◆植物系レジャー「お花摘み」は、こんな感じで行われている

花摘み

 植物系レジャーの一つに、「お花摘み」というものがあります。特に、房総が有名ですが、北海道から九州まで、お花摘み体験のできる場所は、日本全国にあります。
 このページでは、お花摘みレジャー未体験の方に、「お花摘みって、およそどういうものか」を解説したいと思います。
※毎年行ってますよ〜という方は全部ご存知の情報だと思います

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◇お花摘みとは?

 お花摘みとは、文字通り、自分で花を摘み取って楽しむレジャーです。プロの育てた、切花出荷できるレベルの立派な花を、好きなものを選んで切り取って収穫します。要するに、果樹園の「○○狩り」の切花版です。
 このレジャーの醍醐味は、生産者の現場に素人が入っていき自分で選んだ花を自分で切り取り、切ったばかりの新鮮な切花をゲットできるところにあるのだと思います。
 お花好きの方、花と緑のレジャーを満喫したい方、好奇心旺盛な子供さんに「体験型レジャー」をさせたい方などにお勧めします。

◇花摘みの料金体系

花摘み 花摘みの料金は、たいてい「○本でいくら」になっているところが多いです。「○本でいくら」にも、下記のような色々なパターンがあります。

【1】花の種類ごとに、何本で何円と決まっている
 このタイプの料金制度が、一番多いような気がします。たとえば、
「キンギョソウ 1本 100円・ ストック 1本 100円・ 菜の花 3本 100円・ポピー 10本 300円」
のような料金が決まっています。
 この数字を見て、
「なんだ、そんなにたくさん取れるわけじゃないんだな」
と思う方がいると思います。なぜだか、お花摘みレジャーは、「定額料金で取り放題?」と思っている方がいるようなのですが、めったにそんなことはありません。(無いとは断言できないので……自治体運営のところとかはあるのかも)
 しかし、あまり大量に切花を持ち帰っても、普通の家ならもてあますのですから、取り放題にしたとしても、みんなそんなに持っていかないような気もしますが。

【2】オール定額制
 どんな花でも、10本で500円、みたいな料金のことです。これは、主流な料金体系ではありませんが、お客さんには分かりやすくて良いのかもしれません。ただし、レストランのバイキングみたいなもので、花のチョイスによっては、「損したんじゃない?」という場合もあるのかも。

【3】花の種類ごとに一本あたりの値段が決まっている
 【1】に似ていますが、「10本で」とか「3本で」という縛りがありません。一番自由に花を選んで買えます。もしも、1本しか切りたくないなら、1本でも良いのです。

※追加希望の場合
 上記の【1】と【2】の場合、「あとちょっとだけ○○を足したい」というときの追加方法として、
  • 追加は「1本○○円」と決まっている
  • 追加はダメ、もう1セット買ってください(自治体が運営しているところなどはこうなります)
などの対応になると思われますが、個人の農園に入れてもらったような場合、「1本サービスしちゃう」「この花はダメだけど、こっちの花ならもう1本サービスできるので、どう?」などのヒソヒソトークになっていくことがあります。
 でも、それはあくまでもあっちにサービスする気があるときの対応なので、こっちがサービスを期待して迫っていくのはよろしくないと思います。

◇無料のお花摘みも、あることはある

 営業目的ではなく、宣伝目的で花摘みを開催するようなところは、無料でいくらでも取っていい、というスタイルで花摘みさせてくれるところもあります。たとえば、大きなレジャーランドのようなところで、「うちの開発したマーガレットのキャンペーンを行おう」という企業が、来園者に無料の花摘み体験イベントを開催する、というようなものがそれにあたります。
 または、切花生産の盛んな土地の自治体が、「無料の花摘み体験」の希望者募集、などということもあるかもしれません。
 こういうものは、情報をマメにチェックしていないと見つけられません。新聞の地方面とか、自治体の告知ペーパーとか、クチコミで探していくことになります。ネットで探すなら、「花摘み 無料」でググるのが早道です。

◇花を摘む道具は?

 花摘みで営業しているところは、はさみは用意してあります。花を包む紙や袋も用意しています。手ぶらで寄って大丈夫です。まれに、サンダル履きの人に、長靴を貸し出してくれるところもあります。
 ただ、無料イベントのような場合だと、「鋏ご持参ください」のこともあるかもしれません。

◇どんな場所で花を摘む?

花摘み 道具 お花摘みができる場所は、「花畑」か、「ハウス」です。

 花畑の場合、平地の中に人が歩ける道ができているか(要するに、広大な花壇の中に道があるようなことになるか)、畝のある畑の中に入っていくか、どちらかです。どっちにしても、雨の直後だったりすると、多少靴に泥が付くことくらいは覚悟してください(だから、上の項に書いたように、長靴を貸してくれるところがあるのです)。板を渡して、歩きやすくしているところもあります。

 ハウスで行う場合は、生産しているハウスの中に入れてもらえます。ハウスに入ったことの無いお子さんなどは、こっちのほうが喜ぶ可能性もあります。
 花の値段は、ハウスのほうが路地よりも高いことが多いです(当たり前ですけど)。

 ハウスの小型版というか、ビニールトンネルみたいに作った、人が入れないタイプのビニール温室がありますが、その中の花を摘むような場合は、ちゃんと温室の口を開けてくれるので、開けてもらってから摘みましょう。自分で、勝手に開けてはいけません。
↓要するに、こういうやつです。

◇素人でも、簡単に花は切れます

 花畑に行くと、現場のスタッフさんが、花の切り方の基本的なことを教えてくれます。切り方に難しいことなどは無く、「知識が無いので、うまく出来なかった」ということはないはずです。てゆーか、私はそんな人は見たことないです。
 ただし、さっさと規定の本数を切ってしまってから、他人が切っているのを見て、
「ああいう風に、慎重に選べばよかったなあ」
「あっ。あっちにもっと良い色があったのに!」
などと、ちっちゃな後悔をする人は大変多いです。

 花を切るのは、ただはさみでチョキンチョキンと切るだけです。なので、力もいらず、ちょっとかがむくらいでできる作業です。10本や20本切る程度で、服が汚れるようなことにはなりません。

◇お会計は、現物チェックで

 お会計は、後払いが主流です。なぜなら、最終的に花の数をチェックしなければならないからです。
 花を切り終わったら、スタッフさんに、「これだけ切りました」と現物を渡します。すると、花の本数をチェックして、会計をしてもらえます。
 個人農園だと、会計チェックのときに、「このつぼみ、小さいから……もう一本つけてあげましょう」などと言って、勝手にサービスしてくれることもあります。

◇どんな花が摘めるのか?

 観光用花摘みができる花の種類は、およそ決まっています。メジャーなものは、下記のとおりです。

ポピー、菜の花、スターチス、キンギョソウ、なでしこ、キンセンカ、ストック、矢車草、カスミソウ、小菊

 上記の花は、真のメジャー級です。何度か花摘みに行っている人からすると、「またキンギョソウか」というくらいの花です。
 上記の花ほどメジャーではないものになると、

ひまわり、コスモス、マーガレット、カーネーション、アルストロメリア

などがありますが、すごく珍しいというほどではありません。
 私が、個人的に「変わってるなあ」と思った花は、下記のとおりです。

ラベンダー、ストレチア、ダリア

 ラベンダーは、ハーブ園も併設するようなところでないと、なかなか無いと思います。
 ストレチアの花摘みは、館山あたりで見たと思うのですが、一応「高級花」の一角に入る花であるのに(昔ほど高級ではなくなりましたが)、花摘みできるのかと思って驚きました。上記の、メジャー級の花を見ていただければ分かりますが、花摘みできる花というのは、ほとんどが安価な花なのです。
 ダリアは、ネットで情報を見たことがありまして、宝塚のほうの公園か植物園だったと思います。良いのか悪いのか分かりませんが、ダリアの花摘みというのは、珍しいということは言えると思います。

◇花摘みに要する時間は、数分程度

 10本とか20本程度の花摘みは、結構あっけなく終わります。特に、私のように花の見極めが早く、花鋏を扱いなれていると、2〜3分で終了となります。よほど時間をかけて吟味し、スタッフさんに質問しまくっても、30分かかることは無いと思います。
 旅行の計画を立てるときなどの参考になさってください。

◇花摘みの花畑と、レジャー施設

 上の項で、「花摘みは、結構スピーディーに終わる」と書きましたが、ほとんどの花摘み花畑は、レジャー施設の中にあったり、すぐ近所に大きなレジャースポットがあったりします。なので、長い時間かけて花畑に行ったけど、10分でやること無くなって帰るハメになる、ということはあまり無いはずです(辺鄙なところにある個人農園がやってればありえるけど)。

 多くの花摘み花畑は、植物公園の中とか、レジャー牧場の中とか、道の駅の隣などにあったりします。また、観光用花畑は、地元のJAとか、生産者の組合が運営にかかわっていることが多いので、切花・鉢花、野菜や地元の名産品の買えるショップが併設されていたりして、良いお土産購入ポイントになっていることが多いです。

◇基本的に花摘みのスタッフさんは、切花生産にとっても詳しい

 基本的に、花摘みの現場にいるスタッフさんは、花のことにはとても詳しいです。それは、ほとんどの現場スタッフが、農業従事者だからです。その花畑で、花を生産している農家さんが、花摘みのお客を案内しているのです。
 なので、花のことは、たいてい何を聞いても答えが返ってきます。ガーデニングの好きな方は、花の育て方の質問をしてみてもよいと思います。

◇個人農園の花摘みは……

 大型レジャー施設の中の花摘みも、色々便利で良いですが、個人農園の花摘みも、シンプルでアットホームで良いものです。
 個人農園の花摘みは、完全に「農家のおばちゃん」がスタッフです。今年の花のできとか、飾りやすいのはどの花だとか、人気があるのはどの花だとか、どんどん聞いちゃってください。花を切るときも、聞きたいことがあれば、たいていのことは答えてくれます。また、花を持ち帰るときには、持ちやすいように気を配ってくれます。

 私の知る限りでは、個人農園の花摘みは、行くと何らかのサービスをしてくれるのがデフォルトです。
 サービスの種類は色々あるのですが、たとえば、
  • サービスで花を増やしてくれる
  • 「もうシーズンも終わりだから」とかなんとか理由をつけて、ちょっと負けてくれる
  • ちょっとした食べ物をくれる(みかんとか、飴とかetc)
  • ちょっとした飲み物をくれる(ミニドリンク類)
などがあり、場合によっては、サービスは一つだけとは限りません。その結果、「なんだか、ものすごく得をした」という思いで帰るお客が多いです。
 


 最後に、突如として社会派なことを言いますが、個人農園のスタッフさんは、ほとんどが高齢者です。農家の高齢化を、はっきりと見ることができます。

◇花摘みの花は、お得なのか?

 花摘みの値段を見ると、「10本 300円」「15本 300円」くらいの値段が書いてあることが多いです。町の花屋で売っているバラなどは、1本300円するものもあるので、それと比べて、
「10本もあるのに300円! ありえない安さだ」
と感じる方もいるかもしれません。しかし、「どんな花が摘めるのか?」の項に書いたように、花摘み花畑の花は、切花としては安価なものが多いです。なので、「10本 300円」くらいで、そんなに驚くことは無いのです。
 たとえば、ポピーは、東京でも、1本50円くらいで買えます。10本の束売りだと、500円よりも安い値段で売っていてもおかしくありません。なので、花摘みの値段は、安いことは安いが、ありえないほど安いわけでもない、というところだと思います。また、花のできによっては、「全然安くない」ということだってあると思います。

 しかし、花屋の私が、「なんだかんだで安いな」と感じる値段であることは間違いありません。また、自分で選んで、自分で切って、新鮮なままの切花をゲットできることを考えると、「トータルでお得」なレジャーと言えるのかもしれません。

◇花摘みのついでに、切花や鉢花もぜひチェックして

 花摘み花畑では、切花や鉢ものも売っています。切花の中には、都会で買うよりも相当安いものもありますので、お花好きな方はチェックしてみてください。房総の方の花畑などでは、たまにプルメリアの鉢物などが激安で並んでいたりして、なかなか侮れないことがあります。



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