フラワーコーディネーターの仕事

◆フラワーコーディネーターは、こんな仕事

 フラワーコーディネーターとは、言葉のとおりに、「フラワー=花」を、「コーディネート=調和するように組み合わせる」人です。

日本には、「フラワーコーディネーター」という名称の国家資格は無く、民間資格にも有名なものはありません(小さなスクールで「フラワーコーディネーター○級」などを出しているところは無いとは言えません)。
 よって、「花をうまく取り合わせることを職業にできるスキルがある人」がフラワーコーディネーターである、と考えても良いと思います。

 実は、管理人自身も、名刺の肩書きに「フラワーコーディネーター」の文字を入れていますが、私の花のスキルは、いけばな以外は花屋店頭といけこみ業務の実践で手に入れたもので、フラワースクールなどには通っていないのです。
 そんなやつでも、「フラワーコーディネーター」を名乗って、実際に仕事を取っています。この記事では、世の中に、どんなフラワーコーディネーターの仕事があるのか紹介していこうと思います。
(※楽しいことばかりは書きませんが、お許しください)

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◇「フラワーコーディネーター」を名乗るには

 上にも書いたように、現在の日本には、「フラワーコーディネーター」の名称で、資格らしい資格はありません。よって、フラワーをコーディネートできる、と自分で思ったら、名乗ってしまうことができます(私のように)。
 しかし、誰でも名乗ることができるので、「私はフラワーコーディネーターだ」と宣言しても、花業界の人は誰も感心してはくれません。「すごいのねー」と言ってくれる人がいるとすれば、その人は完全に素人です。

 花業界の人に、「おお、それはすごい」と言わせたいなら、どんな業務経験を積んできたのか、どこで花修行したのか、という「フラワーコーディネーターとしての経験の内容」を高めることです。

◇管理人の例:私は、いつフラワーコーディネーターと名乗り始めたか

 私個人のことを言うと、自分の名刺に「フラワーコーディネーター」と刷りはじめたのは、花屋修行で、

●一通りのことはまあやった
●単価10万円以上の仕事も経験した
●どこかの店に守ってもらわなくても、一人で対応できることができてきた

と思うようになってからです。あくまでも、私個人はこうだったというだけですので、何の実績も無いけど、なんだか自分のセンスに自信があるからフラワーコーディネーターって名乗っちゃえ、という勇気のある人はそうしても良いと思います。ただし、それを信じて仕事をくれた人に迷惑を掛けるようなことはしないことです。

◇各種求人には、「フラワーコーディネーター募集」が乗ることもある

 美容師さんみたいに、大量の求人募集があるわけではありませんが、「フラワーコーディネーター募集」の文字は、求人広告でちゃんと見つけることができます。
 ただし、件数は少ないですし(1件や2件くらいです)、そこに応募が殺到しますので、相当な狭き門です。応募経験があるかたなら分かると思いますが、1名募集のところに数十人集まったりします。花屋の求人のページにも、「狭き門だ」と書きましたが、フラワーコーディネーター募集の方が、更に狭いと思ってください。なので、落ちてもがっかりする必要なし、くらいの心意気でいいんじゃないかと思います。採用には、大いに「運」も作用します。

 今までに一度も応募経験が無い方は、とりあえず一回応募してみたら良いと思います。運よく受かればそれでよし、もしも落ちたら、「なるほど、こういうことを言っているのか」ということが分かります。
 募集は求人誌にも載っていると思いますが、ここではWebで見つけられるところを紹介しておきましょう。

※いつでもあるような募集とは限りませんので、こまめにチェックすることをおすすめします。

フロム・エーナビ フラワーコーディネーター……フラワーコーディネーターの仕事が、常時1〜2件掲載されています
バイトEX フラワーコーディネーター ……ブライダル系・葬儀系のフラワーコーディネーターの仕事が多いです
【おてつだいネットワークス】 ……ブライダル系・講師系のフラワーコーディネーターの仕事が多いです

【参考】こちらの記事で、フラワーコーディネーターの求人の実例を挙げて解説しています→求人の実例をチェックする

◇花団体公式の求人ページ

 私の知る限りでは、花団体の公式サイトでは、唯一FDA(フラワーデコレーター協会)に求人のページがあります⇒FDA求人情報
 いわゆるフラワーコーディネーター以外の仕事も含まれていますし、倍率も高いかと思いますが、よそでは見つからないタイプの仕事(海外の仕事など)もあるので、のぞいて見る価値はあると思います。
(FDAに関しては、当サイト内に関連記事があります⇒フラワーデコレーターFDA

◇フラワーコーディネーターの業務内容について

 企業や店舗がフラワーコーディネーターに求めるものは様々です。
 大企業が、世界的な広告の背景に花を飾って欲しいために一流のコーディネーターを求めることもありますし、一般生花店で、実質は「花屋スタッフ募集」でいいところを、「センスが良い人を集めたいな」というオーナーの意向で「コーディネーター求む」の広告文にすることもあります。

 よって、「フラワーコーディネーターとして雇われた=おしゃれでアーティスティックな毎日がおくれる。花の取り合わせを考えるだけで高給が取れる」などとアホな夢を見てはいけません。

 最初に言っておきますが、あなたが作った花を見て「ステキだね〜、すごくいいよ」などと言われることはほとんど無いとお考え下さい。反対に、「あれが悪い、これも悪い」「色が下品」「前の人はもっと良かったわ」「こんなの素人でもできる」などの厳しい一言は山ほど言われると思ってください。
 しかも、「育てたいための愛のムチ」として言われるとは限りません。上司や先輩からの言葉は「愛のムチ」と思ってもいいですが、クライアントの言葉は、純粋にあなたへのクレームです。特に結婚式は、「しくじると花嫁に死ぬまで恨まれる」くらいの覚悟でいましょう。

 と、いうふうに脅かしちゃいましたが、求人でよくあるフラワーコーディネーターの業務の内容について、以下に紹介してみます。

【1】ブライダル
【2】葬儀
【3】一般生花店でアレンジ等の製作

 【3】のケースでは、就業してみたら店立ちや水揚げなどもやらされて、「結局、ふつーの花屋の店員じゃないか」という場合がありますので、もしも「花をデザインすること以外の業務はしたくない」と思っているなら、面接の際によく確認しましょう。

 主なものは【1】と【2】ですが、やはり人気が高いのは【1】のブライダルです。ブライダルはいろいろと楽しいアイデアを提案できますし、式の主役自身の意向を聞けますし、作るものも華やかです。
 しかし、【2】の葬儀も、大きいものを請け負うと、ブライダルでは到底作れないような大モノの納品ができることもあります。胡蝶蘭をバンバン使いたいと思っているなら、ブライダルよりもむしろ葬儀がおすすめです。

 【1】も【2】も、大型のアレンジ、少なくとも段花が作れるくらいでないと、現場で手も足も出ないと思います。ブライダルなら、各種ブーケとブートニアのスキルは必須です。
 段花も、ブーケ・コサージも作ったことがないとなると相当厳しいですが、世の中には「未経験歓迎」のフラワーコーディネーター募集がわずかながらありますので、そこにダメモトでトライしていってみてください。先方に、一から育ててくれる意向があるなら、使ってもらえる可能性があります。

◇「経験者」でないとダメなのか

 フラワーコーディネーターの仕事は、ほとんどが「経験者」の募集だと考えて良いと思います。(一般の生花店の求人も大体そうです)
 また、「未経験可」となっていても、応募者の中に「経験あり」の人がいたら、「経験なし」の人に望みはほぼ無いと考えてください。(これも、一般生花店の求人と同じです)

 で、重要なのは「何をもって経験とするのか」ということなのですが、花屋業務をしたことがある人なら、「経験アリ」と言って大丈夫だと思います。
 求人の「応募資格」の項目に、たとえば「ブライダル装花の仕事を2年以上経験した人」みたいに詳しい指定があるなら別ですが、単に「経験者」ならば、業務として花を扱い、当然アレンジも花束も作れる「花屋経験者」はそれに含まれると思います。

 当たって砕ける気概のある人なら、「業務経験は無いけど、製作経験はある」という内容でも、「経験あり」と言い張って応募してみたらいいでしょう。フラワー専門学校を卒業した方などが、これにあたります。小さな花屋の店員よりも、フラワー専門学校の方が「大きなものを作る機会がある」というはなしもあるくらいなのです。(フラワー専の皆さんは、これを読んで天狗になってはいけません。本物の花屋スタッフは、小アレンジだけだったとしてもこなしている数が違い、何より手のスピードが違います)
 面接で、「業務の経験は無いのに来たの?」ってバカにされるかもしれませんけど、想定内ならばそれも怖くありません。それに、運がよければ、ガッツを買われて採用されるかもしれません。

 あと、力技としては、経験無いのに、「経験者求む」に堂々と応募してしまうという手もあります。
 大きな会社さん相手では、この作戦ではほぼ玉砕しますが、個人経営の花屋さんが相手の場合など、うまくいくと何も言われずに採用されてしまうケースがあるのです。
 私は今までに何度も見ているのですが、「この人、資格満たしてないけど?」っていう応募者を、「なんか、この人でいいかなと思って……」という理由で採るときがあるんです。ダメモト精神で応募してみるのは、そんなに無駄でもないかもしれません。

◇フラワーコーディネーターさんは、コミュニケーション能力があった方が良い

 ブライダルや、会場装花の仕事は、クライアントに「どういう感じで」「いくらの予算で」という内容をヒアリングし、こちらからいろいろと提案して話を進める機会が多くあります。

 なので、フラワーコーディネーターは、コミュニケーション能力は、あった方が絶対に良いです。すぐれたデザインを生む人は、えてして独自の世界観を持っていたり、頑固一徹な面があったりするものですが、「花仙人」みたいになっていると、よろしくないかもしれません。
 ただ、「無愛想だけど、すごい花仙人がいる」みたいに言われるほどに、腕と花仙人キャラを高めていける人なら、それも武器だと思います。

◇フラワーコーディネーターのギャラは?

 店舗や、会社に所属するなら、花屋スタッフとそんなに変わらないことが多いです。
 「花屋スタッフとほぼ同じ=世間の給料の相場よりは低い」です。低めでも、正社員ならまだ良いですが、バイト扱いで、会場装花の仕事があるときにしか呼ばれないような形態で雇われると、月に一度も呼ばれないこともあるかもしれないという不安定さになります。

 どこにも所属せず、まったく個人で「フラワーコーディネーター」を名乗って仕事を取るなら、その人の腕(製作スキル・営業スキル)で大きくことなり、「これくらい」と言うことさえできません。
 完全フリーは、よほどの自信やたしかな見通しが無いなら、私には恐ろしくておすすめすることができません。せめて、ほかにバイトを見つけておくのが良いのではないでしょうか。

 フラワーコーディネーターで儲けたいと思うなら、業界で名を知られるほど有名になり、自分の名前にステータスを付けるのが、いっそ一番現実的な方法です。つまりは、非常に難しいです。でも、腕があるなら、不可能ではないかもしれませんよ。

◇せっかく契約した仕事が気に入らなかったら

 フラワーコーディネーターの仕事が手に入り、勇んで現場に入ったら、「こんなはずじゃなかった」という現実に対面することもきっとあるでしょう。
 私も、随分と「仕事は選ぶもんだなあ」と後悔するような仕事をしています。
 仕事が気に入らなかったら、選択肢はそんなに多くありません。

●やめる
●ガマンする
●気に入るように何とかしてみる(仕事の側を変革させるか、自分の意識を変えるか、その両方をやってみるか)

 ほぼ、この三択だと思います。どれを選ぶにしても、思いを貫けばそれは尊い選択です。立派な選択をなさってください。
 もしも、悲しい選択をしなければならないときがきたなら、「誰もこんな気持ち分かってくれない」と思う必要はありません。あなたの悲しみに、きっと私が共感できるでしょう。


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