようと思っている方は、この記事を読んで萎縮する必要はありません。ただ、賢く参考になさってください)

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◆私がリアルに見た「閉店」は、7店舗(内、ネットショップ1)

 私は、20数年ほど、花屋にかかわる仕事をしてきました。花屋経営者さん、バイトさんの知り合いも多いです。
 その私が、20数年のうちに、閉店を目の当たりにした店は、7店舗あります。そのうち1軒は、ネットショップでした。

 この数字は、多いのか少ないのか分かりかねるのですが……どっちかと言えば、多いのかもしれません。私は、10年以上前から、一軒の花屋の専属になることが無く、複数の花屋に出入りするので、人より多く「閉店」にめぐり合っているのかもしれません。

◆7軒の閉店理由は?

 7軒の閉店理由を箇条書きにしてみますと、こうなります。

  • 店主の病気療養のため
  • 借金がかさんだため
  • 駅前開発により立ち退きのため
  • 高齢のため
  • 借金経営に陥りそうになったため
  • 商売換え
  • 店主が亡くなり、家族が継いだがキビシイ業務に耐えられなかったため

 ちなみに、7軒の中で、店を復活させた例はありません(今のところ)。

◆自宅か、貸し店舗か

 7軒の例のうち、自宅で開業していたのは1軒(高齢で閉めた店です)、店舗を借りて営業していたのは5軒です。ネットショップのみで、店舗を持たなかった店が一軒含まれますので、この数字になります。

 貸し店舗で営業していた店のうち、「家賃がかからなければ閉店しなかったのでは?」と思われる店(私の勝手な推測ですが)は、2軒あります。

◆人件費はかかる店だったか?

 7軒の中で、バイトを使っていた店は、5軒です。
 人件費がかからなければ、経営は相当楽になったかもしれませんが、多分、5軒とも、「バイト入れないと回らない」店だったと思います。

◆儲かっているのに、閉店した店はある?

 一軒だけあります。「高齢で閉めた」店です。

◆店の評判はどうだった?

 評判がどうだったというのは、判断が難しいところですが、明確に近隣から「良い店だ」という評価を受けていたところが、7軒の中に2軒ありました。
 「病気療養」と「高齢」が理由で閉めた店です。つまり、この2店舗は、元気でバリバリ働ける人間がいれば、閉める理由など無かったのです。

◆seiは、「閉店」と聞いて驚いた?

 実は、管理人seiは、どこの店の閉店も驚きませんでした。店が明日どうなるかなど、分かりませんもの!

◆借金していたんだろうか?

 借金していたかどうかは、なかなか分かりませんけど……確実に「あそこは、してた」と言えるのが、2軒あります。
 でも、個人商店主に借金があるのは珍しくありませんので、2軒以外の店にも、あった可能性は高いと思います。

 借金していた店のうちの一つは、自己破産に追い込まれました。もう一つの店は、店主のケータイに、「絶対に借金取りだ」と分かる電話がかかってきていました。

◆何年で閉店している?

 7軒のうちの4軒が、十年以上営業しています。一番長く営業した店は、私が生まれる前からやっていましたので、50年超だと思います。

 残りの3軒は、全部3年以内ですね。一番短かった店は、1年強くらいです。

◆生粋の花屋さんだった?

 7軒の店主のうち、「生粋の、たたき上げの花屋だ」と言えるのは二人です。
 ほかは、別業種の経営を経験したり、最初からネットショップだけで、店頭業務を経験していない人たちです。

 「生粋」の二人は、「病気療養」「高齢」が理由だった二人です。なんとなく、見えてくるものがありますね。

◆創業者だった?

 自分で開業したと分かっているのは5人です。あとの二人は、自身で開業したのか、親の店を継いだのか分かりません。

◆ネットショップは持っていた?

 2軒がネットショップを持っていました。うち一軒は、ネット専門でした。
 どちらの店も、ネットはあまり儲からなかったと言っていました。ただし、2軒とも、廃業したのは10年以上前なので、現在とネットショップの事情が少し異なるのかもしれません。

◆周辺状況の変化は、「閉店」に関係あったか?

 駅前開発で立ち退きになった店以外は、周辺状況に左右されての閉店には見えませんでした。少なくとも、私の目には。

 立ち退きになった店は、補償金をたくさんもらったと風の便りに聞いたので……多分、閉めてウハウハだったのではないかと思っています。その店の店主は、現在は別の場所で、別ジャンルのお店を開いています。

◆閉店して、「良かった」と思っているのだろうか?

 閉店自体は嬉しくなくても、それなりに「あのとき閉めたのは妥当だった」と思っている人のほうが多いように、私には見えます。他人の前で虚勢を張ってるというのも、少しはあるかもしれませんけど……。
 「借金経営に陥りそうだ」と言って閉めた人でさえ、「色々な経験ができて良かった」と言っています。

◆開業を後悔している人はいないか?

 私がリアルに見た「閉店した人たち」は、経営に失敗した人でも、開業そのものを後悔している人は不思議と居ません。花屋なんか、始めなければ良かった、と言った人はいないのです。

 ただし、何かしらの後悔は皆さんあるようです。
「あんなところから借金しなきゃ良かった」
「もっと自己資金貯めればよかった」
「場所が悪かった」
「守備範囲が狭すぎた」
「自分の代わりになれる人を育てればよかった」

 花屋開業のことを、限定して後悔した人はいませんが、「経営に向いてないのかな」と言った人はいます。「雇われ店長のほうがずっといい」と言った人もいました。

 これから先、町の花屋は、今よりもキビシイ冬の時代を迎えるかもしれません(現在もすでにキビシイですけど)。いろんな意味で、タフな人だけが生き残っていくのでしょう。


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