◆花屋さんを、きれいに辞める方法

花屋バイトの辞め方

 なりたくて花屋さんになった人にも、色々な理由で辞めようと思うときがやってきます。私も、何軒かの花屋をやめて、現在があります。
 辞めるための現実的なアクションを起こすのは、正直言いましてめんどくさいです。そこに正当な理由があっても、めんどくさいです。
 この記事では、「辞めるめんどくささ」を軽減するために、役立つ情報を紹介しようと思います。

※主に、アルバイトの身分で辞めようとする場合の情報になります

スポンサーリンク

◆いつ、「辞めます」の口火を切るのか?

 まず、いつ退職の意思を正式に申告するのか、というところから始めます。
 バイトの雇用について、かる〜くネットで検索すれば分かると思いますが、民法上、「退職の意思は、2週間前までには伝える」のだそうです。(こんな感じでググってみて→バイト 辞める 法律

 しかし、私の今までの経験では、「民法に従って、2週間前までに言おう!」と言っていた人には会ったことがありません。
 では、私と、私のリアル同僚たちが、どんなタイミングで「やめる」と言い出したのかというと、

  1. 店のシフトを組むのに、迷惑でないタイミング(このタイミングが、2週間前なら2週間前に言うし、1ヶ月前なら1ヶ月前に言う)
  2. 次の物日の迷惑にならないタイミング(母の日前など、店が忙しくなるときを避けて申告する)
  3. 辞めなければならない明確な事情が発生した日(引越し、親の介護発生、結婚etc)
  4. 仕事に耐えられなくなった日(今日で辞めます、も含む)
↑ほとんど、こんな感じです。 

 バイトさんがリアルに大切にするべきは、店に迷惑をかけないことと、自分を守ることです。この二つは、できれば両方守りたいですが、どちらか一つしか守れないなら、自分にとって、より大切なほうを選択しましょう。

 こんなことをしてしまって大丈夫なのか、と思うのは、上のリストの「3」と「4」で、退職日目前にして言う場合でしょう。
 しかし、3は、どうしても辞めなければならない理由が発生していますので、それを盾に取って納得してもらうしかありません。また、4は、「勝手なバイトだ」と言われるかもしれませんが、そのリスクよりも続けるリスクのほうが大きいと判断しての行動ですから、これも「できない」ことを切々と訴えて納得してもらいましょう。
 でも、法律上困る、って言われたらどうしよう……と思っているなら、それは心配しすぎです。花屋バイトの退職時に、民法を持ち出してくるオーナーはいません。持ち出してきたとしたら、それは急にやめることを言い出したことに対するお説教的なものだと思います。 

◆黙っていなくなるのは、お勧めしません

 いわゆるバックレというやつは、お勧めしません。しかし、私の同僚にも、何人かいました。
 或る日、突然出勤して来なくなる。電話しても、一向に出ない。何日か待っても出てくることは無く、結局そのままうやむやのうちに退職者扱いになる……。

 これは、立派な社会人のすることではないと思います。何か、店と縁を切りたい事情があったのだと思いますが、まあやらないほうが良いです。
 辞めた店の前の道は通れなくなり、地域によっては、別の花屋にも就業しにくくなり、完全なる自分の黒歴史になります。嫌でも、1回店に行って、ウソの理由でも何でもいいから申告して、形だけでもまっとうにやめたらいいのです。

 店としては、ぜひとも一度店に来てもらいたい理由があります。
 バイトだと、給料は手渡しのことが多いかと思うのですが、バックレられると、最後の給料が宙に浮いてしまいます。これ、地味に困ります。「もらわない分にはいいだろう」と思うのでしょうが、気まずくてもお金もらえるのだと思って我慢して来ていただきたいものです。

◆退職の意思は、誰に申告する?

 一般的な町の花屋なら、その店の主人=オーナーにすればいいでしょう。
 オーナー自身は滅多に店に来ないようなところならば、その店の責任者に申告しましょう。もしも、店の責任者に、「そういう話は、オーナーに直接してください」と言われたら、オーナーが次に来るのはいつか、または電話で報告でもいいのかなど、聞いてみましょう。

 辞めると伝えるときには、口頭で伝えればOKです。もともと、バイトは契約書も交わさずに働いていますから、辞めるときにも、普通は「退職届」なども書きません。(まれに、書かされる店もあります。それについては後述します)
 伝えるときには、「いつまでに辞めさせて欲しい」と言うだけで大概OKだと思います。理由は、聞かれてから答えればいいです。
 店と、「理由を言わないのは不誠実」だと思える関係を結んでいたら、そのときはもちろん誠意を持って理由を説明しましょう。

◆退職の意思表示は、基本的には直接言おう

 上の項に、「滅多に店に来ないオーナーに、電話で退職希望を伝える」ということもあるように書きましたが、これはイレギュラーケースです。基本的には、職場で直接「お話があります……」と切り出します。(上の項のイレギュラーな例でも、現場の上司には直接言っています)

 退職を言い出しやすい理由と環境があれば、これはそんなに困難なことは無いのですが、ものすごく言い出しにくい場合というのはあるもので、そういうときには「メールで済めば楽だよなあ」と思います。
 しかし、現実には、メールで「辞めたい」は無しです。もちろん、LINEも無しです。
 いかに、たかがバイトの身分とはいえ、このやり方は世間がまだまだ許しません。

 「やめたいと思っている」という申告でさえ、メールやLINEはNGなのですから(基本的には電話もNGです)、メール・LINE・電話で、「辞めます」と言って翌日から来ない、というのは言語道断です。「辞める」の一言があったとはいえ、これはバックレと同等の行為です。

◆退職の「理由」は、何がいい?

 本当は、正直な理由を言えばいいと思うのですが……なかなかそうもいかないときがあります。

 花屋の退職理由については、私は比較的恵まれてきました(変な表現ですが)。言い難い理由で辞めたことは、実を言えばあまり無いです。
 私が、実際に申告した理由を、以下に書き出して見ます。

  1. いけばなの先生の内弟子になることが決まったので
  2. 半年の契約が伸びに伸びて、一年を越えてしまったので、この辺で打ち止めにしたい
  3. (社員になるか、辞めるかの二択を迫られて)社員にはなれないので辞めます
  4. もっと家に近い店に移ることを決めました(次の店への就業を決めてから申告した)
 上記の中で、特に言いにくかったものはありません。ちなみに、全部正直なホントの理由でして、きれいなウソは無いです。
 本当に言いにくいのは、人間関係がキツすぎるとか、店の方針に不満があるような場合とか、なんとなくつまんないから辞めよう、この仕事めんどくさい、みたいなときだと思います。

 正直に言っちゃったら見も蓋もないと思ったら、私もきれいなウソを言うと思いますよ。
 自分は、活用したこと無いですけど、きれいなウソの理由を考えるなら、
  • 親の介護をすることになりました
  • 子供が受験なので
  • 家業を手伝うことになりました
  • 主人がバイトに反対しています
  • 正社員になるために就活を始めたい
  • 医者に止められた(花屋は、高確率で首・腰・背中をやっちまいますので、信憑性があります)
  • (学生なら)学業が忙しくなったので続けられない
  • 花屋業務は向かないみたい
……こんな感じでしょうか。

 時給が安いとか、シフトが合わないという理由を出してしまうと、時給アップや、シフトを考慮することを約束されて、引き留められるかもしれません。
 もしも、向こうの出してできた「改善案」で、「留まってもいいかな」と思うなら、引き止められてしまうのもアリです。しかし、どうしてもその店から逃げ出したいと思っているなら、改善できない理由があって出て行くのだと言うべきです。気持ちが優しくて、人と話していくほどに、相手のペースに持ち込まれるようなタイプの人は、気がついたら「では、もうちょっとがんばってみます」とか言わされてしまいます。店も、今後のシフトのために一人も手放したくない、新人を募集して一から育てる手間なんか、今はかけられないんだ!というときには、本気で慰留してきます。どうしても逃げねばならないと思っているなら、上記の「きれいなウソの例」など参考にしましょう。

 あと、絶対にやってはいけないのは、「補充要員が確保できるまでいてくれ」と言われて、「ハイ」と言ってしまうことです。
 店は、補充要員なんて探さないよ! あなたが黙ってる間は、ずーーっと使うつもりで言ってるのだと思うよ!

◆辞めるための、「効果的」で「強い」理由

 他人を黙らせる退職理由って、あると思います。店にも本人にも、どうにもならないような理由を申告すれば、引き留めたい店も黙ってしまいます。

 そのような強い理由とは、大体以下のようなことです。
  • 家庭のこと(親が○○なので、子供が○○なので、主人が○○なのでetc)
  • 体のこと
  • すでに決定されて、動かせない何か(他への就職が決まった、海外に留学するetc)
  • 経済的なこと(この店の給料では食えない・結婚資金を貯められないetc)

 これを言われて、それでも引き留める店は少ないと思います。

◆バイト初日に辞めたくなったら

 これは、花屋じゃなくてもあると思います。学生バイトなんか、半数以上がこう思ってるくらいかもしれません。
 これはね〜、とりあえず、次の日も行ってみたらいいんじゃないかと思いますが、自分自身に辞めたい理由をはっきり説明できるなら、「辞める」という選択肢もアリでしょう。
 自分に問いかけ、「これこれで辞めるのだ」と断言できるようなことになったら、バイト初日のうちに、「辞めたいんですけど……」と申告してもいいと思いますよ。すごく気まずいと思いますけどね。その気まずさよりも、明日の業務が耐え難いと思うなら、そうしたらいいと思います。

 バイト初日に「辞めます」と申し出るなんて、非常事態みたいなものです。なので、この場合はキレイなウソは要りません。言っても、全部ウソだと店にも分かります。
 だったら、正直に言いましょう。「こんな業務だと思わなかった」「人間関係に入っていけそうにない」「雑用しかできないのは嫌だ」など、本心で思ったことを申告しましょう。

 店は、「1日くらいで、そんな決断しなくても」と言うかも知れません。 何人ものバイト君を雇ってきた店なら、「やめたい」と言っていたような人が、意外にリーダー格まで成長することもあるのを経験していたりするからです。せめて一週間、せめて三日でもいいから、やってみたら。それでダメなら、相談に応じます……とか言うかもしれません。
 そう言われても辞める決意が固いなら、情で引き伸ばすことはありません。互いに、何の得にもなりませんから。
 反対に、引き留められて、ぐらつく気持ちがあるなら、明日も出勤したらどうでしょう。上にも書きましたが、「辞めたい」と言っていたやつが、店を動かす存在になることだってあるのです。

◆「退職届」が必要だと言われたら

 町の花屋のバイトで、辞めるときに「退職届」が必要なところはほとんど無いはずです。しかし、少し大きな会社組織になっている店だと、ごくごくまれに、形式上必要だから書け、と言われることがあるらしいです。(私は、こんなものが必要な店は直接は知りません)
 その場合、書くのに悩むところはほぼ無いかと思いますが、「退職理由」をどう書くのか悩んだら、「一身上の都合」で良いと思います。もっと詳しい理由が必要だと言われたら、もう少し具体的に書けば良いでしょう。

◆今すぐ辞めるための秘策はあるか

 きつくて、めんどくさくて、つまんなくて、もう限界。しかも、明日からは、アイツとシフトが三日も一緒になる。耐えられない。今日辞めよう。今から電話してやめるんだ………と、思っている人も、世の中にはいるのだと思います。
 上にも書いたように、私はバイトと言えども、辞めるならちゃんと辞めたほうが良いと思っています。

 でも、どうしても「今日で消えたい」と思ったとしたら……というのをシミュレーションしてみました。
 こういうの、どうですかね。

 まず、店に電話して、「首が痛くて動けなくなった」と言います。起き上がるだけのために、20分ほどかかるので、家族に起こしてもらっている状況、と説明します。これはつまり、頚椎捻挫になったという仮病です。
 病院で頚椎捻挫だと言われ、三日ほど安静にする必要アリ、と店に伝えます。これで、3日の猶予ができました。3日の間に、辞める気持ちを翻すもよし、辞める気持ちを固めるもよしです。
 猶予期間のうちに、辞める気持ちに変わりが無かったら、このまま首に負担がかかる業務を続けられないので辞めます、でいいと思うんです。花屋の中には、首・腰・背中を傷めて動けなくなった経験のある人が、一人や二人はいるものです。首をやってしまうと、マジで動けなくなり、大変につらい経験ですので、このカードを切られると、「それでも頑張ってくれ」と言える花屋はいないと思います。
 このように、「首が……」で、店をきれいにやめられるのではないか、と私は思うのですが、実践していないので、どこかに穴があるかもしれません。
※上の文は、あくまでも管理人の脳内シミュレーションであって、当サイトは仮病を推奨するものではありません

◆辞めたい人は、何があっても辞めるもの

 私自身、花屋を数回辞めたことがあり、辞める同僚も見てきた経験から言いますと、本当に辞めたいと思っている人は、何を言われようが、どんな条件を提示されようが、絶対的にやめていきます。「真の辞めたい人間」を、引き留める術は無いのだと思います。

 ということは、「辞めたい、辞めるんだ」と言いながらも、続ける可能性が目の前にちらついている人、続けるための方策を考えている人、もしも続けるなら……と少しでも考える人は、「真の辞めたい人間」ではないのです。その人には、現状に留まり、そこに何かを積み重ねる可能性が残っています。「真の辞めたい人間」に、「絶対やめるけど、でももしも続けるとしたら……」という思想は無いのですよ。

 さあ、今辞めようかと思っているあなたはどっちですか? 「真の辞めたい人間」ですか? もしもそうなら、飛び立ちましょう。新天地がきっとどこかにあります。
 自分は、「真の辞めたい人間」じゃないと思ったあなたは、まだそこで頑張ることができます。踏みとどまって頑張るのと、新天地を求めて行くのと、どっちが自分らしいのか、どっちに自分は価値を見出していくのかを、じっくりお考えください。


Copyright(C)2004.09.15-. 花の情報局.All Rights Reserved.